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ボードリヤールを読み直す。

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結月でございます。

マロオケ公演が終わって来週で1ヶ月になる。ようやく精神的にも落ち着いてきて、本でも読もうという気になってきた。

公演の準備が始まってしまい、頭の中がすっかり公演モードになったせいで途中までしか読めていなかったジャン・ボードリヤールの『シミュラークルとシミュレーション』を開き直す。ちょっと間が空いてしまったため、最初から読み直す。

これは1981年に刊行されたポストモダンのフランス思想であるけれど、そのポストモダン性は今もなお続いているので書かれていることを読んでも全く古くない。むしろ、さらに時代はその傾向を強めているから読み応えがある。

他にもまだ途中になってしまった本が数冊あるので、これから夜中にゆっくりと読むことができそう。それくらいコンサートを開催するというのはそれだけに全集中することであり、他のことは何も手をつけられなくなる。

しばらくは音楽から離れることになりそうで、もう音楽には戻ってこないかもしれないし、そうは言いつつまた何かいいタイミングがあれば瞬間的に頭が熱くなってやってしまうかもしれない。でも少なくとも数年はやらない。これは憑き物みたいなもので、大満足したから憑き物は取れた。

公演は企画を立ち上げ動き出すと公演が終わるまで毎日不機嫌で、イラついているという迷惑な人になってしまうから、まだ保育園の愛娘を相手にするのが大変。幼少期に親がピリピリしているのはよろしくないから、これからしばらくは穏やかでいく。

さて、ちょっと迷っていたスタッドレスタイヤを買ってしまった。正直、要らないと思いつつ、年一度くらいは雪が降ったりもするし、早朝だと凍結しているところもあるだろうし、そういうことを心配して過ごすのが精神的に鬱陶しいので結局買ったというわけ。

どうせ要らないと思って滑って事故でも起こすと本末転倒でもある。

あとは雪の奥日光に行ける。

年明けには5歳になる愛娘はまだ雪遊びをしたことがなく、愛してやまないアナ雪のエルサを見て雪の風景が見たいらしい。わたしも雪に覆われた奥日光が見たい。

タイヤ屋に電話すると、ミシュランなら用意できるというのでミシュランにした。サマータイヤもミシュランだし、そもそもわたしはフランスが好きなのである。聞けばミシュランのスタッドレスタイヤは国産よりやや硬めにできていて、耐久性が優れているらしい。それなら長く使えるかもしれない。やや硬めでも滑らない作り方をしているし、柔らかすぎないということは乾いた路面でも乗り心地がいいと推測できる。

そんなミシュランのスタッドレスを履いて奥日光へ行く。それだけでなく、雪を走れるとなると、アホだから調子に乗っていろんなところへ出かけてしまうかもしれない。

しかし、オミクロンの出現で公演後にパリへ行かなくてよかったと思う。自分が感染していないとしても飛行機の中で濃厚接触者に認定されたら大変面倒なことになる。うちには猫がいるから隔離なんかされると困るのである。

パリにはいつ行けるのだろう? フランスもオミクロンが市中感染し出していると聞くし、思えば感染を気にしたり、マスク着用を言われたりする状態でのパリは気持ちよく楽しめない。コロナがすっかりなくなってからということか。

保育園は今年は28日まで。年明けは4日からとのこと。6日間、終日4歳児と一緒にいるハードな日々になるが、これを解消するにもスタッドレスタイヤは活躍しそう。積雪地帯に遊びに行けるとなれば暇をしないで済む。

正月らしさは特になし。いつの頃からか日本も正月らしさがなくなり、いいのか悪いのかわからないが面倒なことはなくなった。

4歳児といると楽しいは楽しいが、さすがに何年も丸一日ひとりで過ごす日々がなくなると、数日間くらい猫とだけ過ごしたいとも思う。

しかし、喃語しか発していなかったのが今ではすっかり会話が成立するほどよく喋るようになり、日に日に愛娘の存在は大きくなってくる。人格ができあがるほど人間としての存在が大きくなるのである。

いずれは対峙することもあろうし、相談相手になることもあろう。もしかしてビジネスパートナーになるかもしれない。

とは言え、今日はバイオリンを教えるのに「こぶた、たぬき、きつね、ねこ」を弾いてやると4歳児はパジャマとパンツを下ろしてお尻を出して踊っている。

「楽しくてお尻を出して踊ってしまったよ」

なんて言っている。

クレヨンしんちゃんはしんちゃんが独創的であるのではなく、そういう子供はいて、モデルになっていることがわかった。

そんな4歳児だって小学生になればわたしなんかよりはるかにバイオリンを弾くようになるに違いなく、尻を出して踊ってくれるうちが華なのだろう。

そうやって存在が大きくなる愛娘の成長と習得のスピードは速く、うかうかしていると容易に追い抜かれる。

だから、ボードリヤールの本も今のうちに読んでおかねばならない。

大きくなった愛娘にバイオリンでは負けても思想では負けない。はるかにディープな思想を身につけておけば馬鹿にはされない。

これは何も身内だけではなく、自分より若い世代を相手にするときにも思想は役立つ。思想というのは新旧を超越するものだから、技術で負けても存在感は失われない。

と言いつつも、わたしの場合は単に哲学が好きだから熱心に読むだけであって打算があるわけでない。

そう言えば、ずっと気になっていたスタニスワフ・レムの全6巻を全部買って順に読もうかと思っている。これも公演中にはできなかったことだから。

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