結月でございます。
緊急事態宣言が解除されて五日目。感染者数も手堅く減少し、同時にワクチン接種率は上昇し、マスコミもネタにならないのか、コロナは話題は少なくなった。
マロオケ・レクイエム公演を立ち上げてからはずっと公演そのものが開催できるかという心配をしていて、ワクチン接種率を毎日確認し、科学的なデータを見たりしながら、この調子だと11月22日はおそらく大丈夫という予測を立てつつ、でもやはり心配ばかりしていた。
ようやく収束が見えてきて、開催については心配がほとんどなくなると、今度はチケットの売れ行きのことが心配になってくる。
いや、売れ行きはいつでも心配であり、さすがに8月のデルタ株の爆発的な時期はまるで公演がシカトされたかのようにチケットが売れなかった。わたしはプレイガイドのシステムが不具合を起こしてちゃんと動いていないんじゃないかと疑い、購入手続きの入力をしてみたがちゃんと動いていた。要するにプレイガイドへのアクセスが皆無に近い8月だった。
9月に入ってやや動きを見せるも、鈍い。ものすごく鈍い。
こんな時期でも早々に申し込んでくれる方はやはり公演への期待が大きいため、SS席は買ってもらえる。しかし、それ以上はなかなか広まらない。
どこの公演も客入りが悪いという話は耳にはしていたけれど、コロナで自粛が身にしみてしまったのか、緊急事態宣言が解除されてもまだ早々にコンサートに行こうという気持ちにならないのか、音楽にお客さんは戻ってきていないようである。
わたしもこれまでコンサートを企画してきた中、これほど反応が鈍いことはなかったわけで、コロナ禍というのは人々の心に多大な影響を与えてしまっているのだと痛感する。
この公演を多くの人に知ってもらおうと告知はかなりしていても、売れないのである。広告予算も残り一つの媒体に来月出せば底をつくところまで来て、そこまでしても動きが鈍い。
音楽は聴いてもらってナンボ。わたしはいつもそう思っている。聴いてもらわないと音楽は成立しない。
たくさんの人が聴いてくれることにより、演奏者の魂と観客席に座る人々との魂が核融合を起こし、奇跡的な演奏になる。
両方が揃うことが最高の音楽を創る条件なのである。
2016年にサントリーホールでやったマロオケ東京初公演はほぼ満席となり、奇跡的な演奏になった。
今回はそんなマロオケに声楽の4人のソリストが加わり、さらに合唱の実力としてはナンバーワンだと言っていい東京オペラシンガーズも共演するというスケール。
ところがコロナは手強い。社会を疲弊させてしまったのだろう、これだけの奏者が揃った公演でも売れ行きが鈍いのである。東京初公演のとき以上の広告予算を使っているというのに。
コロナが落ち着きを見せ始め、公演開催については心配がなくなってきたのだから、なんとか多くの人に来ていただいて、音楽を奏者と観客で共に創り上げたい。
しかし、東京初公演のときのようにプロデューサーとしてのわたしの自力だけではどうも太刀打ちできないらしい。そんなことを実感し始めた。
でもまだ2ヶ月近くある。諦めてはいけない。この公演のために集まってくれたメンバー、そしてソリスト、さらに合唱団、そして何よりもすでにチケットを買って楽しみにしてくださっている方のためにも演奏者の魂と観客席の人々の魂が核融合するような場にしなければならない。そのためにはもっと客席が埋まらないといけない。
広告は出してもまだこの公演のことを知らない人たちが大勢いるはずである。かく言うわたしも好きな奏者が来日していることも知らずにいたことが多々ある。
日常生活の中ではよほど専門情報をチェックしていなければ公演の存在は気づかないものだ。
知らない人に公演の情報が浸透すること。そして、来てもらうこと。
コロナ禍ではプロデューサーのわたしが奮闘するだけでは力不足で、この公演を音楽的な感動爆発を起こすためにはこの公演の存在を知っている人にお願いするしかない。
友達でも家族でも知り合いでもとにかくマロオケ・レクイエム公演に誘っていただいて、それこそ草の根運動で広げていく。そんな協力をお願いするしかない。
わたしたちはずっとコロナで精神は不安定になったし、我慢を強いられたし、生命の危機も感じ、もしかして自分も死んでしまうのではないかという恐怖を共有してきた。そして実際に多くの人も感染によって亡くなった。
だからこそ、レクイエムをやらなければならない。そう思ったのがこの企画の発端だった。
チケットをすでに買ってくれた方、まだ買ってはいないけれど興味を持ってくださっている方、この公演の告知、そしてお誘いに協力してもらえないだろうか。
知り合い一人でもいい。その一人が積み重なれば大きなエネルギーになって、当日の公演に奇跡が起こるはずだから。
コロナ禍だからって、緊急事態宣言が長く続いたからといって、その苦境にわたしは屈服しない。もしわたしが屈服してしまったら、演奏者たちも、チケットを買ってくださった方が報われない。
まだやれることがあるはず。そう思って、草の根運動でこの公演を盛り上げられないだろうか。わたしもまだ他に手段がないか模索する。コロナなんかにこの芸術が負けるわけにはいかない。
コロナの感染者が激増しているときであればこんなお願いはできないけれど、幸い、コロナはいい方向に進んでいる。11月22日はおそらく心配はないというところまで来た。
もしこんなことを協力できるという提案、さらにはチラシの配布先があるなどあれば、マロオケ窓口までご連絡ください。info(at)maro-oke.tokyo *(at)は@に置き換えてください。
連絡を頂かなくとも、この公演のことをご家族やお友達、職場で話題にしていただくだけでもとても助かります。