結月でございます。
一応これでも日本国内だけでなく、フランスや中国といった美食大国で一流の料理などを追い求めていた過去があるわたしですが、今はすっかりそれもなくなり、何を食べてもとりわけおいしいと思わない。
「もしかして、これ、コロナの味覚障害！？」
っていうのは、嘘ぴょ〜ん！
だって、コロナ以前から「おいしさ」というのが興味の対象でなくなっていたから。もう何年も前からね。
お酒なんかもイオンのPB、トップバリューの4リットルで3000円以下というウイスキー、これをハイボールにしている。実はこれ、ウイスキーを書いてあるけど、焼酎をカラメルで着色したイカサマウイスキー。
だから、ウイスキーらしい風味なんてない。でも今はこれが一番。
時々ちゃんとしたもの、といってもカティーサークとかそのレベルだけど、これをハイボールにしたら、
「ああ、香りが鬱陶しいわ…」
と、本来の持ち味であるはずのウイスキーの香りが邪魔で、さっさとイオンのイカサマウイスキーに切り替え、
「うん、やっぱこれだわ」
と、無個性であることに重きを置いている。
これはいわば達観の境地であり、いいウイスキーにウンチクたれているようじゃ、達観とは程遠い。
着物で言えば、色無地が一番美しいことを心底理解することに似ている。
そんなものだから、食べ物の探究心はゼロ。イカサマウイスキーのハイボールを飲みながら、猫を目の前にしてマクドナルドの夜マックでダブルチーズバーガーを食べつつ、フライドポテトを食べながらyoutube見ているときが最も幸せ。
わたしはフライドポテトがあるだけで楽しめるほど、フライドポテトが好きなのである。これもひとつの達観か。
なので、食べ物はどーでもよくて、3歳の愛娘がいるから料理するときはまともに作るけれど、ひとりのときはジャンク。
これまたジャンクの無個性が楽でよろしく、こだわったものはいちいち考えなくちゃいけないから面倒。
栃木に来て、蕎麦が好きになったのも、おそらく蕎麦の清々しさというか、透明な味の感覚がいいのだと思う。
だから、今では食べるものが何かというより、誰とどこでどんな風に食事するかが大事になっていて、わたしとしては行きつけの奥日光のホテルのディナーを山ガール部や生徒と一緒にアホなことを喋りながら飲み食いするのが幸せ。
ホテルの料理はいつも決まったものだけれど、その定番が考えなくていいから楽で、何が出るか「お楽しみ」がないゆえにいつも通りだから余計なことを考えなくていいのが心地いい。これまたひとつの達観。
さて、そんな達観の境地にいるわたしは山崎製パンが出している「ナイススティック」が殊の外、好きなのである。
ナイススティックは中学生の頃からよく食べていたし、今も東京へ出張レッスンへ行くと必ず買って、これで腹ごしらえをする。
今まで何本食べたか知れないナイススティックだけれど、そのパンの名が「ナイススティック」であることを数日前に知った。
YouTubeでサンドウィッチマンのコントを見ていて、
「なに、ナイススティック食ってんだよ！」
というツッコミがあって、あれはナイススティックというのだとわかった。
わたしはあまり名前とか単語に興味がない人間で、「うまい」とか「好き」という感性的部分でしか捉えない傾向が強い。
だから、歌手の名や曲名などまったく覚えることがなく、曲の音だけ知ってるという具合。
ところでナイススティックは1977年誕生らしい。わたしの記憶が中学生からなのは、小学生だとパンなど買い食いしなかったし、中学生になって弁当代わりにパンを買ったりしたからだろう。
ナイススティックの魅力は、そのウエットさにあって、あのクリームはパンにかぶりつくとパン生地にウエット感を伴いながら広がり、そのせいでパンだけれどそれほど喉が乾かないところにある。
そして、しっかりとした甘さがあるのにクドくない。さらに安い。
2本食べても胃にもたれない。ところがカロリーは1本で約500kcalあるらしく2本で成人のエネルギー1日分に匹敵する。
ということは、金欠になったり、食費がなくて生活保護になろうとも、ナイススティックを2本食べれば200円ほどでカロリー的にはオッケー。しかもうまい。
さて、ナイススティックに合わせたいドリンクはやはり牛乳である。
しかし、牛乳はペットボトルがないため、外でさっと食べるにはやりにくい。そのためわたしはいつもの定番カルピスウォーターでやるのだけれど、カルピスだとその酸っぱさがややナイススティックの風味とぶつかるところがあってベストではない。
ところでうちの生徒さんたちには、どこかへ行ったお土産などはわたしに買わなくていいと公言していて、それはお土産の饅頭などわたしはあまり興味ないし、あれば食べるけどっていう程度だから、そんな人間のために無駄な金は使う必要はないと言っている。
どうせあげても大して喜ばないのだから、その1000円は本当に無駄なのである。
地方名産の小洒落たお菓子とかは要らない。でもどうしても何か買って行きたいという慈悲心を捨てられないなら、わたしにはナイススティックを買ってきてほしい。その方が高い饅頭よりも正直、かなりうれしい。それに1000円出せば10本買えるじゃないか。
と、このようにわたしが実に楽な人間なのである。
飲み会に行っても安く済み、こだわらないから定番だけでいい。好きな店には通いつめるのでわざわざ店を考える必要もなく、コストを下げたければフライドポテトだけでよろしく、お土産など気を使わなくていいと公言し、買うならナイススティックにしてくれとプライスダウン。
いや、むしろ余計なことをされるのが一番嫌で、気を使ってやらなくていいことをやられたりするのが困る。
ああ、これって猫だよね。猫だよ。
猫って余計なことされるのが嫌がるし、CIAOちゅ〜るをあげておけば喜ぶ。
猫とずっと一緒だから、性格も猫的になったんだろうなぁ。
