結月でございます。
先日は愛娘の初運動会。運動会がマジクソ苦手な自分がまさか今頃になって運動会に参加しなければならなくなるとは思わなかった。
10月なのに30度超えで、夏のような日差し。
運動会の会場に着くと、アウトドアに使うような日よけのテントみたいなものが応援席に張り巡らされていて、アルミ製の組み立て式テーブルまで持ってきて設営している人たちがたくさんいた。
マジ!? 運動会ってゴザくらいなものなんじゃないの!?
わたしは荷物なんて何もなく、バッグひとつだけ。
やっぱ田舎の人って、テントとかああ行ったアイテムを持ってるのが普通なのかな…? バーベキューをしょっちゅうやってるとか?
アウトドアに縁がないわたしはその父兄たちの気合いの入りようにビビってしまった。まあ、運動会終了は午後3時だから、ああいったものがなければ日に焼けて辛いのだろうけど…
ともかく、そんなものを持ってないインドアなわたしは運動場のダッグアウトのベンチに座った。ちょっと離れてるけど、ここでいいじゃん。
開会式が始まるとソニーのデジタルハンディカムを持って、愛娘を観に行った。ところが2歳児は奥の方でまるで見えない。
その次のかけっこのコーナーでようやく愛娘が名前を呼ばれて走るところを見られた。しかし、運動会を撮影するなんて趣味悪!と思ってたけど、確かについこの間までヨチヨチ歩きだった子がああやって走るようになってるのは嬉しくて、ジャパネットたかたの社長のトークは煽りではなかったと知る。
このデジタルハンディカムはYouTube用に買ったもので、その頃、運動会のことなんて微塵も考えていなかったよ。
それよりも栃木に来てからYouTubeに投稿していないやる気のなさなので、涼しくなって来たからそろそろやるか。
しかし、このソニーのハンディカムの空間光学手ブレ補正はすごい。これは本体の中のレンズが揺れに合わせて動くもので、つまり大昔、スタンリー・キューブリックが映画『シャシニング』のラストで使った当時最新式だったステディカムと同じ要領なのね。
YouTubeでは望遠なんか使わなかったけど、運動会では超望遠を使うことになり、それでも手ブレしないからよくできている。
望遠レンズっていうのは基本、三脚がないと使えないものなのだけどね。
そんなカメラで障害物競走も撮影。そしていよいよ親子ゲームの動物変身リレーが始まるのを超絶憂鬱な気持ちで待つ。
あ〜ヤダヤダ。なんでアタシが大嫌いな運動会なんぞに出なきゃいかんのだ…
イヤイヤ度フルマックスで集合場所でリレーの説明を聞く。
それは猿、コアラ、ペンギンの写真が貼り付けられたカードをどれか引き、そのカードにある動物のお面を被り、動物によって決められたスタイルで子供と一緒に走るというもの。そして帰りはおんぶか抱っこでとのこと。
2歳児クラスだからどうってことない距離なんだけど、
「アタシはさぁ、そういう運動会そのものの雰囲気が超イヤなわけ!」
そして種目が始まり、クラスの先生がマイクでその意気込みを親に訊き始める。
ゲッ!超絶やる気のないアタシに当たったらどうしよう… ドキドキ… もし当たってしまったら、
「ええっと、全然やる気ないんで、早く終えて家帰ってビール飲みたいッス」
と答えようと心に決める。
すると、どこかのパパが当たって、
「白組、がんばるぞー!」
なんて大声出している。
マジ!アタシ、絶対、あんなこと、嘘でも大声で叫べない! アタシはインドアなの!!
しかし、こんなに盛り上がっているときに「全然やる気ないんで云々」なんて言ったらちょっとヤバそう…
となると、決めたフレーズを言った後に、
「嘘ぴょ〜ん!黄色組、がんばるぞぉー!」
と言わなくちゃならんか!
いやいや、アタシ、マイクで大声なんか恥ずかしてく出せない!
とはいえ、わたしの顔面中にあふれている憂鬱ぶりを察したのか、指名が来ることはなかった。ふぅ〜 セーフ…
そして競技が始まり、愛娘が引いたカードはコアラ。わたしはコアラの親子のように2歳児を抱き、走る。
と、競技はすぐに終わってしまったのだけれど、早く帰りたい気分はメガトンマックス。
2歳児は午前で終了で、競技が終わって集合し先生の話を聞く。
先生はさ、
「来年はフル参加だからできれば最後まで見て行ってください」
なんて言ってたけど、わたしは速攻で帰った。早く運動会の雰囲気から離れたい。
ともかく、観覧も遠く離れたダッグアウトのベンチで、一人孤独を味わって、それは自分が学校に通っていたときの運動会と同じ気持ちだった。
運動会の輪に入れないってやつ。
でもその気分の悪い孤独はどうしてなのかやっとわかった。それは、
「興味がないから」
運動が苦手な上に興味がないものを全体強制参加だから孤独なんだ。運動が好きでリレーが好きな人だったらそこに参加することに興味がある。だったら孤独は感じない。みんなでワイワイやってる。
これってさ、酒が飲めなくて、酒に興味ない人が無理やりビールフェスに参加させられて、無理やりビール飲まされて、飲まされたらマイクで、
「うまい!」
とか言わなくちゃならないのと同じじゃん。
フラダンスに興味ないのにフラダンスの催しに出場させられて、下手でいいからフラを踊れって言われるのと同じじゃん。
運動会っていうのは、そういう興味がない人もいるのに全体的に無理強いさせるものなの。日本のブラック気質は学校の運動会から始まっている。
アタシだって、もしこれが文化祭だったらこんなに嫌な気持ちにはならないし、孤独にはならないよ。でも文化的なものが苦手で、スポーツしか興味ないって人にとっては文化祭なんてやることなくて孤独だよね。
と、そんな運動会を終え、家に戻って撮影した映像を見る。
う〜ん、クソ嫌な運動会だったけど、2歳の愛娘が鉄棒にぶら下がって、トンネルを潜って走る姿は可愛らしくて、これはこれでいいなと思った。
2歳だから運動会が好きも嫌いもないんだろうけど、だからいいんだろうね。でも、大きくなったらわたしの血を引き継ぎ、きっと運動会は嫌なタイプになるに違いない。
興味のあるなしっていうのは成長してからだからね。
ともかく、興味がないものに強制参加っていうのは、人に指図されることに瞬間的に反発してしまうわたしみたいな人間にとっては最悪だよ。
なんて言いつつ、保育園の先生たちは頑張ってたね。ご苦労様でした。