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マイ・エレメント、よかった。

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結月です。

今日は少しばかり仕事を早く切り上げて小学1年生の愛娘のお迎えに。夏休みはずっと学童保育でお世話になっているので、学校と同じく朝の6時半に出発し、夕方18時前に迎えにいく。

しかしながら、毎日朝から学童であるからもうやることがなくなってしまったらしい。学校がある平常時は学童はせいぜい3時間弱であるが、確かに朝の7時半から夕方までだときつかろう。

と、ちょっと退屈しているようなので、今日は15時に迎えに行って、映画を観に行くことにしたのである。

先々週、京都にいたとき、ふとショッピングモールのポスターを見た。それは「マイ・エレメント」という映画だった。「こんなの、やってるよ」と言うと6歳児は「これ、知ってるよ」と言う。きっとYouTubeで見たのだろう。

京都ではもう夜だったので映画館には入らなかったのだが、実はタイトルも忘れてしまっていたこの映画を学童保育で退屈しているらしいことで思い出した。

愛娘とは度々映画館に行くが、この間はスーパーマリオの映画を観に行った。大ヒットというので少し期待したが、映画としてはまったくおもしろくなく、途中は寝てしまった。

愛娘との映画館で最もつまらなかったのは「すみっコぐらし」で、これには参ってずっと寝てしまった。

幼児向けであるせいか、話がゆるゆるでスローテンポ。しかも内容が乏しい。でも、幼児にはあれくらいが情報量としてはいいのだろう。でもわたしにはキツかった。

今日の映画の予告でまたすみっコぐらしの新作が11月にやるらしいが、絶対に行かない。というか愛娘も小学生になったから観たいとは言わないだろう。プリキュアも卒業して興味ないらしい。

と、今は映画は高いので、スーパーマリオやすみっコぐらしなどつまらない映画に大人2,000円も払うのが納得いかず、子供向け映画は同伴の親はタダにしてほしいと願う。

子供一人で観ておいてくれれば一番いいが、年齢的にもまだそれもできず、渋々同伴のための2,000円を費やす。

しかし今回はピクサーの映画である。トイストーリーも新作を制作中らしい。だからマイ・エレメントは少し期待した。でも同時につまらないのではないかと疑ってもいた。

観てみるとウェルメイドなすごく「いい映画」だった。火と水という相容れない関係。これはつまり五行説なわけだが、火や水、そして風や土を擬人化して描くデザインが新しかった。ああいう表現は今までになかった。

さすがピクサーと思える出来栄えで、センスがいい。音楽もよかった。

エンバーとウェイドが手を握るシーンにはちょっと泣けてしまった。エンバーの火の一族はアメリカでいう黒人であったり、インディオであるかのようなもので水のウェイドは白人であろうか。差別がはっきりあるアメリカだからこそ描けるメロドラマ。日本はそれほど分断がないので、ああいう話は思いつけない。

隣に座っていた6歳児が涙を拭ったように見えた。でも6歳でこの話に泣くのかなと思ったので、ただ目に手をやっただけかとも思った。

しかし、クルマでの帰り道、

「泣いちゃったよ」

と言っていたので、泣いていたようだ。どこのシーンかと訊くと、エンバーを助けるためにウェイドが蒸発して消えてしまい、でも天井からポタポタと水滴が落ちてきたところだという。

ちゃんと物語を感じて泣けるの見て、その感受性を認めたわたしはこの子は大丈夫だと思った。

そう言えば、保育園のときに好きで好きでたまらなかったアナ雪のエルサがアナ雪2で死んでしまったかと思えたシーンで愛娘が、

「エルサが死んじゃったー」

と、号泣したのを思い出した。その時もわたしはこの子は大丈夫だと思ったのだった。

感受性がないと人の心がわからない。自己中心的になってしまう。感受性があるからこそ、仕事をやっても他者へのサービスを考えられるし、社会が何を望んで、何を必要としているかがわかって企画を立てられる。感受性がないと言われたことをやるだけの仕事しかできない。だから感受性は生きる上で大変大事なことなのだ。

しかし思えば、鬼滅にしてもスパイファミリーにしても愛娘から教えてもらったものばかりだ。マイ・エレメントだってわたしより先に知っていた。

あの子がいなければ鬼滅は知らないし、アーニャだって知らない。どれだけヒットしていてもアニメは間違いなく観ていなかった。アナ雪だってそうである。

もしそれらを知らなかったならば、わたしは今の時代を知ることなく、未だに古臭いことを言っていたに違いない。仕事はクラシック音楽だし、ただでさえ古臭くなりがちで世間離れしやすい。

どんな仕事だって今の時代の中でやるものだから、世間離れはしてはいけないのである。スパイファミリーを知らなくて、マイ・エレメントを観ないのは老人の生き方だ。

だから自分よりずっと年下の人といるのがいい。そのほうがいつまでも新鮮でいられる。最新でいられる。

わたしも昔は年上といるのが楽しく、年上からはよく好かれた。戦前からの映画もたくさん知っているし、文学作品も昔のものを読み込んでいたから話が通じたからだろう。

だからその頃は自分より年上から知らないことをたくさん教わった。しかしいつしか、そんな年上が寿命で死に始めたり、引退したりして会えなくなったり、会えても気力がない老後になったりし始めた。

昔は自分よりと年上のほうがたくさんいたのに、今は自分より年下のほうが多い。当然、自分が年を取っているからである。

誰しもそうなるのであるが、そうなったとき年下との交流がないと話し相手はいなくなる。孤独老人はその果ての姿だ。今の価値観を受け入れず、「今の若い代は」なんて言い出したらおしまい。

さすがにわたしはそんな年頃ではないにせよ、愛娘がいなかったらちょっとヤバかった。クラシック音楽や着物など古臭い仕事ばかりしてきたから共倒れするところだった。

そしてわたしはスパイファミリーが大好きである。今日も予告編で劇場版が12月公開を確認し、ものすごく楽しみにしている。

新しいものを楽しめる感性が大事。

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