結月でございます。
「やっぱインナーカラーの赤かな…」
と、そこに本筋にして、髪を何色に染めようかと思い悩む。
なんか栃木の田舎にいると人が少なすぎて、人に合う確率が低く、自分が寂れていく感じがする。
保育園に送迎に来るママさんなんてマジで末期症状で、部屋着っぽいだらだらの汚い服で髪はボサボサ、履物はサンダルみたいなのが平気でいて、
「うえぇ…」
と、スペック都会人のわたしは眉をひそめるも、だらだらな服のママさんはノーメイクで、そもそも眉が引き抜かれて生えてこない能面状態でギョッとする。
「眉が生えてこないんだったら、保育園とは言ってもせめてちょっとは描いてこいよ…」
と思いつつ、人が少ない田舎というのは見ている目が少ないのであるから、そういう姿になっても平気なのである。
さて、そんなところに住んでいて、自分が寂れるのは嫌だから、これは髪でも染めて気分を盛り上げておかなくちゃと思った。
それに白髪が多くなって、普通に黒髪にはしなければならず、しかしそれも飽きてしまったし、田舎だと奇抜な感じにしないとどうも精神がもたない。
東京なら人が多くて普通に黒髪でも精神がいつも臨戦体制でいられるから気持ちが張っていたのだけれど、こちらじゃそうもいかない。
というわけで、インナーカラーで赤を入れるのが一番の候補。
髪全体を赤にするってことも考えた。しかし、そうなるとかつてのX JAPANのファンみたいになっちゃうし、やはり色彩にチラリと変化があるほうが美しい。
そこでインナーカラーにするか、もしくはメッシュでもう少し見えるようにするとかを考える。
まあ、それは美容院に相談するとして、やはり色は赤かな、と思いつつ、コバルトブルーもいいし、緑もいいと思うし、鮮やかな紫はどうだろう?
わたしの場合、着物があるからそこに合わなければならない。それがあるから原則、黒髪にしていたとはいえ、今は東京にいない。
となると、コバルトブルーはなしか… わたしは基本色が赤の人間だから、やっぱり赤がいいと思いつつ、カラコンをするときはグリーンを愛用していた。
う〜む、とウェブで画像を見ながら、あれもいい、これもいいと悩みつつ、生え際に白髪が出てくると、また面倒だなと思ったり。
わたしは中学生の頃から白髪が出始めたが、今はそこそこ白髪なのである。
ところでわたしは世代はずっと上とはいえ手塚理美が好きで、『男女7人秋物語』でワンレンボディコンだったのが忘れられない。
それはもう美人だし、「手塚理美好きっ!」って思っちゃうけど、今はなんとグレイヘアだというじゃないか!
と、男女7人の島村一枝のイメージから大きな変化に驚きながらも、
「いいじゃん!」
なんて思ってる。
とはいえ、わたしはグレイヘアにするほど年取ってないし、
「やっぱ美輪明宏路線で黄色?」
と、一瞬考えたが、
「いやいやいや、さすがにあの色は意地も大変だし…」
と、白髪になりきってない上、ただのパクリになる。
とにかく、わたしは着物だって京友禅の美的系だし、それをお客さんに勧めているわけだし、過激にやりすぎると今度は自分の存在理由を失ってしまう。
そんな着物のことを考えると、インナーカラーだと髪をまとめてしまうとあまり色が見えないんじゃないかと思ったり。
とまあ、そんなことを考えるのは、スペック都会人が田舎にいるとどうも「やってらんねー」感が込み上げてしまって、風貌から変えちゃいたくなるわけ。
でもさ、それもパソコンのOSを変えるようなもので、ずっと古いままだとシャキッとしない。人間は変化を自分に与え続けなければどんどん老けていくものなのである。
手塚理美がナチュラル路線でグレイヘアにできるのは、彼女が女優だからで、しかももともとから輝いてる美人だし、活躍する場が派手だから敢えてそれを押さえ込むナチュラルが映える。
しかし、普通の人間がナチュラルになると田舎の保育園に送迎に来るママさんみたいなそっちの「ナチュラル」になり、ただの部屋着化してしまう。
なんといっても人にたくさん会うこと。自分が研磨されるのは人に会うこと。
東京だとそれが自然であるけれど、今はコロナでそうはいかないか…
リモートなんかで人と話しても、自分は研磨されないよね。