結月でございます。
目は昔からずっとよかった、なんて言っているようじゃもうおしまいで、去年くらいだったか目が見えなくなってきた。
それは近いものが特に見えないのであり、文庫本を寝転がって読むとそれを遠くにしないといけないのである。
あとは例えばカツ丼を食べたとして、口に運ぶ際、そのカツ丼にフォーカスが合わなくて味覚が落ちる。味覚とは舌の上だけでなく、視覚も大事であって食べるものが鮮明に見えないとちょっとおいしくなくなる。
ともかく近くが見えないものだから、昨年、近距離用のメガネを買って本は読めるようになったが、今度はそれだと膝の上に乗せるMacBook Airのモニターの字が見えない。かと言って、メガネを外すとモニターも、ちょっとピンボケ(byロバート・キャパ)になりどうにもこうにもやりにくいったらない。
すると今度は遠距離も気になり出して、日中のクルマの運転はいいものの、夜になると見えづらい。夜に雨が降るとちょっと危ないかなと思う。
というわけで、今度は遠距離用メガネを買い、クルマに置いてある。
しかし、近距離とひとつで済ませられると楽だと思い、遠近両用も作ったが、これは近距離は視線を下に見下げないと見えないから使い勝手が悪い。だからこれはサブカーの運転に使うようにした。
月に2度、東京でバイオリンレッスンをするが、今度は譜面が見えない。四分音符は読めるが、16分音符になると困難になり、32分音符はほぼボケてしまい、思わず顔を譜面に近づけるも近いものは余計に見えない。
近距離メガネだと譜面の距離がちょっと足りなくて駄目。もちろん遠距離、遠近両用もピンボケ。
一番見えないのは近距離であるけれど、ちょっとした中距離も小さいものは怪しい。
というわけで、今日は雨の中、保育園が終わった5歳の愛娘についてきてもらって、行きつけのショッピングモールにあるメガネ屋さんに行く。前回、前々回もここで買っている。
店員にいろいろ相談し、あれやこれやと試す。しかし、そんな時に限って、今日は目の調子が絶好調でメガネをしなくてもよく見えてしまう。そのせいでテスト用のメガネをかけても外してもあまり変わらない。
ともかく欲しいのは文庫本が読めて、膝の上のMacBook Airのモニターが見えること。近距離を含みつつ、中距離も鮮明であるメガネである。
スマホでKindleを試しに読んでみたり、様々な距離を試し、このゾーンならという度に落ち着き、
「じゃあ、これで」
と、決める。
しかし、今はメガネが実に安い。昔は何万円もしたような気がする。
フレームの値段がレンズ込みのものであり、8800円税込であった。
プラスチックレンズであるから軟弱であるが、軽い。フレームも軽く、メガネをかけるというより、メガネを乗せるといった質感。
しかもレンズに在庫があるから、フレームを決めて15分ほどで仕上がる。この時間の短さも昔と比べて驚くのである。
ショッピングモールにある書店を5歳児と一緒にふらふらしているうちにもうメガネができあがっていた。
さて、4個目となった今日のメガネをかけてみると、手元の文庫本も読めるし、MacBook Airも大丈夫だった。あとはレッスンのときに試してみて、楽譜が見えれば申し分ない。しかし、譜面台の距離がちょっと微妙なところで、わずかに足りない気もする。
というわけで、近距離用が使わなくてもよさそうであるが、比べてみると近距離用はさらに近づいてもよく見えるから細かい作業をするときは使うであろう。
と、新調したメガネでスタニスワフ・レムの小説を読む。
今年はレムの小説をたくさん読もうとたくさん仕入れたのであるが、今年が始まって早々、新しいプロジェクトを始めることになったから読むペースが落ちていた。
この調子だと年内はレムの本を全部読むのは無理そうである。
しかし、今日のメガネは近距離専用に比べ、かけていても中距離がボケないから汎用性が高く使いやすい。
そうなると本を読む速度も上がってきそう。
人間のやる気は物理的なコンディションに関わることが多く、ちょっとした障害を取り除くだけで物事は進んだりする。
悩むより買うほうが解決は早い。