結月でございます。
6月になりまた本格的に暑くなってきた。そんなことを思っていると、4月に日光へ行った春のキモノ会からすでに2ヶ月が経過していることに気づく。
東京でレッスンをしていても、生徒さんたちと、
「あれ、もう今年も半分に差しかかった?」
なんて話もしている。
とにかく、時間とはこんなにスピーディーに進むものかと思うわけで、だって袷衣だった着物が絽の夏物の季節になっているのだから。
さて、夏のキモノ会として、どこに行こうかと話してはいてもまだ決まっていない。
夏の着物を持っているひとはすごくレアなので、むしろ夏着物を持っているということは着物を愛しているという証でもあり、着物への根性もあるってことかな。
夏は暑いけど、夏着物があると一年の大半を着物を着るチャンスを得るのだから、いいことがある確率も高いよ。
と、夏のキモノ会と言っても8月の末か9月を考えてる。その頃は秋めいて来ても現実的には真夏の気温は変わらないから。
でも、日差しは若干緩やかになることが期待でき、ガチな盛夏は外してチョイ秋を狙おうと思う。
宿泊となると、ホテルの確保があるから早めに決めておかないといけない。それに夏らしいこともやりたいよね。
どこかの高原で着物姿で冷えた生ビールを飲みまくるとか?
いやいや、それって着物じゃなくていいじゃん!という内容だけど、泊りがけのキモノ会は着物を着る喜びはもちろんのこと、みんなで騒ぐっていう醍醐味があるから、着物オンリーにこだわらなくてもいいとも言える。
なにはともあれ、着物の袖には腕を通してほしい。
しかし、着物で高原ってさ、まるで堀辰雄の小説『風立ちぬ』っぽくない? そういう昭和初期的な病弱ロマンスを味わってみる?
う〜ん、でもうちに来てくれているひとは、結核病みみたいな薄幸な美しさという感じのはいないなぁ。いや、いなくていいんだけど。少なくとも結美堂女子会を見れば、そう簡単に死にそうなのはいない。
でもさ、病弱ロマンスって、やっぱフィクションだけにしてほしい。不健康って、フィクションにすれば美的なところがあるんだけど、現実となると暗くて、将来なくて、望みがなくて、やりきれないもんね。
というわけで、夏のキモノ会は生命力が溢れて、破廉恥もオッケーな明るさに満ちたものにしよう。
希少価値の高い夏の着物着るんだから、エレガント、かつ楽しいのがいい。
とは言っても、堀辰雄の『風立ちぬ』は名作中の名作だと思うよ。ああいうメンタリティーって今はないものだから、余計にその美しさが際立つんだよね。