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値段は高くなっても品質は同じか下

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結月でございます。

今日、弦楽器の輸入元から封書が届き、それは価格改定のお知らせだった。これでも一応、楽器商であるわたし。でも、公演に付きっきりだし、弦楽器販売の仕事はほとんどしていない。

その価格改定の品物はスイス製の楽弓であったが、わたしが知る時代より値段が2倍から2.5倍。確かに円安もあるし、輸送状況もあり、さらに弓の材料であるフェルナンブーコは環境破壊の理由で随分前から輸出規制がかかり、材料は高騰していた。

楽弓に関して言えば、昔は安かったが材料が豊富で品質が良かった。次第に品質が落ちてきて、でも値段は高くなり、ついにスイス製の量産の弓でさえびっくりするような値段に。

品質を知っている立場としては、その値段じゃ要らない…なんて思いつつも、すべてが高くなっているからその値段を出してやっとその程度の品質なのである。

だから、昔にわたしが販売した弓をたまに見ると、それはそれは品質が良くて、今なら考えられないような安さなのである。

よく言われるように日本人の給料が上がっていればいいのだが、これがむしろ下がっている状態で倍以上の値上がりは気の毒というレベル。昔を知っていると、値上がりした楽弓なんてちょっとお客さんには勧められない。

とにかく日本だけがずっとデフレで海外との差が著しくなった。日本の貨幣価値から見ると、輸入品はかなり高い。

フランスのワインもかつてより3倍ほどの値段になっていて、でも味は同じ。

昔のほうが価格は安くて、でももっと豊かであった実感がある。

という中、フランスワインなんて値段を見ればアホらしくて買わなくなって久しいわたし。とは言いつつ、先日、宇都宮のメガドンキに行ったらわたしが愛してやまないワイン、シャトーヌフ・デュ・パープが2700円くらいで売られていて迷わず1本買った。

シャトーヌフ・デュ・パープは普通なら7000円〜1万円はするが、どうやら買い占めでこの値段で出せたようである。

そんなお買い得だったシャトーヌフ・デュ・パープは飲むことはなく、床下の貯蔵庫に入れた。飲んでもいいが、飲む気がしなかった。そこにはもう1本、異なるドメインのシャトーヌフ・デュ・パープがあり、これは結構いい銘柄の品物だが、6年くらい前に買ってまだ栓を開けていない。

飲まない理由は普通に飲むのはもったいない気がするからで、何かスペシャルなときに飲もうかとキープしてある。でも、今年だけでも2度のスペシャルがあったが何だか面倒になって結局飲んでいない。そして、スコッチのティーチャーズをハイボールにして済ませた。

お酒を飲んでもあまり楽しくないし、飲めばグロッキーに寝込んでしまうのが疲れる。これまで飲みすぎて嫌になってしまっている。

かつての百戦錬磨ぶりは見られることはなく、飲むと横にならないとやっていけない軟弱さ。

それがキツくて、さらに時間の無駄で、グロッキー状態でまもなく6歳になる女の子に叩き起こされたりすると出るのは呻き声だけなのである。

実は今日も保育園が休みの愛娘がマックを食べたいとか言い出して、わたしは食べたくなかったのだけれど嫌々食べた。そこに赤ワインを合わせたが、グロッキーになってしまいソファで寝込む。

2時間ほど寝るも起き上がるのがキツくて、要介護状態。

著しく後悔したのである。

しかし、このワイン、那須にあるドン・キホーテで買った360円のチリ産で、こんなに安いのにかなりしっかりとしたお味で、びっくりした。フランス産は品質以上の値段の高さで買う気はしないが、このチリ産の価格は品質から見ると驚きである。

とは言え、そのワインはうまいけど、飲むとグロッキーになる現状のわたし。あまりにキツいから、結美堂ガールズに、

「もうお酒、やめる」

と、LINEしようと思ったくらいだった。

さらに公演で忙しく、エアロバイクをずっと乗れていなかった究極の運動不足による筋力低下も加わり、お酒を飲んでグロッキーになると立ち上がる筋力が膝にない。

また全身の筋肉は使わないから細くてガチガチ。クルマのシートベルトを取ろうとするにも気合がいる状態、それだけでなくトイレットペーパーを持つ手がお尻に届くのもやっとなのである。

さすがにこれはいかん、というか体がキツいから、数日前からやっとエアロバイクを再開した。脚は重かったが、ペダルを漕ぐと体も次第に軽くなる。快適さが少しずつ滲み出てくる。

そして、ストレッチをしまくる。どこを動かすにも、

「痛って!」

という有様だが、これを続けていると効果は出てきてトイレが楽になった。

とまあ、栃木に来てクルマばかりになり、運動不足がひどい。東京のように連日駅から駅へ、改札から出口へ階段を上るといった運動がない。

お酒は飲まなきゃいいが、基礎体力がこれだと何かと疲れるし、集中力も下がる。

しかし、お酒を飲んでグロッキーはちょっと辛い。

公演が終わってすぐに奥日光の行きつけのホテルで過ごしたが、いつものディナーにビールと日本酒を1合飲んだだけでグロッキー。そこに5歳児がタックルしてきたり、乗っかってきたりすると、

「お願い… やめて…」

と、冗談が通じないかすれ声。

4月か5月には結美堂山ガール部の活動があるが、きっとわたしは山登りに関係なく、飲酒後グロッキーである。

お酒を口にするのが嫌になってきているこの変わりよう。人間はかくも変化し、まるで別人のようである。

であるからして、過去のわたしの魂がシャトーヌフ・デュ・パープを買わせ、現在のわたしの肉体がそれを飲ませない…

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