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人民帽はどこに行った?

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結月でございます。

今朝、目覚めると、

「あの人民帽はどこにあるんだろう?」

と、思い立った。

人民帽とは昔の中国人民解放軍が使用していた帽子で、その後、文化大革命が起こって多くの中国人が着ていた人民服とセットの帽子。緑色で真ん中に紅い星がある。

わたしは小学生の頃、初めて海外に行ったのであるが、それは中国だった。上海から入り、揚州、無錫などをまわった。

当時はまだまだ貧しい中国で、貨幣も人民元と兌換券があって、当然向こうでは外国人であったわたしは兌換紙幣を持っていた。

中国のトイレにはドアがなくて丸見えで溝だけあるといういわゆる「你好トイレ」だという話を聞いてビビっていたが、当時、日本人など外国人向けのホテルはちゃんとしたトイレであった。

しかし、上海のどこかのホテルで食事をしたレストランのトイレは本当にドアがなく、石を削り出した丸い便器だった。

当時、何を食べたかはあまり覚えていないが、鯉の丸揚げで甘酢の餡掛けは覚えている。とにかく貧しい時代の中国だったから、今のようなリッチな中国の料理とはゴージャスさが違ったけれど、それはいい思い出で、だからわたしは今でも中国料理が大好きである。

その頃の中国は上海でも道は舗装されておらず、土と砂がそのままで、百貨店も天井が剥き出しで照明がほとんどなかった。思えば文化大革命が終結したのが1976年で、わたしが訪れたのはそこから10年も経っていなかったのだから当然である。

中国に行ったら絶対にほしいものがあって、それが人民帽だった。なんであんなものがほしかったかはわからないが、子供心である。

しかし、文革も終わり、人民帽は探してもなかなか売っていない。通訳に訊いてもらってもないと言われる。街を歩けばまだ人民服を着た人はかなりたくさんいたが、文革が終結して新品の人民服や人民帽は売られている時代ではなかった。

ところがやっとのことで見つけた。どこのどんな店かは忘れてしまったが、ようやく人民帽を手にすることができて、嬉しくてわたしは帰国するまでの間、ずっとそれを被っていて、日本に帰ってからも放課後、友達を遊ぶときはそれを被っていた。

そんな人民帽は今、どこにあるのだろう?と今朝思ったわけである。

あそこの箱にあるのでは?と思ったのは、わたしが生まれた頃から使っているプラスチックの洋服入れで、そこには古い服がいまだに収納されている。古いと言っても東京に来た当初のものだが、もしかして人民帽も離さずに持ってきたのかもと思った。

中を開けるとそれはなかった。その代わり、高校のときに使っていたカシミアのマフラーはクリーニング袋に入って見つかった。

あの人民帽は実家にあるかもしれない。今更被るかどうかはわからないが、向こうへ行くことがあれば探してみよう。

さて、そんな洋服入れを開けると、ピエール・カルダンのスーツが出てきた。あるのはわかっていたが、スーツなんか着る生活はしていないし、そもそも似合わないし、それゆえに長年放置されていたわけだが、当時より太ったからサイズが合わないと思っていた。

ところが今のところ6kg以上減量したためか、一応袖を通してみると着ることができた。多少小さい気はしなくはないが、着れると言えば着れる。

減量は継続中であと10kg近くは落とそうと思っているから、今で着られるのだから2ヶ月後にはサイズ的にはしっくりくるだろう。

とは言え、スーツなんてキャラでないし、ずっと着物だったし、着ることはないんじゃないかと思いながらも、痩せれば昔の服が着られて安上がりなんだと知った。

そのためには流行に関わらないフォーマルやコンサバなものである必要があるが、太ることに合わせて服を買うというのは馬鹿らしい。

なぜなら、サイズ違いが無駄になるからで、際限がない。

それにどんな服でもデブが美しく見えることはない。それにデブになるとそれをひた隠しにしようと黒い服を選んで、黒ばかりになる。これは大変愚かなことだ。

というわけで、只今減量中で、かつ成果をしっかりと出しているわたしはデブを優しく全否定しようと思う。

なぜなら、デブでいると脂質異常症にほぼ間違いなくなるし、高血圧、糖尿病を引き起こす最大原因であるからだ。

かく言うわたしも積年の不摂生生活で2年前の人間ドックでは脂質異常症に認定されてしまい、悪玉コレステロールの数値が異常値までではないにせよ高かった。しかしながら、今年の人間ドックでは減量のために食事とエアロバイクでの運動に徹したから脂質異常症は改善され、見事「異常なし」のA判定を頂戴したのである。

と、病気一歩手前で踏みとどまることができ、それも継続しようと思っているから、デブに対しては自分の愚かさを踏襲して優しく全否定し、減量を進め、命を救うことにする。ちなみに今日はエアロバイクを一日で180分以上行った。

しかし、着ないであろうスーツを掘り出して、着れないと思っていたものに袖を通せてしまうと減量の結果を実感できて嬉しいものである。であるからして、あのスーツはシミがついたり状態が悪かったからクリーニングに出してやろうと思う。

さて、中国が日本のGDPを抜いた以降も何度も中国に行ったが、リッチになった中国のことは新しい記憶であるはずなのにほとんど覚えていない。

リッチになると平均化して、日本で手に入るものと同じようなものばかりになって「らしさ」がなくなるからでもある。

だから、小学生の頃に行った中国、まだ文革の残り香が微かにあった上海のことが印象深い。そして強烈な経済成長を急発進させる雰囲気が漲っていた2000年初頭の中国は思い出深い。

線引きをするなら、スマホの登場とそれ以前であろうか。

2000年を超えた頃の中国は楽しかった。デタラメなノリがあったし、得体の知れないミッキーマウスのいる遊園地があったりした頃だ。

そう言えば日本が元気だった80年代には夏祭りに夜店の屋台がたくさんあって、そこにはあまりにも出来損ないのドラえもんやアラレちゃんのお面が売られていた。

コンプライアンスなんていう概念がない時代。

デタラメだけどエネルギッシュ。

今はそんなデタラメが許されなくて、他人の視線ばかり気にしている。

コンプライアンスな時代なのに昔に比べて肥満が3倍くらいに数が増えていて、健康がよく言われる今のほうがデブが多いらしい。

それはコンビニの普及でいつでも高カロリーで美味しいものが食べられるようになったとか、二郎系などデカ盛り系が人気を博すようになったとか、そんな中、結婚率が下がり、独身が多いから好き勝手な食生活になるからだとか様々な要因が考えられる。

あとは昔より細かいことがうるさく、SNSで他人目線で生きる人が増えたせいでストレス過多になり、目の前にあるうまいものを食うことに幸せを見出すようになったということもあろう。

しかし、これからは健康の自己管理をできない人は就職できないとか、表では言われないがこっそりと採用から外されるなんて時代になるだろう。

そのビジネスチャンスに第二、第三のライザップがきっと出てきて、競争が激化する。

喫煙者が肩身の狭い思いをするのと同じように今後、肥満でいるそのルックスが肩身が狭いという時代。予測では20年以内にそうなってくるはずである。

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