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いつの間にかできるようになってること。

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結月です。

一昨日、こんな本を買って今日読み終わった。

わたしは将来、ジェネケオ・クリニックを設立することを思い描いていて、クリニックはどうすれば開業できるのか興味があったから読んでみた。

ちなみに「病院」と「クリニック」(診療所)は異なるもので、入院の病床のあるなしで区分が違うらしい。そんなことも数日前に知った。であるからして、考えているのはクリニックである。

あまりにも知らないジャンルであったから、この本の前半はとても参考になった。しかしながら後半に行くにつれて、それは今まで銀座に店を出したりしてきて経験済みのことだったりしたので既知の内容だった。

とはいえ、開業を考える医者向けの本だからそうした実務も医者はまったく知らないだろうからこういう構成になっている。

今はこんなわかりやすい本が出ているから開業はしやすい。わたしが銀座に開業したときはネットもまだ普及し始めた頃で、光回線はなくダイヤル回線か、やっとADSLが出てきた頃だった。

だから情報収集も今のように手軽でなかったから、いきなり体験の行き当たりばったりで進みながらであった。

ただ20年前は今ほど細かくうるさくない時代だったから、ルーズでもまかり通るところはあった。

ともかく、いろんな経験をしてきていつしか開業の知識は身についていて、要するに慣れている。20年前の右も左もわからなかった感覚はない。業種は医療でまるでド素人とはいえ、構造的にはそれほど変わらない。でも医療のことは知らないから、やりながら覚えていくものだと当たり前に思っている。

思えばコンサートの開催だって何も知らない状態から始めていた。知らないものだから必要な手続きをしっかりとしていなくて焦ってヒヤヒヤしたこともあったけれど、そうやって物事を覚えていった。あとは業界に詳しい人に教えてもらったりしてわかるようになった。

知らないこと、わからないことはすぐ訊くようにしている。

知ったかぶりしてあとでトラブルになるのも嫌だし、知らないことを教えてもらっても教えてくれる人から馬鹿にされることなんかないし、むしろ好意的に教えてもらえる。

知らないこと、やったことないことに関わると、そのジャンルでは普通のことでもとても新鮮に感じられる。それが楽しいのである。

だからクリニック開業のノウハウの話を聞いたり、本を読んだりすると楽しいわけで、それがわかると病院の事情も理解できる。

そして部外者であるがためにその業界の問題点もよく見えるし、同時に業界にありがちなつまんない不文律に従う気も起きないから斬新でいられる。

そうするといつまでも若くいられるので、ある程度マスターしたジャンルからは離れて、新しいことをやるように今まで生きてきた。

それは単に飽きっぽいともいえるが、今、医療やクリニックのことを調べているのは昔、いきなり着物を仕事にしようと思い立った頃と感覚が同じなのである。

でも、着物に関しては降って湧いたような閃きで、「どうして?」と訊かれても「やりたいから」とか「美しいから」といった漠然、かつ抽象的な答えしかできなかったけれど、今は公演を通して演奏者と観客を健康で長生きさせると具体的に答えられる。

ジェネオケ・クリニックがもしできれば、プロ演奏者のヘルスケアを担って、生活習慣から発症する病気を未然に叩き潰す。

それだけでなく、ジェネオケ公演に来てくれるお客さんも受け入れ、病気を予防し、末長く音楽を楽しんでいただく。

また一般患者にもPRし、病気にならないこと、病気を進行さえないライフスタイルでコンサートを楽しめるように、つまり「生きてることに、歓喜しよう」という生き方を広める。

生き方を具体的に提案できるのも「ならでは」で、普通の病院では病気だけしか診てもらえない。だから病院はつまらなくて、行く気になれないのだ。

だから、ジェネオケ・クリニックは生きてることが楽しくて「来たく」なる場所にする。

とまあ、そんなことを考えていて、でもクリニックを設立するとなるとものすごく金が必要であるから、ちょっと長いヴィジョンである。でも設立したいと思っていて、実現できるように今のうちからいろいろ調べている。そうすればその道筋が見えてくるからで、闇雲でなくなる。

そんなアイデアも実はクラシック音楽業界に将来性を感じていないからであって、音楽だけをお客さんに当てるのはもう無理でしょ。時代的ももう無理。そういう発想は20世紀まで。

なのに業界はいまだに20世紀の感覚でいるように見える。

でも、今思うのは、コンサートホールが貧乏臭くなったよねってこと。そして年寄りばかりになったよねってこと。

それはすなわち、今の日本の姿なのである。

だから20世紀型の運営はもう無理。スポンサーとか、そういう感覚も古い。だってスポンサーだって金がないし、あったとしてもクラシックに金出しても見返りはないし、宣伝効果もなし。

それがよくわかるのは、もし自分が何かのコンサートに協賛してくれと話が来ても、

「いやいやいやいやいやー」

と、そう感じるに違いなく、

「効果ないでしょ!」

と、一蹴する。

雑誌やテレビコマーシャルだって今は広告出しても効果はない。それなのにコンサートのポスターに会社名が書かれるだけとか、プログラムに広告掲載枠があるとか、それ、20世紀の話だから。

それにコンサートなんて公演回数が多すぎて、そこまでたくさん付き合ってられない。

昔は協賛すれば費用対効果はないけど、イメージアップのためという幻想があった。今はそういうのは無駄だし、意味ないって認識されている。

ともかく古臭い発想のままの団体はオーケストラだけでなく、企業だって、学校だって、家族だって衰退して行くよ。時代にそぐわないものは無理が通らないから。

でも、人が混ざり合わない、代謝の悪い集団は閉鎖的になって廃れる。

なぜなら、新しい発想が取り込まれないから。

病院なんてその典型じゃないかな。あと、学校。さらに役所。

なので、何も知らない状態から始めることで新しいことをやりたい。

いくつもあるようなプロオーケストラがもう一つ増えるのなんてつまらないし、どこにでもあるようなクリニックがもう一つ増えてもおもしろくない。

すでにあるものはやらなくて、今ないものをやる。

なので、古臭い価値観を持ち出す人はお断り。

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