結月でございます。
人の性格は変わらない、なんてよく言われるけれど、それは概ね事実だと思う。三つ子の魂百まで。人の性格はなかなか変わらない。
自分の性格も変わらないし、他人の性格も変わらない。
でも、僅かながらとはいえ、自分の性格は変えようと思えば変えられる。
他人の性格を変えようとしてもこれは無理。だから、会社やなんかで自分が嫌だと思う誰かの性格を変えようなんてのはできない。とにかく、他人というのは変えられるものじゃない。
自分の性格であれば、自分が変えようと本気になりさえすればできなくはない。自分というもの頑固であるから変わることを自分が拒否してしまいがちであれど、変えようと思えば、変わろうと思えばどうにかなる。
完璧な人間というはこの世にいないから、誰しも性格的な問題を抱えている。
いや、問題というより整合性のことだろうか。
その「場」において求められるものとは異なる性格を持っている場合。明るく元気よくいなければならない「場」に根暗な性格だと整合できない。逆に根暗で静かであったほうがいい「場」もあり、そんなところで明るく元気が良すぎるのは困る。
であるからして、一概に問題と思われる性格もその「場」に合っているかどうか、向いているかどうかによって問題になるかならないかが決まる。
しかしながら、全般的によろしくない性格の一面があると、ちょっと困る。
何事も悲観的であったり、被害妄想が強くて事実とは異なる疑いを持ったり、そういうのはどこに行っても整合できない。
さて、自分で自分の性格が嫌だと思っている人は多いのではないか。
自分の性格で弱いところは自分が一番よく把握している。
だったら、それを変えることができるのは自分なのであり、実はそんなに難しいことではない。
自分が嫌だと思う自分の性格と真逆のことをやればいいだけなのだから。
根暗で口下手であれば、とにかくなんでもいいから喋ってみればいい。最初はそれが苦痛で苦痛で仕方がないだろうけれど、本気で性格を変えようと思えばできるのである。
そんな苦痛を生み出しているのも他ならぬ自分自身なのだから、それさえ気づけば納得できる。他人からの嫌がらせによる苦痛であれば納得できないが、それが自分のことなら納得できる。
自分が気に入らない性格を持つ自分を他人だと思って、
「こいつ、こいつ」
と、たしなめていく。
そうするうちに小さな成功事例が出てくる。ちょっと頑張って性格を変えてみたことによる小さな成功。それを得られると嬉しいもので、今度はだんだん性格を変えることが楽しくなってくる。
そのステージまで来ればあとは楽で、性格をどんどん変えていこう。
人間というのは、バイアスやドグマにどっぷりとハマっているもので、自分がまともだと思っていても、他人から見ればおかしなことに見えることは多々ある。
バイアスがかかっているほうがおもしろいこともあるが、客観的に見て過ったバイアスは取り除くほうがいい。バイアスだって性格なのであり、性格に染まった染料のようなものである。
それは一度色抜きする。白生地に戻して、もっときれいな色に染め直す。
あとは時代が常に変化していることも忘れてはいけない。
10年前までは好意的に捉えられたものでも、今では時代にそぐわないこともある。
だから、時代に合わせて自分を変えていこう。
自分の性格を変えるのは、言葉を変えるのが手っ取り早い。
東京に長年いながら、生まれ育った故郷の方言やイントネーションが抜けない人がいる。それは悪いことではないが、おそらく故郷への思いが強く、自分のルーツを大事にしたいと思うからだろう。
でも、性格を変えたいのなら、方言を捨ててしまうこともいい。
方言でなくとも自分が使いがちな語彙をやめて、使ったことがない語彙を使うのもいい。そのためには良質な読書で語彙を増やさなければならないが。
あとは髪の色を変えてしまうものいい。
さらにファッション。自分のクローゼットを眺めてみよう。きっとそこには同じような服ばかりがあるに違いない。
人間は自分の方向性がなんとなく決まってしまっていて、服をいくら変えど同じような方向性のものばかり買ってしまう。これも性格が操っている選択である。
だから、こんな服を着たらみんながびっくりするだろうなと思うような路線を試してみる。すると歯石のように固まった自分の性格が剥ぎ落ちる。
とにかく真逆を試していく。
太っていれば、痩せる。これだけで性格は変わる。
運動不足ならジムに通い、運動ばかりしかしたことがなければ小説でも読んでみる。
古典音楽ばかり聴いているなら、現代音楽を聴いてみる。
クラシックばかり聴いているなら、ジャズやハードロックを聴いてみる。
日本語しか話せないなら、ドイツ語を勉強してみる。
引きこもりなら山登りをしてみる。
毎日電車通勤なら、中型バイクの免許を取ってみる。
洋菓子ばかり食べているなら、和菓子も食べてみる。
着物が好きなら、ミニスカをはいてみる。
とどのつまりは、これまでの自分をぶっ壊すことである。そうしないと性格は変わらない。でも、ぶっ壊せば自分なんて変えられる。
変えることが快感になれば、自分の駄目だと思う性格の箇所を改善できる。
「変わったよね」
と言われることが楽しい。
「相変わらず変わらないよね」
というのは変化がない。
とにかく人間なんて完璧でないのだから、駄目だと思う自分の性格は自分でぶっ壊して、新しくしていこう。