結月でございます。
今日の夕刻、保育園へお迎えに行く前に近所のABC -MARTに立ち寄った。
わたしが住んでいる栃木県真岡市は田舎のくせに一通りのものが揃っているという土地で、マクドナルドが2軒、ケンタッキーが1軒、すき家が1軒などファストフードも揃っていて、サイゼリアもあれば、回転寿司ははま寿司、元気寿司など、ガストもあれば、牛角もあり、モスバーガもあれば、CoCo壱があって、スタバまである。そう言えば、コメダ珈琲もあった。
ドラッグストアはかなりの数で、どう考えても人口比率的におかしい。
あと、子供用品は西松屋、バースデーがあるから育児環境も良し。
書店やレンタルDVDはTSUTAYA、GEO、WanderGOOがある。
その他、病院はすべて揃っていて、スーパーも大型がいくつもある。
というわけで、生活するには不自由がない環境で、エキサイティングではないけれど、住む分にはいい土地。
ただ、それは中心地の話であって、一口に真岡市と言ってもクルマでちょっと走れば恐るべし田園地帯であり、それでいて観光スポットはないからビミョーとも言える。
それはいいとして、ABC -MARTに行ったのは初体験。
銀座にいたとき、結美堂のあった3丁目から徒歩数分の2丁目あたりにABC -MARTの銀座店があったけれど、入ったことはなかった。というか、それまでABC -MARTが靴屋だとは知らなかった。
銀座では毎日着物だったということもあるし、免許を取ってクルマを運転し始めたのは銀座にいた最晩年だった。
クルマの話をしたのは、ずっと履いていた革靴、それも銀座時代に買ったものであって、さすがに靴底がペラペラにすり減ってしまい、ブレーキを踏むと滑るという弊害が出てきたから。
穴は空いていないから履こうと思えば履けるとはいえ、保育園の駐車場の砂利を踏んだだけで薄い靴底のせいで痛いという状態で、靴底が薄皮のようになっている。
寿命は感じつつも、それでも履いていたのは単に買うのが面倒だったから。
しかしながら、実は下駄箱には未使用の新しい革靴もあるけれど日常使いにもどうかと思ったり、あとは結美堂山ガール部を設立したときに軟弱な肉体を鍛えるためにウォーキングで自宅から結美堂までの10km歩こうと、アキバのオタクが御用達だというダンロップの超絶ダサいウォーキングシューズを買ったのがある。
そのダサすぎるダンロップのオタク仕様は確かに歩くのは疲れず、しかも完全防水という優れものだけれど、履こうとするとベロの部分が引っかかって毎度、ちょっとムカつかねばならず、ウォーキングのとき以外は使いにくい。
というわけで、クルマを運転しやすい靴として、ナイキのエアマックスを買いに行ったというわけ。
しかし、スニーカーなるものはわたしの美意識にはない代物で、はっきり言って好きじゃない。
ところがそうは言っても、それもいいかなと思い始めたのは田舎暮らしだからというのもあれば、やっぱりアンビバレントなものがないと人間はおもしろくないから。
着物や音楽を通して美意識はバリバリでやってきたから、あえてストリート系で、アメリカンでキメてもおもれーと思ったわけ。
それに愛娘を連れて毎日クルマは運転するから、ちゃんとブレーキが踏みやすい靴がいい。
というわけで、実用第一、キャラ破壊も少しというわけで、似合いもしないエアマックスを買った。
でも、似合いもしないことをあえてやるところにファッションとは異なるキャラを主体にできるわけで、自分がやったらダサいとわかっていてやることに実存を構築しているのである。
ファッション誌など参考にして、一見洗練されていそうに見えて、ただのパクリという没主体なファッションより、自分と異なるものを取り入れて、しかもそれが似合ってなくて、さらに似合ってないことを自覚していて洗練させるつもりがないところにキャラがあるのだよ。
ファッションの洗練はたやすいもので、決まったことをやっていれば大体きれいなものになる。
しかし、それは同時に「どこにでもある」ものであり、主体がない。同じようなコーディネート。見たことがあるようなありきたりな組み合わせ。
イケてるように見えて、実は無個性。
わたしは自分の主体で生きていて、だから他人目線で生きていないし、誰かと同じっていうことには拒絶反応がある。
だから、着物みたいに美意識バリバリでやれるものは徹底してやるけれど、日常のキャラとしては意図的に似合ってないダサさをして自己破壊しつつ、確固たる主体を持つという逆説で行こうと思う。
しかし、思えば着物を始めたのも自己破壊であったわけだし、破壊は創造と同意語だとも言える。
破壊があるから新しいものが生まれるのであり、破壊がなければ衰退しかない。
だから、自分の中でマンネリになったものがあると、それは破壊したほうがいい。すると視点がガラリと変わり、今まで見えてこなかったものが見えてくる。しかし、破壊しないとマンネリは年老いて衰退するのである。
とまあ、スニーカーを履くのは中学生のとき以来という新鮮さ。
そんなエアマックスはサイズがなかったので、他店からの取り寄せで数日に到着。
ちなみに定価が11000円ほどなのにちょうど昨日から半額セールにしたということで、5500円ほどだった。
ABC -MARTでは、順繰りで特売商品を決めているよう。
導かれるように行動すると、靴も半値で買えてしまったという幸運。