結月でございます。
明日から中国。
「あ〜クソめんどくせー」
向こうの春節のために行くんだけど、どうせやることは宴会ばかりだからメンドクサイ。もう宴会には興味ない。
そもそも向こうの人間だって親戚づきあいがメンドーとか言ってるんだから、やめりゃーいいのにね。
と、それくらい中国の古い風習はクソが100個付くくらいメンドクサイ。
おまけに3歳児が迷子になったりしないように終始気を付けなければならないし。
さらに成田空港から杭州空港、さらにバスというこれまたメンドクサイ道程で、その間、ちょっと目を離した隙にダッシュして走り回る3歳児を守護霊のように守らなければならないのだから想像しただけで疲労困憊。
というわけで、山登りのブランド「モンベル」のリュックを今日、買いに行きました。
結美堂山ガール部の創設者かつ庶務のわたしは山登りリュックは25リットルのサイズしか持ってない。正直、男体山だとそれで事足りるのだけれど、そのサイズでは3歳の愛娘の着替えやパンツ、お尻拭きなどなどが入らない。それに中国滞在時はどうせ暇だろうから、MacBook Proも持って行く。
ちなみに中国では日本とネットがつながらないので、MacBook Proはワープロとしての役割。
で、そうしたものを詰め込んで、3歳児を抱っこするには両手が自由にならなければならない。というわけで、どうせ山登りもするし、35リットルのリュックを買ったわけ。
これだよ。
「チャチャパック35」
男体山を一応制覇した山ガール部としての次の目標は同じ日光連山の「女峰山」。しかし、ここは男体山ほど急ではないが、距離があり男体山よりも過酷らしい。
今の山ガール部の実力ではまだ登れない。実力的にはわたしがビリケツだし。
しかし、「やると言ったらやる」よ。なので、これからトレーニングを積んで、近未来的には女峰山を登り切る。
さらにまだ登るべき山があり、それは日光白根山。難易度的には女峰山と同じくらいだろう。
と、そうなればどうせ大きめのリュックは必要ということで、今回、急いで購入した。
「栃木にモンベルなんてあんの?」
と思い、まあ宇都宮だったらあるんじゃね?と調べたら、小山市にあった。
ここは遊園地の跡地に作られたショッピングモール。
その名残があり、遊園地時代のメリーゴーランドだけが残されていて、その古びた佇まいは、まるでフェデリコ・フェリーニの映画のよう。
そこは愛娘の保育園からそのままクルマで20分ほど。
開店に合わせて行くと、サイトで見ていたリュックの実物が全部並んでいた。
いろいろ手に取るも、それぞれに良さがありどれを選んでいいのか決めかねる。そこでオバさん店員が通りかかったら、どういうわけはわたしはフランス語で、
「パルドン?」(Pardon?)
と声をかけてしまった。
なぜフランス語が出てしまったのか、フランスにいて店で声かけるときは「パルドン?」と幾度も口にしたけど、もう随分昔の話。
とりわけフランスのことを思い出していたわけでないし、モンベルの店内がフランスっぽいわけでもない。
ちょっとした一言だけれど、意識せずに自然に出たのは久しぶりの感覚だった。
声をかけられたオバさん店員はフランスとはかけ離れた栃木訛り。
さて、そんなオバさんにいろいろ教えてもらった。そしてまあ35リットルだと調理器具など入れなければ一泊もできるとのこと。
モンベルのリュックは様々な用途に合わせて数多くある。その中で「チャチャパック」は多機能タイプ。そのファスナーの位置など、実によくできていて山登りの場面を考えられている。
山ガール部はまだ素人集団で、まだ経験が浅い。それゆえ、まだ場数を踏んでおらず、何がどうあれば便利なのかはまだわかっていない。だからこそ、説明を聞きながら、
「ほほぉ〜」
と、感心する。
そして重りを入れて、実際に背負わせてくれた。
それぞれの紐を引っ張ると、背中と腰骨にリュックがギュッと吸い付くようにフィットする。これはすごい。
しかし、まだ経験が浅いわたしはその紐の締める順番を覚えきれず、
「これ、取説、あるんッスか?」
と訊いてしまった。
するとちゃんと写真入りのものがあり、まずはそれで覚えて、あとは実践を重ね、手が勝手に動くようになるようにする。
ともかく、とてもよくできたリュックで、これなら間違いがなさそう。
と、色を選ぶもこればかりは「これ!」と自分の感性に合うものはなかった。
とはいえ、それほどこだわってないし、そもそも自分で背負ったら色なんて自分じゃ見えない。正直あまりこだわりはない。
そこで、この色を買いました。
青かよ!
と、実はわたしは青って自分で身につけない色なんだよね。ずっと赤系だし。着物だって青系はまったく似合わない。
チャチャパックにエンジ色があったけれど、なぜか避けてしまった。今ある25リットルサイズがエンジ色で同じになるからかもしれない。
あとは体力がなさすぎるクソなわたしが似合いもしない山登りを始めたことが、おそらく自分にとって違和感というか、アイデンティティとは違った行動であるから色もそう選んだのかもしれない。
つまり、今までの自分だったらやらなかった山登りをやるようになったちょっと新しい自分という意味で、今まで自分にない色を取り入れたのだろうか?
あとは、女峰山を想定していて、それが過酷であろうという予測から、クールであらねばという気分からだろうか。
とまあ、そんなリュックのデビューは女峰山ではなく、中国であり、16キロ近くある愛娘をいつでも抱っこできるためにリュックは活躍する。
そして登山用だからペットボトルをさすこともでき、愛娘にすぐにお茶を飲ませることもできる。
登山という命がけの装備だからこそ、機能に余裕がある。大げさにいえば、これは自衛隊が戦争での地上戦の訓練をしているからこそ、災害時にたっぷりと行動できることと同じなのだ。
というわけで、モンベルのチャチャパックをお勧めしつつも、山登りの素人が言っても説得力がない。
帰国したら、少なくとも育児にはいいよってことは言えるかもしれないけれど。