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座席管理に欠かせない読書用メガネ

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結月でございます。

ジェネオケ旗揚げ公演二つ分のチケットをプレイガイドに登録が完了。毎度のことながら、すごく大変で、しばらくは何も手をつけたくない脱力状態。

今回は紀尾井ホールと東京オペラシティコンサートホールで、前者は800席、後者は1600席ほど。

紀尾井の800は比較的楽。でも、ここにオペラシティの1600席分も同時進行になるからいつもの倍は神経を使った。

チケットトラブルが怖いからで、座席登録だけは絶対に間違いがないようにしなければならない。せっかくチケットを買ってくれたお客さんが当日、楽しみにして来てくれたのに座席がブッキングしていたとか、他の座席を手配できたとしてもそれだけで気分を害してしまい、いくらいい演奏をしてもその1日が不機嫌なものになってしまう。

と、プレイガイドに登録を完了し、今度は先方で登録業務が終わればこちらで再度登録した座席に間違いがないから座席表と照らし合わせて更なるチェックをする。

チケットぴあ、イープラスがそれぞれ2公演分、さらに東京オペラシティチケットセンター分もある。

そこから座席番号を抜き出してリストにし、今度は結美堂販売分の原券印刷をイープラスに依頼する。

とこんな具合で、座席表の小さな数字に蛍光ペンで記し、それを何度もチェックする。

このような細かい作業ではわたしの近くが見えない老眼気味の瞳は能力を発揮してくれない。字がぼやけて間違えそうである。だからもっと目を凝らすわけだが、すると見えにくいものだからイライラしてくる。

これは流石に間違いの元になると思ったわたしは事務作業用に近距離が見えるメガネを新調しようと思った。実はすでに一つ持っているがこれは寝る前に本を読むときに使いたいから、事務所に置いておけるものがあるべきだと思ったのである。

ずっと目だけはよかったわたしも近くが見えなくなり始め、昨年からメガネを4つ作った。近距離用、遠距離用、遠近両用、そしてちょっと弱めの近距離用である。

一気に4つになったのはそれだけ目が見えていないということで、要するに全部要るという事態。

近距離用だと手元のスマホや本はよく読めるけれど、PCの距離になると駄目。であるからちょっと度が弱めの近距離用をPC作業用に買った。

さて、宇都宮の行きつけのショッピングモールにあるZoffというチェーン店。ここでいつも買う。保育園に5歳の愛娘を迎えに行くと、

「ちょっとメガネ、買いに行くから付き合ってくんない?」

と、そのまま宇都宮までダイハツミライースを飛ばす。

さて、今回は事務作業用の近距離だが、ちょっと気になっていた読書用メガネを試してみた。これは箱に入っているもので、いわばハズキルーペと同じである。

その1倍をかけてみると、

「いいじゃん!マジクソいいじゃん!」

と、その見え具合のフィットぶりに感激。しかも4,400円であるからメガネを作る半値である。

店員の姉ちゃんと話す。

「でもさ、これ、ダサくない?」

と、わたし。

「う〜ん、どうですかね…」

と、姉ちゃん。

「これ、すごくいいんだけど、ダサいんだよなぁ… ねえ、これやっぱダサくない?」

と、しつこいわたし。あまりにダサくて自分に納得できないからしつこくなるのである。読書メガネをかけた顔を姉ちゃんに向けると、

「そこまで悪くはないですけど…」

という。

「いや〜 ダサい。ダサいね、これ。でもこういうのってエレガントには作れないんだよね。安物は安物らしく作らないとね、ビジネス的には」

と、わたし。

すると姉ちゃんは、

「こちらにセール品があって、同じ4,400円のものもあります。レンズ代込みです」

という。

そのコーナーを見せてもらうと、

「うわぁ、ダサいなぁ。こりゃ、ダサい。やっぱちゃんとしたのは金出さないと駄目ね」

と、わたし。

でも、半値といっても普通のメガネとの差は4,400円だから大した額じゃない。とはいえ、読書メガネ1倍の見え具合がドンピシャだったのである。

「これ、かけてるとこ、人には見せられないなぁ。ダサいもん。恥ずかしい。でもこれよく見える」

と言いつつ、

「これください」

と、ダサい読書メガネを買った。やはり見え具合が一番。どうせチケット業務をするときはひとりだし、猫しかいない。

というわけで、読書メガネを買ったが、レンズとフレームが一体であるから丈夫であり、バッグの中に放り込んでおいても大丈夫。それにちゃんと巾着もついていた。

このZoff製の読書メガネ、座席表を見てもバッチリとクリアによく見え、作業が捗った。

これからチケットの申し込みも始まるからこれは重宝しそう。目が見えなくて座席を間違えて販売したなんてことがないようにこれはいつも携帯しておく。

しかし、このダサい読書メガネの取説には、老眼鏡とある。なんてこったい!老眼鏡と言ったら銀行の窓口とかに手脂ドロドロの汚ねえやつが置いてあるあれじゃんか。アタシはあんなもん使うほど落ちぶれちゃいない。言っとくけどまだ若い。

と言いつつ、実はあまりに近距離が見えない老眼気味だから、ホームセンターで売っていた老眼鏡を試しにかけてみたことがある。否定はしつつ、自分を疑っていたわたし。

でも、それはあまりにぼやけて使えなかった。

つまり、この読書メガネはマイルドな老眼鏡なのである。そういえば、現在70過ぎのうちの母親が新聞読むのにハズキルーペを使っていた。

ダサすぎるアイテムを使用することはちょっと嫌だけれど、それを使用しないことで仕事のミスが出るのは許されない。ちょっと前のわたしだったら「武士は食わねど高楊枝」の精神で見えなくても絶対にダサい読書メガネは使わなかっただろう。

でも今はそのあたりの美意識がなくなってきて、実益を優先に考えている。それにこの読書メガネはダサすぎるくせに見え具合があまりにもわたしにドンピシャすぎた。

ともかく、これでもうメガネは買うことはしばらくないだろう。それでも普段は裸眼で過ごして困ることはない。

しかし、ジェネオケは10年は頑張ると言ってしまっていて、10年後も座席表を自分でやれているかはあまり自信がない。目が見えないというより、この面倒すぎる業務をあと10年も繰り返す気力がもたないかもしれない。その時はいよいよ、誰かに金払ってやってもらおう。

でもさ、公演ってこういうクソ面倒な仕事をこなした上で当日を迎えないと感動がないのよね。ハードな山登りをした後にこそ生ビールがうまいのであって、それを他人にやらせて自分がサボっていると多分感動は半減する。

と、そんなチケット業務。毎度のことながらイープラスの登録システムはよくできていると感心する。これを作るのはエンジニアが大変だっただろうと推測。

それでも最終的には人間がタイプしなければならないのは変わらないだろうね。だって公演によって委託する座席は変わるのだからタイプするしかない。それもAIが自動でやってくれればいいけどね、将来は。

チケット委託枚数と販売戦略を入力すればAIが勝手に座席を振り分けてくれるみたいな。

そんな未来を期待しつつ、今のところは老眼鏡もどき。

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