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自分の駄目なことをやる

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結月でございます。

今年は一度しか山登りに行っていないため、もともとダメダメな肉体はさらに軟弱になり、さらに田舎ではクルマ生活になり、東京のように歩くことがない。あまりに足腰が弱って、立ち上がるのもちょっと苦労する有様であるから、最近は毎日スクワットを40回、腕立て10回、腹筋10回、背筋10回を日課にしている。

すると、少し効果が出て、立ち上がるのも階段を昇るのも楽になってきた。しかし、大昔は腹筋なら100回はできたし、背筋は海老反りになるほどであったのに10回で根をあげるのだから情けない。

山登りに行くとなると、それに合わせて1ヶ月前くらいからトレーニングをする。体を作らないと元々が軟弱すぎて山に登れないからで、それでも元が駄目すぎて山登りをするとビリケツで、下半身がぶっ壊れるほどになる。

こういうのは子供の頃にやっておかないといけないもので、やっていない人間が大人になっていくら頑張っても限界値が低い。肉体的な構造が成長過程からして駄目なのである。

それなのに奥日光の男体山に登ってみたいという降って湧いたような欲望から結美堂山ガール部を設立したわけだが、体力的にドンケツのわたしが本当に山登りを年に2度ほどと言ってもやり始めたのは自分史の中で例外的なおかしさなのだ。

結美堂山ガール部はわたしの駄目さに付き合えるメンバーを選んだつもりで、それは意識が高すぎたり、体力差がありすぎると楽しめないから。しかし、それでもわたしがビリケツであることに違いない。

そんな山登りのことを思うと、自分にとって最も駄目なことを挑戦しているのだと気づいた。これは恥さらしであり、駄目さを曝け出す。

わたしは仕事でも自分が得意なことしかやっていない。音楽だって得意と言えば得意だし、着物だって自分の美意識はズバ抜けていると自惚れているし、着付けのテクニックもナチュラル仕上げをわたしほどサラッとできる着付け師なんていないと思っている。

人よりも抜きん出ていることが結果的に仕事にしているのであり、だからほとんど負けることがない。得意分野はマイワールドであるから、お客さんからもお金を取れる。

ところができてしまうと思いのほかおもしろくないもので、マイワールドを築くと同業者のことはむしろ気にならなくなり、自己完結してしまう。

それに比して山登りは体力がビリケツだから、得意分野とは真逆であり、恥さらしなのである。

得意でないからこそ、達成感は大きく、初めて男体山の頂上にたどり着いたときは嬉しかった。自分の肉体を信じていなかったのにトレーニングをしたら達成できたことは、運動系はすべてビリケツであった自分史の大金星だったのである。

とは言え、根がビリケツであるからすぐに駄目になる。継続ができない。だから結果的に年に2度しか登っていない。

そしてまた登りたくなるとトレーニングを始める。

それでも自分の駄目なことをやるのはおもしろい。知識もゼロであるから、それに関しての知識を増やす快感がある。

着物や音楽に関してはこれ以上知識を自分で求めていないから、そんな快感はない。その快感は昔話となって過去に佇んでいる。

しかし、山登りはいくらやっても上級者にはなれない駄目駄目であるから、万年初心者で、それゆえにずっと楽しめそうである。

得意分野を成し遂げることも大切であるけれど、自分ならやらないようなことをやるところに魅力もある。

自分が駄目なのがわかっているから、その駄目さを自分で認めているから開き直れる。わたしにとっての山登りは自分の愚かさの開示なのである。

どうも日本は教育のせいで、ちゃんとやらないといけないと洗脳されているように思う。しかし、そういうプレッシャーを自分にかけると楽しくない。いい加減はよろしくないが、ちゃんとやらないとと思う気持ちは楽しさを束縛する。

ちゃんとやらないとと自分にプレッシャーをかけると、得てして物事は長続きしない。意識高い系よりも意識ほどほど系でやるほうがじんわりと長く続く。

きっと仕事なんかでも、きっちりとしようとしすぎると壊れてしまう。心療内科行き。軽い鬱病になりやすい。

駄目なことは駄目なのである。わたしなんか、いくらやっても体力分野ではビリケツは変わりはしない。頑張っってもたかが知れている。

だから、自分の駄目さをフルオープンにして、意識ほどほど系でやる。得意をフルに活かすジャンルを持ちながら、同時に駄目分野も持っておく。

どうやらその両立が人間としては程よくいいらしい。

得意分野だけ卓越させる生き方をすると、ちょっと付き合いにくい頑固さで身が固まってしまう。

要するに不得意分野に取り組むことで不要なプライドを破壊する。

精神が病んだり、精神が弱い人というのは総じてプライドが高い。自分の中に小さなプライドがあって、それが傷つくことをひどく恐れる。

どうしても得意なことばかりやるとプライドが増長する。これには気をつけなければならない。

専門分野はあっていい。しかし、人として面倒な頑固さはないほうがいい。

自分の駄目さも知ること。

そして、自分の駄目さを愛すること。

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