結月でございます。
今日は昭和の雰囲気が色濃く残る宇都宮・オリオン通りを歩き、その近くにある二荒山神社でお参り。それからそのそばにあるドンキをふらつく。
そのビルはドンキより上の4階以上は行ったことがなかったが、書店があることを知る。なんせ、昭和なビルだから古い。蛍光灯は薄暗いし、寂れた空気が漂う。
しかし、この書店。驚くことに品揃えがよく、芸術、人文、歴史などなど専門書もそこそこにあり、文庫本もかなり揃っている。もちろん池袋のジュンク堂とまではいかないが、なかなかに品揃えが力強いのである。
芸術、人文コーナーを眺めていると、いい本がたくさんある。ちょっと懐かしい。昔のわたしだったらときめいていた。でも今はそういうインプットは大体やってしまったから興味はないけれど。
こんないい書店だからもうちょっと照明を明るくすればいいのにちょっと暗い。書店は明るくないとどんな本か中が見えないからね。
と、本は基本キンドルなわたしは何も買わなかった。しかし、さらに上の階もその書店で漫画コーナーだった。
それだけでなく、中古のゲームやアニメ関係がこれまた充実していて、アニメイトの中古店のようである。
中を眺めていると、
「綾波レイちゃんだ!」
と、エヴァンゲリオン が好きなのではなく、綾波レイちゃんが好きなわたしは大興奮してしまった。
エヴァンゲリオンは昔のアニメだから今は新品のグッズがあんまりない。しかし、そこにはレイちゃんのバッジやフィギュアなどが陳列されている。
「レイちゃん、カ・ワ・イ・イ」
まずはざっと見て綾波レイちゃんのフィギュアは欲しいタイプが3つあった。それからバッジも2個欲しい。さらになんかプラスチックの立てるやつ。
ここはじっくりと見たいところだが、スマホを見ると時間がない。あと5分で戻らなければならない。
ダッシュで選んで、とりあえず買ってしまおう。
と思いつつ、
「ヤベ!」
と、躊躇したのは、ちょうどわたしは綾波レイちゃんが背中に刺繍されたフライトジャケットを着ていたからで、この服を着てレイちゃんのグッズを買うのにレジに並んでいたら、わたしが猛烈にレイちゃんのことが好きってことが周囲にバレてしまう。
仕方がない。今回は見送り、来週も来るからその時によく見ようと思うも、アタシのレイちゃんが他の誰かに買われてしまうという懸念。よし、こうなったら、アタシが好きなグッズはできるだけ奥に入れて見えにくくしておこう。
値段は中古だからそんなに高くはない。フィギュアっとかは1500円くらいかな。でもフィギュアの出来ってそれぞれで、綾波レイちゃんとは似てるけど似てないみたいなビミョーな仕上がりのものもある。
あとバッジだけど、あんなもん、どこにつけようか… バッジなんか女子高生がバッグにつけてるって感じがする。
いつも使っているmiumiuのバッグは革製だし、そもそもつける場所がない。となれば、やっぱ服?
いやいや、服に綾波レイちゃんのバッジがついているのはどう見てもおかしい。要するに不自然でしかない。どうせやるなら痛車くらいはやらないとおかしい。中途半端はよくないのである。
そういえば、昨年、綾波レイちゃんがプリントされたTシャツを2枚、あとは羽織るみたいなシャツを買ったんだった。まだ着てない。今年の夏用なのである。
あとは昨年の夏に着た三日月の上に超絶カワイイ綾波レイちゃんが座ったTシャツがある。それらにならバッジをつけてもいいかもしんない。いや、でもバッジの針で穴を開けたくない。
とにかく、来週は神社に行く前にここに来よう。そして大好きなレイちゃんをゲットする。推定、万はいく?
しかし、土曜だから平日よりは人通りが多かったと言える宇都宮のオリオン通り。でも、昭和のまま寂れていく雰囲気は相変わらず。
張り紙をして閉店してしまっていたのは「宮カフェ」という店で、ここは宇都宮のアンテナショップで地元では一応有名だったらしい。張り紙にはコロナの影響でと書かれていたが、コロナ以前からこの昭和なオリオン通りの廃れようを見れば駄目だったでしょう。わたしがここに来たのは最近だけど、コロナ以前からこの界隈が荒んでいるのは見てわかる。ずっと営業不振だったのがコロナがちょっと後押しして決心させただけ。
と、またしてもオリオン通りはシャッター街に近づいていくのであった。
しかし、宇都宮中心の活気のなさは衰退することが心地よくなるセピア調のヤバさがある。なんとなく血を少しずつ抜き取られていくような気分。
思うんだけど、栃木の人って栃木をどうにかしようって気が希薄なんだと思うよ。きっとそういう土地柄。
まあ、だからこそ、アタシみたいなよそ者でも過ごしやすいんだけど。
でも、一応セントラルである場所があれじゃ、ちょっとまずいね。東武宇都宮駅のすぐそばだし、JR宇都宮駅だって遠くに見えて歩いて行けるのにさ。このままじゃ、宇都宮東武百貨店が閉店とわたしは予測。
ここからはエキサイティングなビジネスは生まれない。でもまあ、東京には近いからアタシみたいにリモートだと住みやすいよ。生活コストは東京より格段に安いしね。
しかし思えば、廃れているから今でも綾波レイちゃんが売ってるってことかもしれない。もしかして時代が止まってる?
と、わたしがエヴァンゲリオンを初めて見たのは去年であるから、アタシのエヴァ歴は浅い。
エヴァが放映されていた頃は、愚かにもわたしはクラシック音楽にハマっていた。今思えば、そんな渋すぎる趣味に行くより、リアルタイムに綾波レイちゃんを見ておけばよかった。そして、今頃になってレイちゃんに熱を上げているというアホっぷり。
過去にハマったクラシック音楽はいつしか仕事になり、もはや音楽のことは好きという情念はなくなり、音楽を使って社会に関わることのほうにおもしろさを感じている。
音楽はほぼ聴き飽きてしまい、今はCDをかけることもない。頭の中にあるアーカイブで十分で、それをもとに自分ができる音楽を作り上げたい。だから過去の他人の演奏なんて興味がなくなってしまった。それは書店の人文・芸術コーナーで懐かしさだけを感じて買いたい本がない状況に似ている。今更そんなことしても仕方がないから。
今までやってきたことがほとんど客観的なものになったから、主観的に好きって言える綾波レイちゃんが心地いいのかもしれないよね。