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県民割でどこぞ行く

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結月でございます。

県民割っていうのがあって、コロナのワクチン接種を3回済ませていれば宿泊費が5000円割引になって、さらに2000円のクーポン券がもらえてしまうらしい。

こりゃ、行くとすれば奥日光!と奥日光しかあまり関心がないわたしはこれでも旅行業務取扱管理者という国家資格を持っていて、それを取得する試験では「観光資源」というメチャマニアックな観光地を知っておかなければならない科目をパスした。

そのあまりのマニアックぶりな試験内容に落とすならこの科目だなと最重要課題とし、試験対策として旅行雑誌の「るるぶ」を全国分、古本で仕入れて観光地を丸暗記したのであった。

そんな全国の観光資源を知っているくせに「行くとすれば奥日光!」と何度も行っている奥日光がいいわけで、こう見えても魂がコンサバ傾向なわたしは好きになったら一途なのである。

あとは「めんどくさがり」であるから、知らない場所を探すのが億劫であるというのがある。

だから馴染みがよくて、馴染みの宿泊施設だと顔パスができたりもするし、夕食のメニューも知っているからわざわざ選ぶ必要がなく楽。

いやいや、旅行ってそうやって探したり選んだりするのが楽しいんじゃないの!と言われそうであるが、わたしはとにかく「めんどくさがり」であるから面倒なのである。

正直、食事に関しても今までおいしいものはたくさん食べたから、あまり興味がない。日本の観光地にあるホテルは総じてレベルが高く、不味い食事が出てくるところはほとんどない。

それにお酒飲んで酔っ払って寝るだけだから、寝る場所にもこだわらない。

いや、こだわってた。それは和室であること。旅行に行ってベッドは嫌。和室に布団を敷いて寝るに限る。

さて、県民割と聞いて、

「あれ?ワクワク割ってなかったけ?」

と、やってることが希薄である特徴の岸田政権はやることなすことがすべて希薄だからよくわからない。

ワクワク割はイベント限定だったか、ネーミングがダサいからやめたのかどうだったっけ?

ともかく、県民割は旅行が安くなるから、GoToトラベルってことなのだろう。

この県民割を使って奥日光で過ごしたいと思いつつ、現在「栃木県民」であるわたしは「県民」という響き、「県民」というワードに少なからず拒絶反応を示している。

どうも県民と言われると田舎者っぽく聞こえて嫌。田舎臭いことが何よりも受け入れがたいスペック都会人のわたしは「県民」と言われたくないのである。

なぜから、わたしはずっと「京都府民」であって、あとは「東京都民」であったから「県民」というのは我が生涯で栃木県民で初めてなのである。

府民や都民なら都会って感じがする。まあ、京都は都だったのは大昔の話で、今は大した都会とは言えないけれど、高校からは大阪に通っていて、住民票は京都府民であっても中身は天下の台所「大阪府民」の生活だったし、京都から大阪を毎日往復していたからやはり府民なのである。

そんな府民時代も都民として過ごした年月が長くなったが、ずっとハートは都会の人だった。

それが今は住民票的に栃木県民であり、ちょっとダサくてあまり言えない。

この間も中野に行ってある手続きをしたのだけれど、会社謄本が栃木県だったせいで、

「中野はあまり知らないんだよね」

なんて、東京にいた頃から中野は縁がないから知らないという意味で言ったつもりが、わたしが栃木県民であるから誤認識されてしまって、

「そうですよね」

と言われ、全否定。

「いやいや、アタシ、もともとは東京だから栃木の人間じゃないし」

と、軽く田舎者認定されそうになって軽くヤバかった。

とにかく、わたしはあまりこだわらないユルい路線で生きているつもりであるけれど、絶対的に譲れないプライドがひとつだけあって、それは田舎者だと誤認識されること。これには強烈にアレルギー反応を起こすのである。

これは根っこの問題であり、わたしに郷土意識はないけれど、自分の根っこは都会であるというアイデンティティがある。別に栃木のことが嫌いでないし、どちらかというと好きではあるのだけれど、自分のアイデンティティとして栃木の人だと思われることがNGなわけ。

そう言えば、県民になったのは栃木県民が最初だと思っていたが、学生のときは熊本県民だったかもしれない。ちょっとうろ覚えで当時、住民票を熊本に移したかが定かでない。京都のままだったかもしれない。

さて、正確に言えば、スペック都会人で栃木在住のわたしはちょっと使うのには抵抗があるネーミング、県民割で奥日光でゆっくりしたいのであるが、愛娘がいつも一緒で、

「う〜ん、5歳児と行ってもなぁ…」

と、迷うのである。

本音は一人で行って、一人で奥日光で過ごしたい。落ち着きのない5歳児と行ってもゆっくりお酒は飲めないし、結局付きっきりでわたしが疲れるだけ。

しかも昼の時間も奥日光は子供が楽しむようなものは皆無であり、時間の潰しようがいない。

そこで考えたのは、かねてからの望みである「キツネ村」に行って、その近辺で宿泊するというプラン。

キツネ村は宮城県の蔵王にあり、キツネがうじゃうじゃと放し飼いされているのである。

割引で行けるならお得を思い調べてみると、宮城県は栃木県民(わたしはあくまで栃木在住)は適応外で、栃木県民が利用できるのは群馬や山梨、茨城といった北関東エリアであるらしい。

そんな県民割の仕組みにがっかりしてキツネ村は諦める。

ワクチン3回接種の特典がようやく使えるチャンスであるのにどうにかならないものか。

ちなみにうちの5歳児もワクチン接種は終えている。

思えば、一人でゆっくりと過ごす時間は久しくなくなっている。毎日、愛娘に振り回され、今日もワガママに付き合った。

ちょっとね、数日でいいから一人でいたいね。一人で葉巻でも吸って、静寂の中にいたいよ。

一人でいられるのは保育園に預けている時間だけで、その間、取り組んでいるプロジェクトで忙しいし、葉巻なんか吸えない。吸ったところで保育園のお迎え時間があるから、それを考えるとゆっくりできない。

もしわたしがずっと一人でいられたならば、アートな生活をしていただろうなと思う。

今は真逆で、落ち着きはなく、アートでなくビジネスって感じ。

せっかくの県民割、5月末までだったか…

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