結月でございます。
ファミレスなんてものは今まで行くことはなかったというのにガストなんかにそこそこ行ってしまっているのは、4歳児がいるから。
ガストのお子様メニューを頼むとアンパンマンのマグカップやお皿がもらえるチケットをもらえて、それを3ポイント、もしくは5ポイント集めると交換してもらえる。
さらにそのお子様メニューにはソフトクリームが無料サービスとなっていて、コスパがいい。
というわけで、行きつけの那須千本松牧場へ行くときは、その前にあるガストに寄るのが定番になっている。
と、子供はいいけれど、アダルトなアタシはどうしたらいいんだとなる。
とりわけ食べたいものはないし、鶏肉のステーキを頼んだらものすごくいまいちでがっかりした。「から好し」という唐揚げが人気というので何度か食べたが、まあ悪くはないけど、ときめくものでもないかなという印象。
仕方なしにマルゲリータピザを頼んでみた。
仕方なしというのは、ピザは基本、ワインがないと楽しめない性分だからで、ノンアルでピザなんて頼んだことがなかったから。
まるで期待していない700円強のピザ。
しかし、これはこれは、食べてみるとびっくりで、
「うましら〜」(by江頭2:50)
これはイケる!このクオリティでこのお値段は大満足。もうガストでは今後このピザしか注文しないことにした。
とはいえ、車の運転がある都合、ノンアルでピザを食べるのはきつい。すぐにお腹がいっぱいになる。
だから、半分ちょっとしか食べられなかったが、ここがガストのすばらしいところでお持ち帰り用の容器とビニール袋をもらえてしまうのである。
なので、ガストでピザを食べたら残りは持ち帰り、家で食べるというルーティンになった。
わたしはピザが好きなのである。
なぜなら、ピザは食べるのに面倒でないから。
あちこちと箸を伸ばさなければならない懐石などは面倒。それだけで完結しているものが楽でいい。
だから、フィレンツェに行ったときはピザしか食べなかった。ピザ以外は何も食べてない。そして確かにフィレンツェのピザはおいしかった。
ドミノピザやピザーラといったアメリカンなピザももちろん好きだけれど、ちょっとお値段が高いように思う。
それならガストのマルゲリータを3枚買ったほうがいい。
しかし、この絶品のピザ。これだけのものならやはりワインがほしい。ブルゴーニュの赤。ジュヴレ・シャンベルタンかポマール。もっといいのはオスピス・ド・ボーヌのどれか。
ガストのピザはアツアツであるのがベストであるから、持ち帰りだとちょっともったいない。しかし、ガストには車で行かねばならず、そうでなくともガストには極上のワインがない。
これはどうしたものか。
うちの近くに車で10分未満のところにガストがある。
ここなら事前にオーダーしておいて車で取りに行き、大急ぎで持ち帰り、ワインを開けるか。
ところで結美堂には床下にあるセラーにシャトーヌフ・デュ・パープを保管している。
数年前にYouTubeの撮影用に買ったもの。
この上質なワインを尿瓶でデキャンタして飲むというのを動画でやろうと思って買ったものだが、なんだか面倒臭くてまだ栓を開けていない。
ただ飲むだけに開けてしまうのはもったいないし、こっそり一緒に飲みたい愛人もこちらにはいないし、どうしたものか。
シャトーヌフ・デュ・パープはわたしが最も愛するワインで、開高健が遺作の『珠玉』で「若い女の太もものように艶やかで…云々」と評したワイン。
となると、艶やかな太ももの愛人とでなければ飲めないではないか。
困った。このままではずっと開けられない。
食べるものはガストのマルゲリータピザでいい。
でも、このワインを開けるとなれば、相手が大事。
と、このままシャトーヌフ・デュ・パープは歳を重ね、熟成を進めていくのだろうか。