結月です。
服装がみすぼらしいわたしは人に会うときは腕時計くらいまともなものをしておいて、ちょっとはマシに見られるよう努めている。
銀座で着物を着ているときはよかったのだけれど、栃木に来てからはクルマ生活だし、そもそも田舎で着物なんか見せるような場所でないから着物は着ない。だから、みすぼらしい姿になる。
かと言って、服には興味がないから買いたいとも思わない。だからボロい服ばかりになってしまう。そこでジェネオケのTシャツとパーカーを作ったので、それをよく着ている。
これなら宣伝にもなるし、自分が作ったオケだからアイデンティティもあるしというわけである。
そうは言ってもカジュアルなみすぼらしさなので、腕時計で補う。
そういうわけで、わたしは以下の腕時計を使っている。
・ブライトリング(クロノグラフ)
・グランドセイコー(スプリングドライブ)
・オメガ(コンステレーション)
・オリス(ビッグクラウン)
というラインナップ。
最も使っているのがグランドセイコーで、これはフォーマルなものだし、スプリングドライブの駆動による秒針の動きがあまりにも美しくて惚れ惚れする。
ブライトリングはそんなに使わないのはクロノグラフで分厚いし、重い。
軽量なのはオメガのコンステレーションで、これはエレガントだし、クオーツ式だから薄くて軽い。
オリスは小さくて軽くて重厚さはないけれど、カジュアルでも略礼装でも使える。
とまあ、グランドセイコーの出番が多いわけだが、スプリングドライブはブライトリングほどでないにせよ、やはり重い。その重さがいいのであるけれど、普段使いとしてはちょっと疲れる。
また暖かくなって汗ばむようになるとその重さが鬱陶しくもなるし、汚れやすくなる。これはブライトリングもオメガも同じで、ステンレスのベルトはその隙間に汚れが溜まると掃除が面倒だし、きっちりときれいにするにはオーバーホールに出したときに研磨も合わせてとなってしまう。
だから夏場はこの3つは使いたくないし、高級の部類だからもったいない気がする。
かと言ってオリスは軽くて小さいけれど革ベルトだから汗を吸ってすぐにボロボロになる。なのでオリスは秋冬オンリー。
ともかく、グランドセイコーは立派な時計で素晴らしいが、着物で言えば上質の訪問着といったところで、クルマで言えばレクサスやベンツのEクラスだろうか。
なので普段使いにはちょっと重い。
あとは4月から愛娘を毎日宇都宮まで送迎に行っていて、クルマで2往復、一日100km走っているのだが、朝夕の宇都宮市街がクルマ社会だから大変渋滞する。愛娘の学校に遅れてはいけないから、時間にシビアになって運転しながら時間の計算をしている。
するとストップウォッチ機能がほしくなって、それは様々なルートを試しているからである。
そうした時間の計測にはビジネススタイルのグランドセイコーは不向きで、計測と言えばブライトリングのコンセプトでそのクロノグラフを使ったりもしたが、アナログの針はちょっとわかりにくい。
というわけで、ダサさが魅力のG-SHOCKがいいのではと思い、行きつけの宇都宮のドンキで買ってしまったのである。
それもG-SHOCKと言えば、まさにこれでしょ!というド定番の1983年にデビューした初代の形を変えていないスクエアタイプのやつで、80年代の日本を感じさせる時代錯誤感あって、デザイン的には実にダサい代物である。
あまりのダサさにちょっとこれは恥ずかしい…と思うとG-SHOCK愛好家からは間違いなくドヤされそうで、だからダサいと思いつつ、ド定番のモデルにしたのである。
実は月齢が出るタイプで丸型とものすごく迷ったのだが、こちらはデザインはまだいいが、ド定番より少し分厚く、普段使いの気軽さ、負担のなさを求めていたからスクエアタイプにした。
重量は50gほどで軽い。グランドセイコーやブライトリングに比べると鳥の羽のようである。
そしてこれはソーラーで発電し、世界40カ国ほどの時刻を電波でキャッチできる。つまりこの時計は時刻がズレることがない。
グランドセイコーのスプリングドライブがいくら精緻なものでも、少しはズレてくる。
そしてG-SHOCKの一番の特徴は、その驚異的な丈夫さにあってトレーラーで踏み潰しても壊れないし、ビルの5階から落としてもびくともしない。
だから自衛隊員のほとんどはG-SHOCKを使っているらしい。
G-SHOCKがダサいと思いつつ買ってしまった理由として、山登りに使えるから。今まで山登りでは時計をしておらず、スマホをちょくちょく見ていたが、スマホを取り出すのは面倒だし、山で落として壊したくない。
山で土砂降りに遭遇しても200気圧防水のG-SHOCKはへっちゃらだし、泥々に汚れても水洗いできる。
ここも重要なポイントで、これから夏になると腕時計は汗臭くなるほど汗だくになる。グランドセイコーをそうしたくないし、水洗いもできないが、G-SHOCKは水洗いで歯ブラシで擦ってもOK。水洗いできる時計として夏場に使える。
あとは海外の時刻も電波で拾えるが、中国やフランスに行って万一、紛失したり盗まれたりしてもG-SHOCKならお値段的にも気にならない。
国際空港で金属探知を通るとき、腕時計も外さねばならないが、あれが嫌である。カゴに入れるのはいいが、盗まれやしないかと不安にもなるし、そもそも愛用の腕時計は腕から外したくないものである。
外国では気取る必要もなく、ダサくてもG-SHOCKで十分。というかむしろ海外ではG-SHOCKがダサくなく、イケたものに思われることもある。
というわけで、自分のキャラに合わない腕時計を買った。不似合いなものをしていると、知っている人から、
「あれ?」
と思ってもらうとおもしろい。
キャラ的にはオメガのコンステレーションが気に入っているのだが、山登りでも使えるG-SHOCKを普段使いにする。
大体、宇都宮まで送迎したりする程度でグランドセイコーなんてしていてもしょーがない。思えば、クルマもダイハツミライースが普段使いには快適で、メルセデスは長距離はいいが、宇都宮の渋滞を走るには重すぎて合わないのと同じである。
とは言え、ダサい。G-SHOCK、なんてダサさなんだ。コテコテなダサさを貫いているのがファンを生むのだろう。
しかし、腕時計としては優秀である。世界一に丈夫さ。ソーラーで一度充電しただけで数ヶ月は稼働する省エネ。しかも電波機能搭載。軽くて楽。それで安い。
でも、服装がみすぼらしくてG-SHOCKだと貧乏臭く見えるので、ちゃんと人と会うときはグランドセイコーかオメガをしておく。
そうしないと、ダサさというのはその人に定着してしまうものだから。
G-SHOCKも使える人はいいけれど、G-SHOCKな人はちょっとね。