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栃木に行くはいいけれど…

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結月でございます。

年末に栃木に移転することになり、だから来年からは完全に栃木ライフになるわたし。

栃木は都道府県魅力度ランキングで下から3番目という、全国からほぼ相手にされてない状態とはいえ、栃木は住みやすいし、自然も豊かだし、いいところだとわたしは思うんですよね。

ちゃんと住んでみないとわからないけれど、印象としては栃木は地元のナショナリズムが薄い。地元のことをうるさく言うようなところがなくて、地元の人が地元にあまり関心がないって感じがして、だから魅力度ランキングも低いのかもしれない。

しかし、これは大変いいことなのだとわたしは思う。

出身地である京都は、京都ナショナリズムがあるし、プライドも高い。高校は大阪に行ったら、これまた大阪人は「大阪、大阪」とうるさく、何でも大阪を価値基準に置きたがる。大学で熊本に行ったら、恐るべきほどに閉鎖的、かつ排他的で自由人のわたしにはとても住みにくかった。

やっぱり東京がよく、東京はそういうナショナリズムは全然ないからね。自由だし、楽だし、とてもすみやすい。

都会的な気軽さではなく、栃木は田舎だけどうるさくなくて、ボーッとしているって感じがいい。

愛する「とちテレ」を見ると、ここは桃源郷なのではないかと思うことがある。米中が貿易戦争をしていても、カルロス・ゴーンが逮捕されてもとちテレをつけると素人のど自慢の歌番組で農家の婆さんが歌を歌っていたり、那須塩原のゴルフ場で、

「ナイショッ!」

と言いながらゴルフレッスンをするのどかな番組がやられていて、まるで浮世離れしている。

というわけで、栃木のことは大好きなのだけど、急に決まった移転で、

「さて、栃木でわたしはどんな風に仕事をすればいいの?」

と、考えている。

今までずっと東京でやってきて、少しずつ積み重ねた末にいろんな人脈やお客さんができたのが、栃木に行くことでそれらがリセットされ、また起業したときのようにゼロからスタートだなっていうところです。

また東京とは環境が違うし、だから東京と同じやり方では駄目だろうし、とはいってもまだ栃木のことをあまり知らない。

まあ、こればかりは住んでみないとわからないから、今から悩んだところで答えは出ず、取り越し苦労でしかないので住んでみてからだなとは思ってる。

あとはわたしが都会っ子ってことがあって、田舎システムがようわからん。

栃木といえばイチゴが有名だけど、栃木のものを東京に売るっていうのはつまらないし、ビジネス的に絶対に成功しない。

栃木は言ってしまえば、ダサいのが魅力だと思っていて、そのダサさが東京に受けると思う。そういうプロデュースをして、東京から栃木に来てもらえるようなイベントなどをやるとおもしろいかなって漠然と考えている。

わたしには「とちテレ」にレギュラー出演するという夢がある。ゲスト出演じゃないよ。レギュラーだよ。

そのためには栃木に貢献しないといけない。わたしが栃木で、栃木に何ができるかなって移転が決まってからずっと考えてます。

なんて言いながらも、やっぱり東京を離れるのが寂しくて、月に2度は出張でレッスンに来ようとは思いつつ、なんか寂しい。

本当に急に決まった移転だから、まだ心がついていってないって感じで。

でも、愛娘シャンシャンの可愛さと東京と天秤にかけたら、シャンシャンのほうが断然重いわけで、しかし、シャンシャンのあの可愛さって何なんだろう?

栃木に住んだらシャンシャンの顔を毎日見れるから、東京を離れる寂しさはなくなってしまうかもしれない。

というわけで、毎日保育園に送迎しつつ仕事をするわけで、都会にあって田舎にないもので、ニーズがあるものを考えなくちゃ。

情操教育のために子供のためのバイオリン教室はやっていいかななんて思ってる。今まで子供は苦手で、だから大人にしか教えてこなかったけれど、シャンシャンが生まれたおかげで今なら子供にも教えられる体質に変わった。

あとは前から栃木のどこかでコンサートはやりたいとは思ってる。東京とは違うやり方で、フェスティバル的な感じかな。

集客は東京での常套手段は通用しないから、フェスティバル的に地元のいろんなところとタイアップして地固めして進めていかないと成功しないだろうね。

地方のメリットって、コンサートホールの使用料が恐ろしく安いこと。東京と比べたら、笑えるほど安いから。というか、東京が高すぎ。クラシック音楽の客なんてそんなにたくさんいないのにホール使用料が高すぎるのが大問題。まあ、不動産業だね。ホール使用料と広告費、そしてギャラを考えたらチケットを高くしないと採算が合わないけど、高くすると客が来ないからみんな安くしてる。そもそも計算が合ってないのがコンサート。飲食店と同じかな、賃料と原材料が上がっているのに値上げできないみたいな。

同時に地方のホールって箱物行政で客もいないのに作ったものが多いから、維持費を考えたらすごい赤字。箱だけ作って、アーティストは地元で育ててないし、プロデュースする人もいないしね。何とかなんないのかなって思うけど、何とかしようと思ってる人がいないからどうにもならない。

なんて考えつつ、それも今は東京にいるからシャープにいられるのかもしれない。栃木の牧歌的雰囲気で過ごすと、自分にシャープさがなくなるんじゃないかって気がしてちょっと心配している。

そういうわけで、東京には月に何度か来れるようにしておかないとね。

 

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