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12月から栃木に結美堂のためDIY

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結月でございます。

栃木のことは好きだけど、基本、都会人で、都会のことが好きなアタシはこれから栃木で生活して仕事をすることに不安ではなく、些かの違和感を覚えています。

「アタシは都会が好きなのっ!」

と、日本では東京、フランスではパリ、アメリカではニューヨーク、中国では北京か上海がいいと思っているのに人生はわからぬもので、こんなアタシが栃木に行くことになった。

住む場所は一応住宅地で、その周囲の写真を撮って見せたら、多分世田谷と変わらない。とはいえ、だだっ広さはやっぱり田舎だなって思うわけで、それでいて生活に必要なものはイオンをはじめ、ほとんどが揃っていて不自由はしない。

それに暇があれば、川に出かけて鯉釣りができ、釣れたらそれを中国料理に調理できてしまう。

鯉をまる一匹調理したものは、中国料理店だと普通に6000円はする。銀座だとその倍はする。それがなんと、自分で釣って、自分で調理してしかもうまいのだから、

「やっぱ最高じゃん、栃木!」

と思いつつも、人間はないものねだりなのです。

ともかく、アタシのスペックは子供の頃から都会人だから、人生初めての田舎暮らしに狼狽えてしまうかもしれない。

大学時代の熊本で田舎だったけれど、それでも市の中心には繁華街があった。

アタシ的には未体験の田舎だから、どうやって生きていけばいいのか正直、まだよくわかってない。

と、田舎、田舎というけれど、そこにはイオンもあるし、ナナナント!ユニクロもあるし、なぜかスターバックスもあり、モスバーガーもマックもあるのだ!

いやいや、東京でさえアタシには縁のないスタバやモスには行かないけどね。

そんな都会スペックのアタシは昨日、栃木の別邸でボールにいっぱいあった落花生の皮むきを1時間以上する羽目に。

落花生の産地であるから、どこかからもらって来たらしく、泥だらけの落花生を剥いて行くのである。

「こんなの仮に時給1000円だとしたら、買ったほうが早いじゃん!」

と思いつつ、家の中でのことだし、中国のド田舎出身の女と向かい合いながら落花生を黙々と剥いていく。

全部剥き切ると、かなりの量のピーナッツになり、それを外に干し、フライパンでサラダ油と塩で弱火で地道に火を通す。これは中国式で、なかなか美味しい。

実はピーナッツがあまり好きでないアタシでさえ、これはまあまあ美味しいと思う。

しかし、とても普段、京友禅を扱っている人間の作業には見えない。

「それにアタシの手は、バイオリン弾くためにあるんですけど」

って思いながら、落花生を剥く。

そうは言っても、愛娘シャンシャンのためにも栃木に越さなければならない。

新しい結美堂は103平方メートルの戸建であり、1階部はフローリングと8畳の和室であり、バイオリン、着物両方の接客に対応できる。2階部分はアタシの仕事場と猫と一緒に寝る場所になる。

スペック都会人のアタシは庭がある家に住むのは初めてなのよね。

新しい結美堂には庭があって、モミジの木など3本の木が立っている。

スペック都会人としては庭なんてどうすればいいのかよくわかんなくて、定期的に草刈りをしなくちゃいけないワケ?

あとはバーベキューとかしか思いつかないけれど、最近は庭でバーベキューをすると肉臭くて近所から苦情が来るとかあるらしい。

さて、そんな戸建てをこれからDIYしなくちゃいけない。

DIYって何?って思って調べたら、Do it yourself の意味らしい。

ともかく、壁にペンキを塗るのは自分でやる。そのための下地塗料やペンキ、パテなどのセレクトもして、近所にあるホームセンターにも下見に行った。

1階と2階の全部屋の壁を塗るので数日はかかる。だから、12月は中旬から平日ずっと栃木でDIYをダッシュでやる。それをしないと荷物を運び入れられないから。

ペンキ塗りってやったことないけど、絵は描けるからまあできるとは思う。それにいまはネットで情報がたくさんあるので、ペンキ塗りのコツなども簡単に知ることができる。

とにかく急に決まった栃木移転で、どうも心が東京のままでアイデンティティが揺れ動く。

住んでしまわないと何も始まらないので取り越し苦労はしてないとはいえ、自分が都会人であるというアイデンティティは少し困惑している。

でもさ。

毎日地下鉄乗って通ったりって、馬鹿らしいなって思うようになった。銀座から今のところに移転して自宅から近くはなったと言っても、その定期代とか時間は無駄だなって思う。

かと言って都心に住みたいかというと、全くそんな気はない。7年間、銀座近くのマンションに住んでみて、その不便さ、環境の悪さを痛感し、都心に住む魅力は感じない。

それに賃料も高く、全然割に合わないよ。馬鹿らしい。バルコニーに布団も干せないのにね。

ネットが進化し、浸透し、東京に住まなくてもいいっていう環境になってきたとは思う。例えば、わたしが銀座の5丁目に最初に店を出した頃は、銀座にあるということがステイタスで、それに導かれてお客さんが来た。でも、Amazonなど通販が主流になると、地名の強さってなくなってきたのよね。

すると、

「まだ東京で消耗してるの?byイケダハヤト」

みたいになってくる。

あとは日本でも有数の繁華街で、高級地である銀座にずっといて、都会的なものは吸収し尽くして、なんとも思わなくなったってことが大きい。

そう考えると、未知のワールドである栃木のほうがアタシにとってはかなり新鮮なワケよ。「すげえ!家に庭がある!」みたいに。

東京は好きだけど、じゃあ、今の自分が東京にこれ以上何を魅力を感じられるかっていうと正直、ないんだな、これが。だから成り行きで栃木になってしまったと言っても、それほど不満がない。

そうは言っても、結美堂に来てくれている生徒さんたちとはつながっていたいから、月に2度か3度は東京に来てレッスンはします。

わたしも東京は離れてもスペック都会人でいたいし、田舎者にはなりたくないから。東京の感覚を忘れたら、栃木でもうまくいかないって思うのよね。だから時々、東京に来る。

そして、情報発信もどんどんやる。しかし、ネタ切れの東京よりアタシにとって新鮮な栃木からのほうがおもしろい発信になるんじゃないかって思っております。

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