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マロオケ2021、たっぷり全曲やります!

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結月でございます。

今日は11月22日の会場、太田区民ホール・アプリコに電話して、やっと大きな安堵がひとつ。

それは緊急事態宣言から続いていたホールの使用制限が全面解除になったということ。

安心した。これで公演は予定通りにできる。

というのは、長く続いた緊急事態宣言中のいつの頃からか、ホールの閉館時間が夜の9時までになっていたのである。

ホールの使用に関しては本当にコロナに翻弄された主催者や事務局が多かったと思う。去年は公演中止が続出したし、今年のGW前後も東京都からホール使用不可のお達しが来たという話も聞くし、警戒しすぎのときもあれば、逆に慣れてほどほどの制限になったりしていた。

東京オリンピックも観客を一定数入れる方向で調整されていて、結局は無観客になったのも一例で、感染状況と社会の空気を照らし合わせながらの制限がいろいろとあった。

今回の公演企画の立ち上げは5月からで、その頃にホールを確保した。ちょうど緊急事態宣言真っ只中で、申し込みに行くと、収容人数は半分と言われ、公演への気持ちが昂っていたのに冷や水をかけられたような気分になった。しかし、仕方がないから、

「はい。わかりました」

と、答えた。

コロナに関してはワクチンの進捗状況など希望的観測一切抜きでずっと予測していた。11月は大丈夫という確信は自分の中にあって、この公演は確実にできる「はず」という気持ちでいた。

とはいえ、チケットを申し込んでくださる方からは、

「中止になることはないですかね…?」

と、心配されたりすることが多々あった。

希望的観測なし、テレビなどの煽り情報は無視して、コロナに関する一次情報、つまり政府や行政が出すデータを頼りに自分なりに分析していたので、

「11月は大丈夫だと思います」

と、答えるものの、しかし相手はウイルスだし、どうなるかはわからない。

しかし、収容人数だけでなく、いつしか退館時間まで早められていて、ホールからは21時退館と言われる。

これだと撤収作業があるため、交響曲ができない。それをカットしてレクイエムだけにしなければならない。

21時退館の通告はさすがに精神的に堪えて、11月は大丈夫だと確信していても「もしも」を考えると、胃が痛み出した。

もやもやとした不安というか、結果はその時でないとわからない未来を心配する。それは心配してもどうすることもできず、とにかくもやもやと嫌な気分だったのである。だから低温やけどのようにじわじわと胃が痛み、頭がどっしりと重く、不機嫌で、ピリピリしていた。

今回のプログラムは、交響曲第31番のあの豪快な明るさで始まり、美しいけれど、憂いがあって、明るさの裏に薄っすらと絶望的な悲しさがある第38番で前半が終わり、それを引き継いてレクイエムが始まる。壮大なフーガの後には怒りの日があり、聴きどころは満載で、合唱の迫力が、独唱の美しさが、あまりにも聴きどころがあり過ぎて特定できないほどのレクイエムをやる。そしてついに最後はこの世で最も美しい旋律、アヴェ・ヴェルム・コルプスで魂が完全に浄化されるという物語を込めている。

なのに交響曲ができず、前半カットでいきなりレクイエムだと、コンサートに込めた物語が成立しない。

いや、レクイエムだけでもものすごい曲であるから、コンサートは成立する。そもそもレクイエムをやるときはレクイエムだけしかやらないものだから。

でもそれじゃ駄目なんだ。レクイエムの前に31番と38番をやることに大きな意味があって、それがあるからこそ、レクイエムの凄みが倍増する。これは渾身のプログラムで、どれも欠かすことができない。

それに交響曲をカットすれば、交響曲だけしか乗らないパートの奏者はステージに乗れなくなる。

ともかく、21時退館通告は逆えるものでなく、区民ホールの職員だって区からの決定を受けているだけだし、さらに区も東京都からの要請を受けているのだから、誰も悪くない。

「最悪、レクイエムだけになるか…」

と、プランBは考える準備もする。

しかし、この完璧な美しさのプログラムがホールの制限によって損なわれることを思うと、憂鬱と怒りと悔しさ、その他匿名の感情が入り乱れたものが胸の中に漂い、さすがにきつかった。

だが、8月の五輪後にコロナはピークアウトすると予測していたし、9月には落ち着く傾向になると思っていて、事実9月に入り緊急事態宣言解除か延長かというところまできて、やっぱり延長になりながらももう大丈夫だとは感じていた。

そして解除になって喜ぼうと思ったら、リバウンド防止措置なる新手が現れて、21時退館は変更されない。そこまでやらなくていいじゃないか、と思いながらも、お上が決めているから仕方がない。

しかし、リバウンド防止措置による制限延長はさすがにビビってしまい、今月の21日にホールに事前打ち合わせに出かけるも、現状は21時退館と言われてしまう。

リバウンド防止措置は24日が期限。東京での感染者は数十人まで減少。これは25日以降で全面解除は間違いないとわたし自身は確信するも、やはり「もしも」を考える。

そして、飲食店も全面解除になり、今日、ホールに電話して確認すると、ホールの使用制限はすべて解除。退館時間は通常の22時。

つまり、プログラム全曲を予定通りやれることが確定したのである。

ギリギリだった。もし公演日が10月だったら危なかった。

最高のプログラム。渾身のプログラム。

こんなプログラムをやれるのは最初で最後。今回だけ。

ひとまず安堵。公演は確実にできる。

あとはお客さんに来てもらうだけ。これだけ感染者数が減ってくれると、コロナへの心配もなくなる。観光地も賑わいを取り戻しつつある傾向らしい。

いきなり全開とはいかないにせよ、これから社会の空気も変わってくる。

公演まで1ヶ月を切り、コロナで躊躇していた人たちがこの公演に申し込んでくれることを祈りつつ、願いつつ、PRを続ける。

できるだけ多くの人にこの公演に来てほしい。そして、来てくださった方は、きっと最後のアヴェ・ヴェルム・コルプスの美しさに涙するはず。

この公演のメインは、アヴェ・ヴェルム・コルプスだと言っていい。ここにたどり着くまでに交響曲がふたつあり、レクイエムがあるのだから。コロナに傷つけられた魂がこの曲で癒され、浄化される。

11月22日(月)、太田区民ホール・アプリコ。開演19時。ぜひ、お越しください。

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