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小説はKindleで。

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結月でございます。

この1週間ほどで、芥川賞など中心に小説本を10冊ちょっと読んでいる。理由はあるようでないし、ないようであるのだけれど、それは全部、スマホのKindle。

とにかく紙の本はどんどん増えて場所を取ってしまう。どうせ2度目は読まない本が大半だし、ものすごく感動してこれはいつかもう一度読むだろうなと思った本もまだ2度目は読んでいなかったりする。

だから、電子化されているものはできるだけ電子書籍で読むようになって久しく、電子化されていないニッチなものは仕方なしに紙の本で読む。

例えば、マヌエル・プイグの伝説的な作品『蜘蛛女のキス』は新刊ではなかったので、古本で買ったら箱付きハードカバーの立派な本が届いた。

ルックスは知的でいいけれど、ハードカバーは重いし、硬いしで、とても読みにくい。ああいうのは蔵書趣味を満たす作りであって、読むことだけ考えれば紙だと文庫が一番いい。

電子書籍は昔、レノボのパソコンを買ったらサービスでくれた楽天koboを使っていた。でも、スマホをiPhoneXS Max にしたらこちらのほうが軽くてしっくりくるのでこちらにしている。

普段、スマホを手にしているものだからしっくりくるのは当たり前だし、XS Max のサイズがあれば、字の大きさはほぼ文庫本と同じくらい。

またバックライトで自在に明るさを変えられるので、寝室でも読める。

楽天koboもきっと最新のモデルは明るさを変えられようが、わたしの旧式はそれができず、暗がりでは読めない。

さて、スマホでKindleがいいのは、ページをめくるのも指で触れるだけでいいところで、リアルなページをめくりながら、それが次第に右側に溜まってきて重さのバランスが悪くなる紙の本よりもずっと読みやすい。

ともかく、3歳の愛娘が隣で寝ている布団に寝転がって読むには、バックライトがほどいいスマホのKindleが実にいいのである。

紙の本は部屋の場所を取って仕方がないが、引越しのたびにかなり処分してこれでも随分減った。

全部処分しないのは、小さな愛娘への見せつけであり、ズシリと重い本棚の重圧を見せておくと、知的な圧力をかけることができ、愛娘が中学生になってもナメられないと思うからである。

文化的な知力はハッタリをかますには一番で、ハッキリ言って本をたくさん読んだからといって偉くもなんともない。けれど、世の中ではこのハッタリが効く。

ドストエフスキーを読んだところでそれを明確に語ることなんてできないし、要は、

「なんだかすごいことくらいしかわからん」

が正直なところなのに、ドストエフスキーを読んでいるだけでちょっと偉そうに見える。

さらに何の脈絡もないのに、

「どちらかと言うと、チェーホフのほうが好きかな」

なんて言ってみても、何だか偉そうに見える。

ドストエフスキーとチェーホフなんてロシア文学というくらいしか共通点はないのにハッタリが効いてしまうのである。

とにかく、本なんてたくさん読んだところで賢くなるわけでない。本なんか読んでなくても頭のいい人はたくさんいる。

とはいえ、ハッタリが効くものだから、お気に入りの本を並べた書棚だけは残し、来たる愛娘の反抗期に備えているというわけ。

それがなければ、こんな邪魔なものは全部捨ててしまいたい。そうすると部屋が広くなって気持ちがいい。

と、この1週間で増えた十数冊の本もスマホの中のデータということで、リアルに並べることはできない。

だから、愛娘にはスマホを眺めている時でも、

「今、本を読んでいるんだよ」

と告げることにしていて、他人が多目的トイレで気持ちいいことしたとか、そんな情報を眺めているわけでないことは強調する。

あとは文庫本以上に重くて読みづらいハードカバー『蜘蛛女のキス』などは3歳児から見てもちょっとすごそうなインパクトを与えられるらしく、布団に寝転がってこれを読むと、3歳児も黙って絵本を取り出し、わたしと並んで静かに本を読み始める。

さらに3歳児が「あそぼ!」と絡んでくる時に『蜘蛛女のキス』を開き、

「ちょっと本読みたいんだけど」

と言うと、大人しくなる。そして、また絵本を自分で開くから育児疲れのときにはハードカバーの本がいいのである。

しかし、内容的には『蜘蛛女のキス』は健全なのかよ?と思いつつ、優れた文学作品であればあるほど健全からは遠ざかっていくわけで、そんな不健全な読書ばかりしているとアタシみたいになるわけよ。

さて、『蜘蛛女のキス』と比べてはいないけれど、十数冊の近年の小説を読んでみたとはいえ、グッとくるものは今のところ、ひとつもない。

いやいや、よく書けてるなっていうのはわかるんだよ。でも、グッとくるまではいかない。

1冊あたり3作品くらい入っているから、数にすると結構な数を読んでる。でも、内容を明確に憶えているものがないんだよなぁ。

絲山秋子の『勤労感謝の日』はしょーもない内容なのにちょっと笑えてしまって、まあ、それくらいかなぁ。

でもKindleはいいね。ポイントがつくものとか、それを使って連続で買うと、結果的に無料になってたりする。

本を読むならKindle。

本を飾るなら紙の本。

よくテレビのコメンテーターの大学教授なんかが、その研究室からリモート出演をやってるけど、あれ、超絶いやらしいよね!

だって、その背後が書棚で、嫌味なくらいたくさん本を並べた風景をバックにしてカッコつける。

それを逆手にとっているのはユーチューバーのメンタリストDaigoさんだけど、あれは書棚の本を虎の威を借る狐にしつつ、カメラアングルを自分をより高い位置に置いて、視聴者が上からの視線で眺めるように狙ってる。

自分を下にすることで、偉そうに見えないようにしつつ、たくさんの本はバックに見せるという手法だよ、あれ。

まあしかし、本がぎっしりの書棚をバックにする学者とか、いやらしいから付き合いたくないよ。

それにさ、自分の書棚を見せるって、本来は恥ずかしい行為だから。

だって、書棚を見られたら、どんな人間かバレるしさ。

わたしは自分の読んできた本が並んだ書棚なんて見せたくない。だから、愛娘への威嚇行為という目的を果たしたら全部捨てるつもり。

でもさ、学者の奴らって、あれだけ本を並べてても、そのほとんどが献本とか貰い物で、全部読んでないからさ。読んでないくせにリモート出演では見せつける。そこがいやらしい。蔵書趣味って悪趣味なんだよ。

そういう意味でも電子書籍ってスマートでいいなって思うんだよね。

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