結月でございます。
先週、『トップガン マーヴェリック』をまたしても観に行ってしまい、それは4DX。
4DXは椅子が揺れたり、水飛沫が飛んできたりするものであるけれど、字幕でなく吹替しかなかったのは椅子が揺れると字幕が読みにくいからだろうか?
しかし、やっぱり吹替はよろしくなくて、映画はその役者たちがしゃべる言語で、役者たちの声でやるべきなのである。
トム・クルーズが日本語を話している時点で興醒めだし、アメリカンなセリフを日本語で言われるとリアリティがないどころか気恥ずかしいし、要するに、
「ダサっ!」
という印象になる。
日本語吹替で見る映画はテレビで放映したB級映画に限るわけで、古くは「Mr.Boo」とかジャッキー・チェンの映画はむしろ日本語で聞いたほうがB級っぽさが出てくる。それでもMr.Booだって香港語のほうがいいけどね。
そんな吹替問題に合わせて、4DXの演出は『トップガン マーヴェリック』には余計なものだった。
3回目として観に行く動機は昔、愛人にスターウォーズを六本木のMX4Dで連れて行ってもらって、それがすごくよかったから。
わたしは普通のものでもなんでもよかった、というか当時、MX4Dを知らなくて、愛人がそっちでチケットを取ってくれたのである。
基本的に映画はひとりで行く主義だったわたしも人に連れて行ってもらうとそういう新たな発見がある。
と、そんな好印象で『トップガン マーヴェリック』を揺れる椅子で観に行ったが、3Dでないし、戦闘機の超音速の映像では椅子は揺れずにじっとしておいたほうが体感的にリアリティがあり、椅子は揺れないほうが集中できた。要するに気が散ってしまうのである。
というわけで、4DXのせいで映画の感動が半減してしまい、4回目として普通の字幕版で見直そうと思う。
今回はわざわざ4DXのために那須塩原の映画館まで片道クルマで1時間40分かけて行ったのである。
いつも行く宇都宮の映画館でも4DXがあるが、保育園のお迎えの時間に合わなくて、要は愛娘が保育園に行っている間に観られるとなると時間的に那須塩原しかなかった。
そこまでして観に行ったがちょっとがっかりで、時間と金を無駄にしたな…という最もわたしが嫌う無駄を出してしまった。
しかし、4DXが那須塩原のようなド田舎にあるのが驚きで、こんな田舎でこんなイケた映画を観る人なんているのだろうか?と思ったら、前日の予約画面ではわたしを含めてたった2名だったのが、当日はそこそこ入っていた。
なるほど、田舎だからこそいいんだ。だって娯楽が他にないもん。
と、気づくわけである。
3回目を観に行く話を5歳児にしたら、
「また〜」
なんて大人の女のように対応されてしまったが、昨日は、
「飛行機の映画観たい〜」
とせがまれ、ちょっと悩む。
5歳児が観たってわからない内容だろうし、映画館でグジュグジュされるのも困るし、でも連れて行ってやってもいいとも思うし、そもそもわたしが4回目も観たいし。
しかし、家でDVDを観るときは字幕でなく日本語吹替を要望する5歳児であるが、もしトップガンに連れて行くとしてもここだけは絶対に譲れない。吹替不可。字幕が嫌なら連れて行かないよ。
さて、4度目も観るとして、さすがにこれだけ観るとDVDが発売されても買わない。あの映画は劇場でないと凄みは出ないわけだから、DVDなんかで観る価値がない。スマホだとなおさら。
と、宇都宮のボロい映画館は名画座状態であって、今、ジャン=リュック・ゴダールの『気狂いピエロ』を上映している。
この映画は昔、パリの劇場で観たけれど、久しぶりに観たいなとも思う。今更観るほどでない古典とはいえ、ゴダールだからね。
ベルモンドがラストでダイナマイトを顔に巻き付けて爆発する。その様子はサッとロングに切り替わって地中海に立つ煙になる。そして、アルチュール・ランボーの詩。
それもスマホなんかでは観られない映画で、ダイナマイトの爆発はスクリーンで観なきゃならないものなのである。