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結美堂の結月美妃公式ブログ

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音楽界に予防医学を注入する。

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結月でございます。

今日は人間ドック。手際のいい病院、というか1日2名にしているせいか、待ち時間もほとんどなく朝8時半から始めて11時半には全検査が終了。

最後が胃カメラで、今回は鼻から入れるタイプにした。前回は口からだったが鼻からのほうが楽だと聞いてやってみたのだが、何やら医者が手こずっている。どうやらわたしの鼻腔は狭いらしい。

手こずる度に鼻の奥が痛いわけで、これはなかなかハードだったが、

「ちょっと押しますが、いっちゃっていいですか?」

と医者が言うので、

「オッケーや」

と、わたし。

だって、やらないことには検査ができないのだから、これくらいは我慢するしかない。

しかし鼻バージョンは入ってしまえば口からよりも楽でどうってことない。最後に抜くときにまた狭い鼻腔を擦ったときに痛かったが、

「大丈夫です。きれいです」

と、胃袋はお墨付きをいただいた。

しばらくは鼻の奥が痛く、それは2時間ほどで収まった。

とりあえず胃は健康であると一安心で、だが今まであれだけお酒を飲んできて、しかもドライマティーニやウォッカやウイスキーをストレートでグビグビ飲んでいたのに胃が問題ないのは奇跡的かもしれない。

しかし、2015年に週刊プレイボーイ元編集長の島地勝彦さんに出会って、島地さんのところではウイスキーのストレート飲みは禁止だったのでハイボールばかりになった。

島地さんは開高健をはじめ、ハードドリンカーたちがストレート飲みしてみんな食道癌になってしまったのを目の当たりにし、ウイスキーのストレートは禁止にしたのである。

わたしもそれまではウォッカのストレートを食中酒にしていて、ハイボールなんて水っぽくて絶対に飲めなかったのであるが、島地さんのタリスカーで作るスパイシーハイボールの美味しさに触れて、ストレートは飲まなくなった。

現在、食道癌になってないのも島地さんのおかげなのは間違いなく、その出会いがなければ今頃食道癌を発症していてもおかしくない。

とはいえ、それでもハイボールはグビグビ毎日飲んでいたので、銀座にいるとき逆流性食道炎になった。

銀座に向かう日比谷線で急に胸が痛くなり、それはたちまち激痛になり、たまらず茅場町の駅で降りた。ベンチに座るも半端でない痛み。これは心臓に違いない。本気で死ぬと思ったほど痛く、改札の駅員に救急車を頼もうか悩みに悩んだ。15分間は悩み、激痛は治らぬ。

しかし、少し収まってもう一度日比谷線に乗り、銀座に辿り着き、結美堂に到着したときは治った。だが、これは心筋梗塞か狭心症に違いないと思い、すぐにネット検索して近くの循環器科に行った。ところが銀座の雑居ビルの小さなクリニックであったため、検査機材もなく、

「うちではわからない」

と言われてしまい、6丁目の病院へ行った。すると医者からは、

「逆流性食道炎というのがありましてね」

と説明を受け、心臓だと内心大騒ぎしたのは食道炎だったのである。

薬を処方してもらって1週間ほどで収まりはしたが、調子がずっと悪かった。そもそもハイボールばかり飲んでいて治るわけがない。

栃木に来た頃も時折発症して、近くの内科に薬をたびたびもらう。薬を飲めば治りはする。でもハイボールは飲むからまた発症。

それが完全に治ったのは栃木に来てから2年目くらいに自分の中で健康機運が高まり、「趣味・病院」になってからで、酒量を削減したら発症することは一切なくなった。

しかしながら、2年前の人間ドックで食道の弁がイカれていることが発覚し、逆流性が起こりやすい状態でそれはもう治らないが、すなわち積年の飲酒のせいである。

とまあ、島地さんとの出会いで食道癌は回避できたが、食道炎までは回避できなかった。しかし、食道炎はそれが食道癌になっていく前段階であるからセーフだった。人との出会いは大切である。

病気というのは薬で押さえ込むことができるが、当たり前だがそもそもその原因を断たないと治らない。原因がそのままだと病気が沈静しているだけで治ったわけでない。

ところが人間はその原因を断つことがなかなかできない生き物なのである。

酒でなくても、食べるのが大好きな人は食べるのをやめられないし、甘いもの好きは甘いものをセーブするのが困難である。タバコも然り、ギャンブル然り、女遊び然り、やめるのは容易でない。

だから結局、病気となって発症してようやく見直すのであるが、中には中島らもみたいに小便がコーラみたいになるほどのアルコール性肝炎になってもお酒をやめられず、酔っ払って転倒して死んでしまった人もいる。

学生時代のバイト先で一緒だったパートのおばさんは重度の糖尿病になったが、休み時間であんころ餅を食べるのがやめられなかった。

知り合いの父親は定年後、毎日朝から晩まで酒を飲み、アルコール中毒で目の前に大量の虫が見えるという幻覚まで出ていたが焼酎を飲むことはやめずに死んだ。

やはり原因を断たないとどうにもならないわけで、これだけ医療体制が整っている日本で、しかも会社員であれば健康診断が義務付けられている日本で生活習慣病がなくならないのは、健康診断をしてもその結果を見るだけでスルーしてしまうからだろう。

「いや〜血圧高かったッス」

と、その結果を真剣に捉えず、病院には行かないで普段通りに仕事。そして大ごとになってから焦る。

それは医者にも責任があって、医者というのは説明不足すぎる。検査結果を報告するだけで、具体的な改善の手段を説明しないし、そもそもそれを放置しておくことの危険性を言わない。

そこまで親身になれない事情もあれど、医療界全体がもっとしっかりと説明しよう、伝えようという心がけを持つべきなのである。それができているのは美容整形外科くらいじゃないか。

とまあ、連日、健康についてここに書き連ねているのは読んでくれた誰かに伝えたいという気持ちと、あとは書き連ねることで自分の考えを骨太にしていくためである。

これから手掛けようと思うコンサートも予防医学のアピールも兼ねようと思っていて、そのためには自分の考えをしっかりとしたものに、つまり哲学を持たないとできない。であるからして、こうして自らも人間ドックに行き、病気の原因を放置することがいかにヤバいかを伝えるべく、考えをまとめている。

それもただ音楽だけをやるコンサートなんてつまらない。音楽だけをやる時代は終わった。それはコロナで終わったというより、ちょうどコロナのタイミングで終わったのだと思う。音楽だけでは人は豊かにならない。不要不急が言われて、それがはっきりとわかった。

そんなことを考えていて、音楽的感動を得るにも健康なのである。入院すればコンサートホールにも行けないし、老年になって病気になればこれまたコンサートホールに行けない。

年を取れば健康を維持するのは難しくはなるが、しかし予防できたもので死ぬのはおもしろくない。あのとき酒をやめておけば、あのときダイエットしておけば、あのとき食い過ぎを改めておけばと悔やむ病気は嫌なものである。

己を律するだけで防げる病がある。

そうした啓蒙をコンサートに合わせてやりたい。なぜなら、コンサートは多くの人が集まるからである。

さらに演奏者。これも心配で、音楽しかやっていない人たちばかりだから、見るからに運動不足で不健康である。脂肪の付き方が独特である。それに忙しい奏者ほど病院には行く時間もない。

わたしは数多くあるプロオーケストラの内部にいるわけでないからよくは知らないが、一瞥してわかるほど生活習慣病っぽいのが多い。それに小さい頃から音楽だけのせいで、おそらくは医学的知識やリテラシーがない。

だから音楽を末長くやりたいのであれば未然に病気を予防すること。

これは少なくともジェネオケメンバーには伝えたいし、その機運が音楽界全体に浸透すればいいと思う。

「隗より始めよ」

というわけで、わたしが人間ドックを受け、減量中。

体重が落ちて、明らかに体が良くなった。それはしっかりと数値にも出ている。

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