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クッキーは太るわけだ。

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結月です。

日曜日。

東京に行かない日曜日は6歳の愛娘と暇つぶしするのが大変なのであるが、来週は結美堂山ガール部の山登りなので、山ガール部「見習い」となった6歳児を連れて奥日光へ登山の練習に行く予定だったのである。

実はこの間もその練習のために奥日光に向かったのであるが、コロナ騒ぎが終わった日光はまるで車が前に進まない大渋滞で、奥日光まで行くのに4時間かかってしまった。しかも登山ルートがある駐車場はすでに満車でとめられず、仕方がないからいつものホテルに駐車してそこから太郎山方面に歩き出したが、スタートが遅かったためわずか2時間ほどしかいることができず登山にならなかった。

そんな反省から今日は早朝から出かけると決め、わたしは朝5時半に起きたのであるが外は雨が降っていた。そして天気予報を見ると奥日光も雨となっていた。

特に奥日光となると神がかり的に雨が降るわたし。週間天気予報だけでなく前日の天気予報だって晴れを雨にする。実は大渋滞だったときも暑いくらいに晴れていたが、日光に入るとパラパラと降ってきた。そんな挨拶代わりの雨はよくある。

というわけで、せっかくルートも決め、リュックに準備をしていたというのに断念。少し遅れて目覚めた愛娘に説明すると、雨でも行くと言い出したが、そんなところはちょっとわたしに似ている。

ともかく今日は諦めてもらい、じゃあその代わりに何をするか? するとクッキーが作りたいという。

クッキー? アタシ、クッキーって作ったことないし、そもそもクッキーって歯にくっつくからあまり好きじゃない。

でも、朝からやることがないし、スマホで作り方を調べると難しいものではないらしい。

というわけで、スーパーに買い出しに行く。

必要なものは薄力粉、粉砂糖(グラニュー糖でもOK)程度で、卵やバターはちょうど冷蔵庫にあった。

要するにバターに砂糖を加えて練り込んで、そこに卵黄を入れてから薄力粉を加えて混ぜる。それをラップに包んで冷蔵庫に1時間ほど寝かす。そして、それを型でくり抜いてオーブンで焼く。

しかし、バターが100g。それは普通に売られているもののちょうど半分である。そこに薄力粉が200g。そして砂糖。

クッキーはこんな材料でできていたのか。そりゃ、食べすぎると太るはずだ。

とまあ、冷蔵庫で寝ますまではマンションで行い、次は事務所でやる。なぜならそこにオーブンレンジがあるからで、そこで型抜きをした。

栃木に来て5年ほどになるが、事務所にあるオーブンレンジを初めて使った。あるのは知ったたが、使うアテもないし、使ったことがない。でも電源を入れるとちゃんと動いた。

15分焼き上げるが、ラスト5分ほどでいい香りが漂ってくる。その様子をじっと見ている6歳児。

焼き上がったクッキーを皿に盛ると喜んでいる。クッキーみたいな少女趣味に付き合うのも面倒だなと思ったが、喜んでいる姿を見ると、まあよかったか、と思い直す。

食べてみると普通においしかった。ところが5個くらい食べると満腹感。クッキーというのは腹に溜まるものである。

とまあ、山登りには行けなかったが、おかげでそのまま仕事ができたからよかった。

仕事は進みはしたが、

「いや、これはちょっと待てよ。一時休止したほうがいいかもしれない」

と、今まで急ピッチで進めていたものを足踏み状態にする。やってみていろいろと判明することもあり、これは急がないほうがいいのではと思い直す。もう少し調べてみる。このままだと多分、失敗する。

と、一時的に棚上げすることにして、別件のものを調べていたら、さらに新しい案件がいきなり出てきた。ダメ元でもやっておくかというもの。

あと企画を3本ほどあげないといけない。これはまずい。9月からかなり切羽詰まっている。クッキーなんかに付き合っている場合じゃないが、こればかりは仕方がない。相手はまだ6歳。放ったらかしにできない。

なので、6歳児が夜、寝静まってから事務所に行き、エアロバイクを漕ぎながらMacBook Pro。と同時に頭で考えないといけない。考えをまとめないとMacBook Proの実務に移れない。

大変すぎて、匙を投げ出したくなる。面倒だから全部、やめたろか。そういう心境に近くなる。

しかし、気持ちの糸がプツンと切れたら奈落だ。自分を信じてやるしかないと奮い立たせるが、気を抜くと自信がなくなる。

起業というのはなんと孤独なものか。成果を出さないと誰も信じてはくれない。道化である。しかし、自分のことも信じられなくなる。でも自分を信じないと事は前に進まない。

世の中を変えてやると強く思うこと。

そもそも他人がやったことがないことをやるのだから、最初は信じてもらえなくて当然である。そして成果はまだ見えないから他ならぬ自分だって何も見えてない。自分の暗闇の中を手探りで進む。

とまあ、こういう仕事をやると圧力鍋の中にいるようである。

そんな中、6歳児を学校に送り迎えしたり、食事を作ったり、歯医者や病院に定期検診に連れて行ったり、勉強を教え、今日はバイオリンも教え、ひとりでいたときよりも時間がかなり制限されている。

しかしながら、制限があったほうがいい仕事ができる気もする。時間がたっぷりあったからといって、人間はその時間をフルに使うわけでない。時間があると思えばサボりがちにもなる。

そう思うと6歳児のおかげで真剣になれているのかもしれない。

とはいっても、次から次へとやらなきゃいけない仕事が湧き出てきて限界値。

それらは人に頼まれてやるのではなく、全部自分自身から湧き出たものであるから、自分が原因なのである。

誰のせいでもなく、自分がやり始めたこと。

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