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【奥日光登山】太郎山は遠すぎた…

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結月でございます。

一昨日は、結美堂山ガール部で奥日光の太郎山へ。日光連山のひとつで、男体山、女峰山の息子と位置付けられる山。標高は、2368m。

10月最後の早朝、奥日光は紅葉が真っ盛りというこの時期、朝6時でいろは坂は通行量が増え、明智平はすでに駐車場待ちで車は行列。

時間通りに出発点である光徳には着くものの、あと1時間遅かったらきっと渋滞だった。

さて、太郎山は山王峠というところに登山口がある。情報によればその近くに車4台ほどの路駐スペースがあり、そこまで車で行く方法もある。

しかしながら、どんな駐車スペースはわからないし、山に車を放置するのも気が進まないため、ちゃんと光徳に車をとめ、そこから登山道を歩いて山王峠を目指した。

しかし、その道は平坦を予測していたら、すでに山登りっぽい傾斜もあり、さらに丸太の階段が多く、登山口までたどり着くまでに体力レベル「クソ」なわたしはヘバッてしまう。

途中道を間違えたりして、およそ1時間半ほどで山王峠に到達。

そこから太郎山へ向かう。もちろんそこはいきなり山登りな道。

男体山のようにメジャーでないため、小道といったそれは傾斜がかなりあり、早くも、

「なんでこんな苦しいこと、やってんだろ…」

と、毎度ながら自分で始めたくせに自分の行為を疑う精神状態に。

しかし、山ガール部の部長は、まったくそんなことを考えたことがないようで、自分を疑うというのは文学的なものなのだとわかった。つまり、文学性を持って生きていると、何かと自分を疑ったり、悲観的になったりと余計なことを考えがちで、山登りとは能天気なハートで、気楽でいることがいいのだろう。自分を疑い、悲観的になることは精神的にも消耗しやすく、それはそのまま体力面でも響いてくる。

そんな状態でも振り向けば絶景が広がっていて、男体山は紅葉の色彩に染まっていた。

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すると、「あれ?」と思うと、いつしかそこは山王帽子山の山頂だった。

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この山を下り、さらに小太郎山を登り、そして小太郎山を下り、すると目の前に太郎山がそびえ、それを登らなければならない。

しかし、時間的に怪しい。この季節は17時をすぎると暗くなるし、もちろん街灯なんてない。

とりあえず小太郎山までは行こうと合意し、さらに進む。

熊笹の覆われた中に肩幅くらいに道があり、その熊笹の硬くて短い密集の中を歩いていると、それは隠毛の中を歩いているようで、一面の熊笹は山の隠部なのかもしれない。

山王帽子山を下りながら目の前にそびえるのが小太郎山で、小太郎のくせにかなり大きい。最初はそれが小太郎とはわからず、太郎山じゃないかと思っていたら、登ってみてそれが小太郎であることがわかった。

ここはかなり急斜面で、30分間隔で休憩を入れる。

体はかなりきつい。帰りを思うとゾッとする。これをまた下って、山王帽子山をまた登り、それを下るのだから。さらに光徳までの3kmを歩かなければならない。

小太郎山は木の根がせり出し、雨の日でそれが濡れるとかなりデンジャラスだと思いつつ、男体山のような強烈な岩場がないため、そこは少し楽に思えた。

しかし、体力レベル「クソ」なペースは遅く、小太郎山まで残り500mの地点で帰りの時間を逆算して、今引き返してちょうど陽が沈む前に光徳に戻れる計算に。

小さなミーティング。

予測ではあと30分で小太郎山の山頂に到達できる。しかし、往復を考えるとプラス1時間。すると光徳に戻れるのは18時になる。

山の暗闇は本当に真っ暗で何も見えない。それを考えると、引き返すべきと判断。

そして、そこでランチタイム。

考えれば、ランチタイムを入れればプラス1時間でも足りなかった。

下山中、何人かの登山者に追い越される。ベテランとはなんとも驚異的なものなのか。あの下りを早走りで、サラサラと下りていく。

中には半ズボンとTシャツという人までいて、体力レベル「クソ」との差は地獄の肥溜めの底と天界くらいある。

ところで10月の終わりの奥日光はスタート地点で気温が数度しかなく、山になれば氷点下。

暑いのが苦手で、寒さには強いわたしもさすがにウインドブレーカーを着た。

山に登り始めると、体は暑く、薄っすらと汗をかきつつも、外が氷点下なため、暑さと寒さが混在する奇妙な感覚。

そして、休憩で体を止めると、たちまち寒さが全身にしみ込む。

天候が良かったからいいものの、これで雨が降るとたちまち凍えてしまうだろう。

下山をしながら、下りで膝が笑い出す。そして、今度は山王帽子山を再び登らなければならない。そして、それをまた下る。

精神に襲いかかるウンザリ感。

しかし、過酷な下りをしながら、こんなところをよく登ったものだとも思う。

ようやくのことで山王峠の登山口に戻る。

そこから光徳まで戻るわけだが、上りのときの丸太の階段がハードだったため、アスファルトの林道を通ったほうが楽じゃないかということで林道を選択した。曲がりくねっているため、直線の登山道よりは距離は長くなれども、下山で体力を消耗している状態であれはキツい。

そうして林道を歩き始めたはいいが、これがいつまで経っても終わりがない。いよいよ日が暮れてきそうな気配になる。道を間違ったんじゃないかと疑い始める。しかし、道はこの一本しかないのだから間違えるはずはない。いささかの不安でスマホで現在位置を確認しようにも電波が届かない。

終わりが来ないアスファルトでいよいよ脚は本格的に痛くなる。下山の山王峠までは下りてみれば男体山の時より楽だったかなという生意気な印象があったが、林道を歩くとその余裕は簡単に消耗されてしまう。

陽が沈みかけようというときに宿泊先のホテルに到着。駐車場のアスファルトにしゃがみ込んでトレッキングシューズを脱ぐ。

とてもじゃないが、太郎山には到達できない。結美堂山ガール部のペースではどう頑張っても時間的に無理。小太郎山直前までで歩行時間は朝7時から17時までで10時間もかかっている。

もし車で登山口まで行けば約2時間は節約でき、さらに体力的にもかなり楽になる。

しかし、それでも8時間。小太郎山までは行けても太郎山は無理だろう。林道の消耗を差し引いても太郎山まで登る体力はないとはっきりわかる。

チェックインして一同、すぐに温泉に入った。

毎度思うことは、温泉がないと翌日の筋肉痛は過激で、それ以前に夜も眠れないということ。それくらい温泉の湯は山登りの疲労を癒してくれる。しかし、その効能を持ってしても体はボロボロ。

体が芯まで冷え切っていて、温泉の湯に浸かりながら体が震えた。すぐにのぼせるから熱いお風呂が苦手なのに、自分史の中で最も長く湯に浸かった。温泉がないと、翌日には風邪をひいてしまっていただろう。

そして、ようやくビールにありつく。以後は日本酒の熱燗。熱燗が体を温かくなり、ようやく落ち着いてくる。温泉に入っても、冷たいピールは1杯以上は体が受け付けなかった。

部員一同、かなりの疲労。各々が、

「眠い…」

と、口にする。

今回はハードだった。食事に後は遊ぶ気力もなし。

午後8時には床に入って寝てしまう。しかし、わたしはその3時間後にまた起きてしまった。寝ては起きての繰り返し。

体が極端に疲れると、ぐっすりとも眠れないのである。

朝になり、朝食を済ませ、せっかくこの紅葉シーズンに朝の奥日光にいるのだから、紅葉の華厳の滝を見に行こうと向かった。

しかし、朝8時半ですでに華厳の滝駐車場は満車、そして駐車場に入るために路上で渋滞。

とても入れる隙などない。無理に待って駐車場に入れたとしても、今度は華厳の滝エレベーターに乗るまで1時間以上はかかるだろう。

そのまま日光市内へ向かい帰ることになった。奥日光へと向かう上りの道は大渋滞。朝のうちから渋滞して、いろは坂を登りきるのに4時間かかるという噂は本当だった。

とはいえ、下りのいろは坂は渋滞もなく、幻想的な奥日光の紅葉が楽しめた。

太郎山の再チャレンジ。

うん、それはないね。体力的に無理だとわかったし、登山慣れした人のペースでないと到達できない距離だとわかったから。

なんて言いつつ、山登りは終わった直後は「もう二度としない!」という心境になるのに筋肉痛が消え始めるのと同調してその気持ちも消えて行く。そして、

「今度はいつ登る?」

などを言い始めるのである。

出かける前に3歳の愛娘に、

「お山を登ってくるからね〜」

と言ったら、

「どうして〜?」

と訊かれ、

「お山があるからだよ〜」

と、名文句で答えておいた。

山登りの回答はこれなのである。山があるから登るのである。それが理由なのである。そういうものなのである。

これからは雪のシーズン。だから、年が明けて、春になれば、わたしたちはまた登り始める。

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