結月です。
減量を始めて2ヶ月と5日。現在マイナス8kg超えでマイナス9kgへ向かうところ。当初の目標は1ヶ月で5kgであったので、ややペースが遅いのは年齢的な基礎代謝が昔よりは落ちているせいか、あとはよく歩く東京でなく、まったく歩かないクルマ生活の栃木にいるせいなどの理由と考えられそう。
とは言え、まあまあのペースでもはや減量生活が「普通」になり、ずっとこれでもいいかなとも思うのは、過去の不摂生が祟って今後はそんなにメチャなことはできない肉体だから。深刻ではないが、昔バージョンの生活を続けると深刻状態になる。それを医学的に理解しているから、理想的な健康生活になりそう。
と、一応順調な減量であるが、風呂に入るとき自分の体を鏡で見ると、
「まだまだあかんわ…」
という無様な姿。8kg以上痩せたからそりゃ2ヶ月前に比べれば随分いいけれど、まだまだなのである。あとさらに8kgは落とさないと格好がつかない。とすれば、現在はちょうど半分というわけだ。
今後は生活習慣病の予防医療を音楽活動に織り込んでいくので、自分が生活習慣病予備軍であっては説得力がないからもう2度と不摂生はしない。
さて、ユニステラの天体望遠鏡で電子観望をやりたいと思いつつ、なかなか晴れた夜空が訪れない。ちょうど先日、ピーカンであったが、その日は出かける予定があって駄目だったのである。
星空は季節によって変わるので、春の星を見たい。それに真冬のようにクルマで凍えながら見ることもない。
桜も散ってしまった季節であるが、昨年の夏、愛娘が保育園で見つけたクワガタ虫がようやく土から出てきた。ずっと冬眠していて、時折土に水を含ませていた。
クワガタなんか飼うのは面倒だったが、6歳児は家に持ち帰ると駄々をこねたから仕方なしに持って帰り、飼育セットを買って結局のところ世話をするのはわたしである。
そう言えば、3匹の猫も勝手に連れてこられて世話をするのはわたし。ついでに言えば、愛娘だって世話をしているのはわたし。
そんなクワガタが冬眠から目覚めて土から出ていたのを見ると愛娘は喜んでいたし、わたしも嬉しく思った。冬眠と思って死んでやしないかと不安もあったからで、ゼリーを出してそこに乗せてやるとクワガタは吸い付いていた。
そんなクワガタも目覚める春に来年の公演のための企画は少しずつ進行中。今日はとある大企業に電話してみた。営業部と話ができて代理店につないでくれるという。
何事もそうだが頭の中だけで考えていると物事は動かないもので、とりあえず電話して話をしてみるなど動いてみて進展する。進展しないかもしれないが、「そういうことか」と現状がわかったりする。
頭の中であれこれとどうしようどうしようと思うと現実を知ることができず、それは10代の片思いのようで妄想しか生まれない。
ともかく、今まで自分がやったことがない、触れたことがないジャンルに向かっているので、自分でできる勉強はやりつつ、そのジャンルの人に会っていく。
今、関わり始めたのは胃がんの原因となるピロリ菌のことで、ピロリ菌がお腹にいるかどうかの検査をどうすれば普及するかを考えている。
ピロリ菌に感染しているとそこから胃がんが発生するリスクが高くなるし、実際に胃がんの90%以上はピロリ菌が関与していることがわかっている。
しかし、今はピロリ菌が陽性でも薬で簡単に除菌することができる。簡単に除菌できるにもかかわず、検査のほうが進んでいないのはもったいない。
その検査は採尿でできて、それも自宅で行い、郵送してもらえればピロリ菌の有無がわかる検査キットがある。
来年のジェネオケ公演でもサントリーホールのロビーでこれを販売するつもりである。
ピロリ菌の感染率は年齢と呼応していて、30代なら30%、40代なら40%という具合で、井戸水は飲まなくなったとはいえ、まだまだ感染率は高い。それは口移しの母子感染で菌が継承されるからである。
ピロリ菌はできるだけ早く発見し除菌することで胃がんリスクをかなり抑えられる。ところがピロリ菌による胃炎が生じると除菌した後でもその箇所は胃がんリスクは消えないらしい。だからこそ、早い除菌が大事になる。
ともかくジェネオケの公演に来てもらえればピロリ菌の検査ができ、それでピロリ菌を発見できて除菌を済ませれば、胃がんで苦しむことも減らせる。音楽的感動だけでなく、文字通り命を救える公演になるわけだ。
とまあ、そんなことを考えているので、ピロリ菌検査も啓蒙していく。
根底にあるのは生活習慣病も胃がんも検査をして現状を知り、そこに対策を打ち込めば死なずに済むという点で、要するに放置するから重症化して死ぬ。その死因は癌であったり、脳卒中や心筋梗塞が主である。
脳卒中や心筋梗塞は突然起こるものだが、その原因は生活習慣病であり、糖尿病である事実は思いのほか知られておらず、おぼろげに脳卒中や心筋梗塞が独立したものとして発症すると思われている。実はわたしもそう勘違いするひとりだった。
また発症件数が多い大腸癌も便潜血検査で陽性が出れば、大腸内視鏡検査でポリープが発見でき、それが癌化する前に早期に切除すれば基本的に大腸癌にはならない。
ちなみにわたしは2年前、検査で陽性、つまり便に血が混じっていて、内視鏡検査をするとそれは痔核だった。
大腸癌は1cmの大きさになるのに10年ほどかかるゆっくりとしたもので、数年に一度でも内視鏡検査をしていれば早期発見できる。
わたしの恩人は数年前、大腸癌で亡くなってしまったが、発見されたときはステージⅢとⅣの間だった。つまり10年以上も前にすでに癌はあったのに検査をしていなかった。
大腸内視鏡検査は2リットルほどのあまりおいしくない下剤を飲むのが楽でないし、尻の穴からカメラを入れられると思うとゾッとして思わず避けたくなる。そのせいで健康診断で便潜血検査で陽性でも、
「ま、痔だろ…」
と、自分を納得させてスルーしてしまうケースが多いに違いない。そうでないと大腸癌の件数が日本でこれほど多くなるはずがない。
であるからして、健康な肉体で「生きてることに、歓喜しよう」を伝えたいジェネオケとしては、便潜血検査の検査キットもホールで販売を考えている。
多くの人は自分が病気だと思いたくないから、検査だけをアピールしても見て見ぬふりでスルーなのはわかっているので、そこにたどり着けるようなインセンティヴはこれから考えなければならない。
例えば、ジェネオケ公演の前にピロリ菌検査を申し込んでくれて、さらに陽性になり病院で除菌を済ませた人はジェネオケチケットがプレゼントされるなんてものである。陽性が当たりくじみたいなもので、ネガティブさをなくし、笑顔で除菌し、胃がんリスクを回避し、ニコニコになっていただく。
わたしにとって恩人が大腸癌で死んでしまったのはとても寂しいことだったし、今でも寂しい。あんなハートが広くて、おおらかな人は彼以外会ったことがない。
もしわたしがもっと前に予防医療に目覚めていれば人間ドックを勧めていたのだから、悔やまれる。
しかし、誰しも誰かに大事に思われているに違いないのだから、防げる病気で死ぬことは自分だけでなく、誰かに寂しさを与えることになるのである。
その自覚があれば、積極的に人間ドックも受ける気にもなる。それをジェネオケ公演を通して伝えたい。音楽だけでなく、自分の存在価値、自分が生きていることを誰かが求めていることを知ってもらう。そんな生命意識があれば、より一層、音楽に感動できるはずだ。なぜなら、生きていることに歓喜しているから。
だから、ジェネオケは音楽に対して批評的なウンチクにうるさい客はあまり求めていない。そんなウンチクを垂れる前に自分の体をちゃんとしろ。一銭の価値もない能書きを垂れるエネルギーがあるのなら、それを防げる病気の啓蒙を手伝ってくれ。
そんなことを思いつつ、まずは演奏者もどうにかしないといけないと思っている。彼らはあまりにも運動不足で、遠征先でご当地のメシを食い過ぎて、メタボ体型が多い。生活習慣病で脳梗塞なんか引き起こして、半身付随なんかになったら楽器は弾けなくなる。その危機を現実のものとして真剣に捉えてほしい。
しかし、それでも多くの人は自分は大丈夫だとなんとなく思って現実に向かい合わない。医療関係者と話をしても口を揃えて「病院に来てくれない」と言う。
大事なことだが、伝わりにくい。でも少しずつでもいいから伝えていく。それでひとりでも心筋梗塞や脳梗塞で死ぬことを未然に防げられれば大きなことじゃないか。たったひとりでも人の人生は大きなものだ。
そういう意味でわたしは音楽のための音楽はやらない。音楽的趣味の内輪な音楽なんていくらいい演奏でも社会性はない。そんな内部需要だけで音楽の環境が今後も続くとは思えないし、どこかでそれは破綻するに決まっているのだから。