結月です。
別に見たいわけでないけれど、6歳の愛娘に付き合ってアニメの「ワンピース」をAmazonプライムで見始めた。しかし、80話を超えて思うことは、
「しつこい」
ということで、カットしていいような描写と説明が多過ぎて、くどいのである。そしていつも闘ってばかりだし、正直申し上げて全然おもしろくない。
そもそもコミックスが100巻を超えているのは、余分な説明が多いから長いだけで、本来なら編集でカットするような描写のせいでアニメも長いということじゃないか。
あとは何かとルフィが「仲間だ！」とか言うもうんざりで、ワンピースを見てなるほど、Z世代はワンピースが生み出したものなのだとわかった。
ヒットするアニメは世代の特徴まで築き上げるほど感化するもので、わたしだってDr.スランプアラレちゃんの影響をものすごく受けている。
ともかく、横並びの仲間意識がわたしには鬱陶しくて、それゆえに人望がないのであるが、ワンピースはおもしろくないなと思いながら6歳児に付き合って見ている。
あれなら鬼滅のほうがまだおもしろいと思いつつ、炭治郎の優等生キャラがウザくて、善人感丸出しの笑顔を見ると燃え上がるようにムカついてしまうわたし。
やはりドライな時透無一郎がよく、しかし柱である無一郎に「時透くん」とちょっと年上だからという理由で君付けにする炭治郎の性格がまたまたムカついてしまう。地位は柱である無一郎のほうが上だし、そもそも炭治郎は弱い。あいつは説明ばかりで剣術のほうはいまいちなのだから「時透さん」と呼べ。
思えば、ワンピースのルフィだって言ってることは馬鹿丸出しだし、やたらと仲間とうるさいし、人の話は聞かないしで、炭治郎と同様に絶対に友達にはなれないタイプだ。
しかしまあ、ワンピースの世界観がZ世代の生みの親だとわかったことは社会学的によかった。
わたしとしては今のヒットとしてはなんと言っても「スパイファミリー」で、あれはおもしろい。これも愛娘から教えてもらって見始めたものだが、Season2が始まる10月が待ち遠しい。
個人的にはヨルさんの仕事場、つまり殺人シーンをたくさんにしてほしい。わたしはエレガントで強い女に憧れるのである。
そして年末の劇場版は、ゼッテー観に行く。
ところでAmazonプライムで「シン・ウルトラマン」があったので見てみてたが、開始13分で見るのをやめた。
庵野秀明の作品では「シン・ゴジラ」がわたしの人生で最低最悪のどん底であって、これほど駄目な映画ってあるものかと逆に驚いた。それがあったから「シン・ウルトラマン」も期待していなかったが、「シン・ゴジラ」と同じようなもので、台詞劇で怪獣をリポートする司令部はアニメならいいけれど、実写ではアウト。アニメ的台詞はちょっとしらけたふざけた会話はOKで、それを実写に持ち込むとああいう最低になる。
それにアングルにこだわり過ぎて、カメラが芝居をしてしまっていて見ていて疲れる。余計なことをし過ぎていて、だんだんイライラしてくるのである。
映画は脚本が命だけれど、司令部のゴタゴタはエヴァンゲリオンでは良くても要らない台詞の多さは炭治郎の比じゃない。
というわけで13分でギブアップ。「シン・ゴジラ」は迂闊にも劇場で金を払って見てしまったので、我慢して最後まで見た。しかし、見終わったあとのわたしは機嫌がマックスに悪く、近くにあるものをすべて蹴飛ばして歩いてしまいたいほどだった。
ただの駄作なら「おもしろくないね」で済ませるのだけれど、「シン・ゴジラ」は映画として実に悪質だった。だから腹が立った。そして「シン・ウルトラマン」も開始13分で同様なものを感じた。
庵野秀明は実写は向いていない。先日もNHKで「シン・仮面ライダー」のドキュメンタリーがやっていたが、監督があれでは現場はもたない。みんな嫌になっちまう。だって監督に描いたいものが具体的になく、ただ好き嫌い、良し悪しだけは漠然とあって自分では具体的な指示はしないで役者やスタッフにとりあえずやらせて、
「それは違う」
と否定しながら、自分の納得を搾り出すのだから、あれじゃやりきれない。だから映画がシーンを貼り合わせたような不自然さやチグハグさで全体が覆われてしまう。
ところで今の映画もテレビドラマもおもしろくないのは、役者が芝居をしすぎるから。芝居をし過ぎて大袈裟。絶叫ばかり。まるで横浜家系ラーメンみたいな。
フツーにしとけばいいものをフツーにできない。
小津安二郎がすごいのは芝居はフツーに見えることしかやってないのに映画の世界はフツーのようでいてフツーでないから。
でも考えてみれば、映画やドラマ以上に大袈裟で説明過剰なのはYouTubeだね、今は。
