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親子でバイオリンレッスンは成り立たない。

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結月でございます。

先日、今年3歳になった愛娘のために1/10のバイオリンを買った。買ったというか、何というか、わたしは一応、楽器商でもあるからね。

バイオリンは2歳の頃から弾きたいと言っていたので、現物を初めて触らせると大喜びしていた。

しかし、喜んで雑な触り方をするので注意がいる。

さて、レッスンを施してやろうとするも、最初から言うことを聞かない。弓をちゃんと持たせようにも勝手にやる。もうメチャクチャなのである。

わたしが小さなバイオリンでアンパンマンのマーチを引くと大興奮して、自分も弾くと言ってこれまた言うことを聞かない。

自分で弾くと言っても、弓の持ち方も何も知らんじゃないか。それでギコギコやるもののアンパンマンのマーチにならないものだから泣き出す。

「はい。今日はここまで!」

と、終了。

どうも家でやるのが良くないと思った。そもそも先生であるわたしが寝巻きなんかを着ている。これでは威厳もへったくれもない。

と、今日は結美堂のほうでやることにした。しかし、あまり結果は変わらない。

やっぱり身内じゃ駄目ね。シャキッとしない。甘えすぎる。どーにもこーにもレッスンにならない。

まあ、分かっちゃいたけど、その通りだった。

仕方がないので宇都宮あたりで適当な教室を探そうと思った。バイオリンの仕事はずっとやってきたので、教室の選定眼はあるしね。

やっぱり他人がやらないとうまくいかない。いや、親がバイオリンを教えたという例はままある。五嶋みどりだってそうだ。

でも、それは親が厳しいのだろう。わたしなんて愛娘と恋人のように暮らしている。ベタベタしている。今日だって一緒に卓上でたこ焼きを作って食べた。お風呂も一緒に入り、布団ではいつも隣で寝ている。

こんなだから、いきなりわたしがバイオリンの先生になっても先生と認めるわけがない。仲が良すぎるのである。

しかし、勉強は教えている。本も読んでやっている。

それはやはり寝転がってでもできることだからだろう。

バイオリンは寝転がって弾けない。

バイオリンの時は豹変して厳しくしてもいいのだけれど、それで関係が悪くなるのも嫌だし、バイオリンのことが嫌いになられても困る。

歯磨きを指導するときのように厳しくやればできなくはないのだけれど、本来、バイオリンは歯磨きと違って楽しくやるものだから。

他人に教えさせよう。そうすれば、新たな人間関係もできるし、いいのではないか。

さて、そんな3歳児と今日はリヒャルト・シュトラウスの『ツァラトゥストラはかく語りき』を聴いた。

3歳児は、

「うるさ〜い!」

と、言っていた。

そうそう。そうなんだよ。あたなは正しい。リヒャルトの音楽って、一口に言って「うるさい」。わたしもそう思う。

でもさ、うるさい中であのバイオリンのソロはちょっと美しい旋律なんじゃない?

なんて思いつつ、バイオリン演奏って頭使うよね。3歳児にちょっと教えてみてより実感。

こんな器用なことをやるから頭をすごくよく使う。そして音符を読んで弾くんだから、なるほどバイオリン演奏って脳みその発達にはいいと思ったよ。

東大生へのアンケートで、小さな頃にバイオリンかピアノを習っていたという割合が高いことがわかったけれど、それはそうだろうなぁ。

まず、そうした楽器を習わせる家庭は経済的に恵まれているため、家庭環境が良く、親が学歴的にもしっかりしていることが多い。

そして、そうした楽器演奏はとにかく頭を使うので、小さな頃にしていると脳トレがなされて、勉学に生かされるという推論。

確かに3歳や4歳でバイオリンを弾くことを考えたら、足し算引き算なんてアホすぎるほど簡単だもん。

というわけで、バイオリンで地頭を培って、勉強をしっかりとやらせる。

音楽は趣味でよろしい。

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