結月でございます。
誰か知らないけどアメリカ人女性がKimonoを商標登録を申請して、日本では批判するひとがいるとか、いないとか。
日本で批判するひとがいたとしても、実は大した人数ではないでしょう。
そもそも着物なんて日本人からシカトされているし、アメリカ人の商標登録を批判する前に、自分たち日本人が観光地で着物とは言えないようなクソな着物もどきをレンタルしていることに批判すべきで、さらにそういうものを着物だと思ってレンタルしている業者を批判すべきでしょう。
日本人には日本の伝統云々など本気で語れることをやっているひとはとても少ないです。ほとんどがニワカですから。
それに今回、商標登録申請されたのは矯正下着なのだから、着物ではない。なので、それが着物と認識するほど人間は馬鹿じゃないし、そのブランドが世界的に爆発的ヒットするかもわからないし、ヒットしたとしてもそれが日本の着物と認識されることはないのだから、まあ、どーでもいい話なんですよ。
ですから、ちゃんとした着物を仕事にしているわたしはなんとも思いません。それよりも観光地のレンタル着物や成人式のプリント振袖をなんとかしろ!と真剣に思っております。明らかに着物としては、低クオリティすぎる商売の方が問題ですから。
しかし、思うに日本人だってこういうことは結構やっている。
例えば、海外でも人気のアニメ「ドラゴンボール」の主人公は孫悟空ですが、それってヤバくね?
孫悟空とは中国の有名な伝奇小説「西遊記」に出てくる登場人物で、それは明代にまとめられたものとされている。中国の伝統的な古典ですよ。京劇の題材としても有名だよね。
そんな古典文学上のスターの名前をそのまま漫画の主人公にして、アニメとして海外展開までしている。これは中国人から見たら、どうなんでしょうね。
しかも日本人の西遊記のイメージって、テレビドラマのもので夏目雅子が玄奘をやったもの。つまり、そのイメージの根本から日本人は間違ってるわけ。
さらに玄奘は男の僧だからね。それを夏目雅子がやるなんて、中国からしたら古典の冒涜でしかないでしょう。もうこれは「徒然草」の兼好法師が女で、その設定で徒然草を中国でドラマ化しましょうよというレベルの話。
というわけで、アメリカ人女性が矯正下着のブランドにKimonoと名付けるなんて、その程度のことなんですよ。
得てして、外国のものっていい加減なイメージでしか感じてないから、どこも。
あとはちょっと違うけど、「天津飯」って食べ物、あれを中国料理だと思っている馬鹿な日本人はかなり多い。
いや、あんなの中国にねーし。中国の都市の名前を勝手にご飯にするな。これも中国で「東京飯」みたいなものがあったとして、どう見ても日本料理でないものを日本料理だとしているのと同じ。東京飯なんか実際はないけどね。
とまあ、そういういい加減な例はたくさんあって、パリの日本料理屋に行ったら、「TORIDON」と書かれていて、鳥丼とはまったく異なるものを食べさせられたことがある。しかも店員でハッピ着て、焼き鳥焼いてる兄ちゃんはアラブ人だし。
そんなわけだから、日本文化なんて知りようもないアメリカ人が下着にKimonoって名付けるのもわかる話ではあるし、日本人も孫悟空で同じようなことやってるしね。
そんなことより、本当に日本の文化を思うんだったら、観光地のレンタル着物と成人式の振袖をなんとかしろ!
あれこそが日本人による日本文化の侮辱だよ。