結月です。
多様性ってものは目的になっている昨今、多様性って何かってところがあまり理解されていない結果、なんでもオッケーだから認めようというキモいムーヴメントになっている気がする。
そもそも多様性とは「目的」ではなく「状態」なわけで、多様性なんか求めなくてもこの世界は放っておいても多様性です。そもそも人間だけに焦点を当てても同じ人間はいないわけだし、政党支持に分類しても同じ政党支持者の中でもサラダを食べるときはドレッシングが好きなのもいればマヨネーズだという人もいるでしょう。
動物だけ見たって、たくさんの種類の動物たちはこの世界にはいるし、最も種が多い生き物は昆虫。多様性に満ちているのがこの世界。
であるからして、多様性を認めよう!という主張がおかしくて、認めるも認めないもこの世は多様性。つまり、その事実を知らない人が多いからヘンテコな主張になる。
同性愛を認めよう!みたいなのもおかしな話で、同性愛の人がいることに理解を示そうと思う行為にこの世が多様性だという事実の認識が希薄。
この世が多様性である状態だとわかっていれば、そもそも同性愛とか異性愛とかどーでもいい話で気にもならない。
つまり、同性愛、異性愛というだけで人間の方向性を二元的にしか捉えていないわけで、その見方って多様的じゃないけどね。
異性愛の中でもどんな顔が好きとか、どんなタイプが好きとかバラバラであるし、性的な好みとなるといろんなフェチがいたりもするし、多様性を認めることを目的としてしまうなら、どんな変態の趣味も認めなくちゃね。
でも、本来は多様性は「状態」であるから、変態趣味も多岐にわたり、数えきれない嗜好があるという「状態」を指し示すに留める。
それが困るか迷惑であるかは、道徳的な問題であったりするわけで多様性とは別なのである。
であるからして、同性愛に理解を示そうというのが多様性を認めると善意に思われたりすると、同性愛の人で性的にはメチャ変態はオッケーなわけかな。
外国人を日本に受け入れて共存しようなんていう多様性を目的とする動きもある。地球儀を見れば、日本に無理に外国人を入れなくても地球は民族的に多様な「状態」だけどね。わざわざ日本を民族的に多様にしなくても世界は多様なのである。
アメリカみたいにいろんな民族が共存している国があって、一見すると多様社会であるけれど、アメリカって不思議なところで民族が違ってもそこにいると「アメリカン」なテイストになって、民族は違うのに価値観はアメリカンみたいなところがある。そこが日本では達成できないところで、日本にいる外国人はあまり「日本的」にはならなくて、日本の中で自分の国の価値観を持ち続けていたりする。
そう考えると、アメリカは外見は多様性に満ちていても価値観は集約されているようにも思える。
多様性は「状態」に過ぎないのにそれを「目的」にしようとするとおかしなことになってきて、学校の制服なんてスカートでいいと思っている女の子にズボンの選択を与えたりして、それが多様性だと思っているお粗末さ。
と、日本の多様性の認識って、浅はかというか、幼稚というかね。
そういえば、同性愛が大嫌いで近所にいるのも嫌だとオフレコで言って話題になった政府関係者がいたけれど、同性愛を毛嫌いするのも多様性のひとつであって、同性愛を認めさせようとする多様性の目的化は多様性の反するものだよ。
わたしは同性愛が大嫌いだという人がいたっていいと思うし、嫌いならオフレコでなくても嫌いだと言っていいんじゃないかと思う。だって、
「へ〜」
くらいにしか思わないから。
同性愛が嫌いだから執拗な嫌がらせをしたり、理不尽なことをしたりすることが問題であって、好きか嫌いかはあってよろしい。
だから、同性愛が大嫌いだということに「けしからん!」と思う人はきっと多様性が「状態」であることを理解していないので、同性愛には理解を示しても他のところで理不尽な人なんじゃないかな。だって、オフレコの発言をした人に対してネット上でもものすごく攻撃を仕掛けるもの。
ところで社会という基準になると、ある程度価値観は共通なほうがやりやすい。多様性に満ちた状態だと物事はまとまらないからである。
その度合いが薄ければバラバラ、濃ければ閉鎖的で窮屈というわけ。
日本はどちらかというと閉鎖的で窮屈な社会であって、濃ゆい共通価値観を求めようとするよね。
なので、自分の頭で考えられない自主性の乏しい人が多くて空気にその判断を委ねる。日本では自主的な判断で生きている人は割合的にものすごく少なく、例えばフランスなんかは自主的な人が多過ぎて、言い争いが多くてちょっとめんどくさい。中国なんかは身勝手という名の自主性もどきが横行していて、まとまらない。
そして、日本は我慢してまとまるって感じかな。
そんなお国事情を見るだけでも、世界は多様だなとわかる。
天体観測をするわたしは何万光年も離れた銀河や星雲を見る。宇宙は多様性に満ちている。
この地球は太陽系に属し、しかしその太陽系は天の川銀河のちっぽけな一部でしかない。そして天の川銀河だって宇宙の中に無数にある銀河のひとつに過ぎない。
多様性を認めようなんて叫ばなくても、この宇宙は多様性なんだけどね。