結月でございます。
保育園のお盆休みが土日が含まれるため、思っていたより長くてビビったわたし。
今月は山ガール部として男体山に再び向かうというのに2歳児をひとり置いてチャリでトレーニングするわけにいかない。これでは登山のための体づくりができないじゃないか。
どうしようかと思い悩んだところ、
「スクワットって部屋でできるんじゃね?」
と、思い立つ。
スクワットは山登りの太ももの使い方に似ている気がする。チャリをトレーニングに選んでいるのは、ペダルを踏む動作が山登りのそれを同じだからだけれど、スクワットもいいかもしれない。
そこで早速、「登山、スクワット」で検索すると、山登りにはスクワットが効果的だという記事がたくさんあった。
それがガセネタであるかはやってみないとわからない。ネットに書いてあることを鵜呑みにするほどわたしは馬鹿じゃない。しかし、クソ暑いことに加え、保育園が休みになり愛娘に付きっきりでなければならない状況では、とりあえずスクワットをやってみるしかない。
そこでスクワットのやり方を検索すると動画がこれまたたくさんあった。
どこかのジムでトレーナーをやってそうなマッチョな兄ちゃんが出てきて解説するのだが、
「ブハッ!頭悪そー!」
なんて失礼なことを思いつつ、懸命にスクワットのやり方を説いていることに素直さを感じる。
やはり筋肉に魅せられたひとってこうなんだよな。頭じゃないんだよな。冷静に考えて、そんな肉体を作ってなんかいいことあんの?と思っちゃうけど、何か実利を得ようと思って彼らはやってるわけじゃない。そういうのが好きだからやってるんだ。
その気持ちは三島由紀夫の小説『鏡子の家』を読んでるからわかるよ。
しかし、YouTubeってやっぱりおもしろい。いくつか動画を見たけど、
「それ、自宅のワンルームじゃん!」
っていう部屋でマッチョな兄ちゃんがその狭い部屋にトレーニング器具を置いてスクワットを解説しているんだから。
ジムで撮影なら普通だけど、生活感のある自宅で撮影して公開するのがYouTubeのすごいところ。素人革命だよ。
と、筋肉系の真面目さに笑いつつも、わたしはちゃんとスクワットの正しいやり方をインプットした。
そして、エアコンを効かせた部屋の中でスクワットをやってみた。
ちょうど電源を切った液晶テレビが幅広の鏡のようになって自分を映し出している。それを見てちゃんと太ももが地面に水平であるかを確認する。
とりあえず10回やってみると、
「キッツー!」
これ、マジでキツイわ! たちまち息が上がってソファに転がり込む。
いきなり太ももがパンパン。自分の体を上下して自分の太ももがこれじゃ情けない。山では自分の体を山頂まで運ばなければならないのに。
そして数分の休憩をはさみ、さらに10回。
するとパンツとTシャツ姿で両手を前に伸ばしてスクワットするわたしを見つけた2歳半の愛娘が、
「なにしてるの〜」
と言いながら、大喜びでじゃれついてくる。
ただでさえ、太ももがキツいというのに2歳児はそこにしがみついてきて負荷はアップ! しかし、消えたテレビ画面に映る自分の姿を見て、
「こいつ、アホや〜」
と、自分で思うのだから、愛娘の喜びがわかる。
そして、またソファに転がり、ゼーゼーと息を切らせ休憩。
これを繰り返し合計50回あたりになると、キツいけれども初回ほどではなくなってくる。そこで一気に20回をやってみたりもする。
その都度、2歳児は、
「なにしてるの〜!」
と、キャッキャと笑いながらじゃれてくる。
それを繰り返しながら、2時間の間に合計200回のスクワットをやった。
それはやり始めてから、200回はやろうと目標にしたからで、そう決めると意地になってきてやり遂げられる。
スクワットは1回あたりおよそ1秒だから10回ワンセットでおそらく15秒くらい。200回となると正味の時間は300秒、つまり5分だから、休憩を1時間55分しているということになる。
まあ、最初はこんなもんか。もう少し筋力がつけばそのインターバルが短くなって時間は短縮し、かつ回数も300回、400回に増えるだろう。
しかし、正味5分のスクワットで山頂までたどり着ける体を作り上げることはできるのだろうか?
こんなことだけでは全然足りないんじゃないか。
そう思いつつ、部屋の中でできるトレーニングとしてはこれくらいしかないから、とりあえずスクワットは続けよう。続けてみないと結果はわからない。
そしてお盆明けにチャリのトレーニングを行い、なんとか男体山に間に合わせる。
やって駄目なら仕方がない。
やらなくて駄目っていうのが一番良くないわけで。
やって駄目なら、自分にはどれくらい不足があったかがはっきりするから、次にその不足分をやればいい。
サボっててできませんでしたっていうのは、当たり前すぎてダサいんだよね。