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スプリングドライブの秒針が美しい

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結月です。

京友禅の着物に関してはいいものを持っているけれど、普段着はみすぼらしいわたし。

というか昔から服に興味がない。京友禅ほど美しければ興味は持つ。でも普段着はそんなものじゃない。

子供の頃から服を買うことが憂鬱で仕方がなく、服を買うくらいならボロのままでいい。それくらい服を買うことがストレス、というか嫌なのである。

であるからして、選ばなくていいようなどーでもいいものを着る。

そういえば、自分から能動的に服を買ったのは宇都宮のセレクトショップでアメリカ海軍仕様のジャケットを買ったのと、大好きな綾波レイちゃんのTシャツくらいである。

綾波レイちゃんは好きなのに結局、栃木では外に出るといったら愛娘の保育園の送迎くらいの引きこもり生活で、だからせっかくのレイちゃんも見せる相手がいないからほとんど着ていない。

アメリカ海軍仕様はいつも着ていたコートだと栃木のクルマ生活ではちょっと寒かったのと、飛行機が好きだからという理由、そしてあまりにも自分らしくない趣味の悪いものを着たらおもしろいんじゃないかと思って買った。

ちなみに栃木が東京に比べ極端に寒いわけでもなく、気温的にはほとんど同じなのであるが、東京だと電車に乗ったりして冬でも暑い。ところが田舎はそうはいかないから東京ではOKだったコートだと寒かったのである。

さて昨年、公演前ギリギリに急遽行うことになったジェネオケのクラウドファンディングでジェネオケTシャツをリターンで作った。それが先月できあがって自分の分もキープ。

ちなみにこのTシャツは非売品で、クラファンのリターンか、わたしのことをダイレクトに知る人にこっそりと販売する以外は今のところ提供を考えていない。

というか、そんなTシャツを通販サイトで扱っても売れないに決まっているからやらないのである。

そんなレアなTシャツを作ったついでに自分用にジェネオケパーカーも作った。

わたしはパーカーを生まれてから一度も着たことがない。あれはダサい服装だと思うから。今でもダサいと思っている。

でも、ジェネオケパーカーは真ん中にファスナーが付いていて、羽織ることができる。要するに被るタイプでない。

わたしは被る服がこの上なく嫌いで被るものはTシャツ以外は着ない。であるからしてカーディガンはいいけれど、セーターは絶対に着ない。セーターを着せられると首輪をさせられた野良猫のように発狂してそれを剥ぎ取ろうとする。

という事情があったが、ファスナータイプのパーカーだったのでジェネオケのもので作った。

あまりにも服を持っていないので、春先は寒いか暑いかという二択しかなかった。でもパーカーを作ったので春秋に適応できる。

でも、パーカーは自分に似合わないとわかっている。そういうキャラじゃない。

とはいえ、自分が持ってないもののほうが新鮮だからそうした。アメリカ海軍仕様と同じで、自分にとって「ない」キャラだから敢えて着ている。好きで着ているわけでない。

そうは言っても、服には興味がないからセーターのように生理的に受け付けないもの以外は好きでないものでも着たって気にならない。そもそも京友禅のように美しいから見せたいというような衣装でないから。

ジェネオケTシャツとパーカーは機会があればできるだけ着る。だってオーナーだし。

わたしみたいに服に関心がない人間にとって、決まった服があるのは選ぶ必要がないから楽なのである。

もはや制服であり、制服とは楽チンでいいものだ。だってそれを着ておけばいいのだから。

というわけで、制服を着ていないのに服に興味がないからいつも同じで制服化しているという状態。しかし制服ほどちゃんとしていなくて、だらしなくてみすぼらしい。

さて、それでも公演の仕事をすると営業や打ち合わせに出かけることがあり、一応責任者としてはみすぼらしいのはどうかなと思う。そういう時はジェネオケのTシャツやパーカーだと関係者っぽく見えるからいい。

とはいえ、所詮Tシャツとパーカーでフォーマルでない。

でも、京友禅以外はフォーマルな服装は着たくなくて、精神的自由がないとどうも駄目なのである。

なんて言いつつ、音楽関係の打ち合わせはみすぼらしくても安心。だってホールに行ってもホール関係者もみすぼらしい服だし、リハーサルでの演奏者の服装もだらしないのが多いし、要は芸術を仕事にしているような人種は服装がだらしない。故にわたしレベルのみすぼらしさも目立たないというか埋もれる。

しかしながら、公演の責任者としては安っぽいのもどうかと思うので、腕時計はまともなものをすることにした。

このアイデアは昔、時々会っていた映画プロデューサーのもので、彼も服装がだらしない人間で、フォーマルは着る気がしないという体質。でも営業先で貧相だとナメられるから腕時計だけはパテックフィリップにしようかと言っていた。

とはいえ、パテックフィリップはあまりに高すぎて、そんな金があれば映画を一本撮れる。そんな事情のせいか、パテックフィリップは買わなかったようだ。

でも、服装より腕時計に重きを置くというのはちょっと正しい考え方で、もしそれが逆で服装はスーツとかフォーマルでも腕時計が見るからに安物だとしっかりとした人間には見えない。安サラリーマンか平社員、もしくは程度の低い詐欺師。

ところが時計がまともだと、

「この人、一見みすぼらしいけど、実はしっかりしてるのかな…」

と、思ってもらえる。

これが服装もきっちり、腕時計もいいもの、となると優良企業のサラリーマン社長といった感じになって、今度は発想のおもしろさがない人間に見えてしまう。

であるからして、芸術や文化を仕事にする人間としては服装はみすぼらしくて、フォーマルを着ないことでとらわれない精神をアピールし、でも責任者としては腕時計が高級、さらに時間に価値を置いていると演出できるのがいい。

なんて、わたしはアホだから、その作戦をこうしてバラしてしまっているのだからいけない。

さて、今はスマホがあるから腕時計をする人がものすごく少なくなった。わたしもずっとしていなかった。

でも、腕時計は服装以上にセレクトが重要になる代物なのである。

ちなみに上質な女はいい腕時計をさりげなくしていることが多い(結月調べ)。

しかしながら、そのセレクトは難しい。例えば、リクルートスーツを着ているような20代の女子がロレックスをしているのは合わないし、いやらしく見える。ここはセイコールキアくらいでとどめておくのがいい。

時計として最悪なのはカルチエとかシャネルとか、時計専門メーカーでないブランドを身につけることで、これは実に趣味が悪い。まるで時計のことがわかっていないと丸出しで、単なる値段が高いアピールになっていけない。

わたしとしてはオメガのコンステレーションをした女がいれば、

「おっ!」

と思う。

ところで腕時計は10万円以下は「おっ!」の力がない。最低でも20万円から。いや、今は値上がりが激しいから20万円でもイマイチ。30万前後からいいものが出てくる。

とまあ、服装があまりにもみすぼらしいわたしは時計作戦に出て、ブライトリングのクロノグラフとグランドセイコーを交互にしている。

これらはまるで方向性が違った時計であるから、それぞれが気分転換にいい。

ブライトリングはスイスの老舗で戦闘機乗りに使用されることで有名なパイロットウォッチなのである。

ブライトリングはそういう歴史があるから、

「これは時計ではない。計測機である」

という考え方があって、時間を見るものでなく、時間を測るものという認識。

とはいえ、日常生活ではクロノグラフで時間を測ることはなく、時々動かしておかないと壊れるかなとスイッチを押すにとどまる。でもブライトリングであるなら、クロノグラフでないものを持っても、

「う〜ん…」

と、微妙な気持ちになるもので、計測機である以上、使わなくてもクロノグラフはマストであるブライトリング。

そしてグランドセイコーは見るからにビジネスウォッチ。とにかくシンプルを目指していて、デザインに余計なものがない。

グランドセイコーはセイコーの中のトップブランド、すなわち資生堂でいうクレ・ド・ポー ボーテなのである。

わたしのグランドセイコーはスプリングドライブ。

スプリングドライブはセイコー独自のメカで、自動巻きであるのにその動力で発電し、いわばハイブリッドな構造でクオーツのような正確さとトルクを持っている。

グランドセイコーには自動巻き、クオーツ、スプリングドライブがある。軽さと薄さ、そして値段のお手頃感で選ぶならクオーツであろうか。

しかし、スプリングドライブの秒針の動作。このスムーズさには惚れ惚れとしてしまう。なんとも滑らか。滞りなく滑る回転があまりにも美しい。この動きはMADE IN JAPANならではで、日本人の性格でないとこれは生み出せない。

であるからして、スプリングドライブの秒針を眺めるたびに、ニッポンを感じるのである。

ともかく、グランドセイコーは上質であり、上品であり、日本の時計の最高峰であるから持つ価値がある。

オメガのコンステレーションの話をしたが、グランドセイコーをしている女がいたとしたら、

「わかってるね!」

という感動があって、そういうセレクトができるということはその他のこともいい考え方ができる人に違いないと臆してしまう。

そう思われることで運気も上がるのだろうから、服よりも腕時計にこだわるというのはまあまあ正解なんじゃないかと思うのである。

腕時計が安っぽいと、どうしても給料の安さが可視化されるようで、それならしないほうがいい。

スマホでも見られる“時間”というものにどれだけ金をかけられるか。そしてどんな品物を選ぶかにセンスが出てくる。

であるからして、中途半端な洋服を10着買うなら、グランドセイコーを買うべき。

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