結月でございます。
ちょっと前まで夢のような話であったり、SF的な想像だったりしたAIが急速に現実のものになってきて、実験的にも様々な場所で使われるようになった。
自動運転だって、夢物語だったのにすでに実現している国もあるし、あと数十年もすれば自動車を自分で運転すること自体がレアなもので、今で言うと乗馬をするような趣味的なものになるに違いない。
それでも自分で運転して交通事故なんて起こしてしまったら、
「なんでクルマなんて自分で運転するわけ?」
といったように社会から批判されるようになるだろう。
と、このようにいろいろなシーンでAIが活躍していく中で、例えばWebデザインなどは早くAIになってくれないかな、とわたしは思う。
今はソフトがよくできているので、Webデザインもそのソフトの性能によるところが多く、一から絵を描いているようなデザイナーはあまりいない。
フォーマットも優れたものがたくさんあるし、出来合いのテンプレートもよくできていてそれほど手間をかけずにソコソコのデザインができるようになっている。
この分野にAIが本格化すれば、こちらのイメージするものや商材を入力するだけで、
「こんな感じの、できました」
と、AIがWebデザインを提案してくれる。
とりあえずAIを持つことにすごい金がかかるだろうから、金のある企業がAIを持ち、クライアントから手数料を受け取ってAIに仕事をさせるという流れになるだろう。
しかし、デジタルはあっという間にコモディティ化するので、個人のパソコンにデザイン専門のAIをインストールしたり、クラウドでアクセスできるようになって汎用化し、AIでデザインを請け負う会社は潰れるか、方向転換して行くことになる。
早くそんな時代になってほしいなって思うのは、AIは納期をきっちりと守るだろうから。
人間に仕事を頼んで一番困るのは、納期を守らない人が多いこと。
Webデザインやホームページを作るという作業は、それほどクリエイティヴでないにせよ、最低限のデザインを考えなければならないから、特に納期を守れない人が多くなる。
アイデアが出なければ進まないし、やる気が出なければやらないしで、どうしても納期がルーズになる。
納期が遅れると、仕事が先に進まないし、その間、受注を受けることもできなかったり業務が停滞し、停滞中にもかかる維持コストが垂れ流されることになる。
これは非常に困るのである。
だから、AIが進化してくれれば、全て時間通りに事を進めることができそうで、大助かりということになる。
転職業界で「即戦力」という言葉が使われ始めて随分時間が経つけれど、文字通りすぐに使える力がほしいわけで、まさにAIであれば時間をきっちり守り、きっちり仕事をしてくれるから即戦力はAIに求められることになる。
と、こういう話をすると、今後AIに奪われる職種とは?みたいな話になり、それも満更でもなくなってくる。
とりわけウェブ制作関係は徐々になくなっていくジャンルだと思う。
AIが進化することによって仕事をなくす人もいれば、AIを使うことによって仕事を生み出せる人もいる。
これは今後、大きな分かれ目になるに違いない。
要は納期を守れない人間臭さではなく、仕事の内容が人間臭くないジャンルはどんどんAIに置き換えられるだろう。
将棋の頭脳はAIはすでにプロ棋士を超えたけれど、結局は人間同士の対局がおもしろいのは単純な勝ち負けではなく、人間同士のほうが人間臭いからであるように。
魅力の根本が人間臭さにあるものは、AIが進化してもそこそこは生き残っていける。