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真夜中の奥日光にお星様を見にいく

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結月でございます。

先週、新製品のオミクロン対応2価ワクチンを接種。新しいものが好きなわたしは早い時期にこの新製品をゲットできて喜んでいる。

これでコロナワクチンは4回目。今まで大した服反応がなく、

「もうちょっと気合、入れてこんかい!」

と、副反応に立ち向かおうとするチンピラ精神でいたというのに、今回も針を刺した周辺がちょっと腫れて押さえると痛いのと眠くなるくらいだった。

副反応は恐れれば恐れるほどプラセボ効果的にひどくなる研究結果が出ていて、ちなみに生理食塩水をワクチンと称して注入しても副反応が出る人がいるのだという。

肉体と精神はつながっているので、こういうのはメンタルに左右される。

わたしのようにワクチンを接種するのが楽しみで、できるだけ早く接種してそれを人に自慢したいようなポジティヴメンタルでいると副反応は最低限のものしか出ないのかもしれない。

というわけで、ワクチン接種翌日、腕が痛いのと眠い中、宇都宮で過ごしていた。5歳の愛娘を連れていたが、眠いから家に戻り、晩ご飯を食べてからとりあえず寝た。その間、5歳児はひとりでお気に入りのYouTubeを見ていた。

目が覚めると夜の11時。3時間ほど眠ったら長らくなんとなく眠かったのがスッキリ爽快。

どうやらmRNAによる免疫システムは完全にインストールされたようである。

あまりに爽快になってしまったので、じっとしていられない。そして、5歳の愛娘に、

「ねえ、今から奥日光まで行って、満天の星空を見に行かない?」

と言うと、

「行く、行くー」

と、5歳児。

小さい子供はノリがいい。これが大人相手だと、

「いや、ちょっともう遅いし…」

だとか、

「わざわざ星を見に出かけるためだけに遠出するのもね…」

なんてノリが悪いが、子供はこのあたりは反応が単純で素早いからよろしい。

ちなみに大人になってもこの子供らしさが残っていると仕事も楽しくできるし、行動力もあるわけである。

真夜中の奥日光は寒いから、昨年雪遊び用に買ったスキーの防寒着を愛娘に持たせた。

サブカーのダイハツミライースにエンジンをかけ、まずは近所のコンビニへ。奥日光に到着するのは真夜中の2時近くになるからおにぎりやおやつを買った。それを星空の下で食べる。

栃木は田舎であるから夜は結構暗い。国道を走っても暗い。宇都宮を過ぎ、日光市へ入るともっと暗い。

今市を過ぎたあたりからZONEである。日光の霊的な雰囲気が漂い始める。しかも夜中は不気味さがある。いろは坂に入るといよいよという感じで、真夜中は特にZONEが深くなり、人間が立ち入るようなところでない。まるでタルコフスキーの「ストーカー」の世界のようである。

暗闇のいろは坂をハイビームで走る。ハイビームでないとまるで見えない。すると、小鹿が道を横切る。しばらくすると2頭の鹿が並んでいるのも見える。

自然霊というものがあるが、奥日光はこれがひしめき合っている。

ずっと暗闇の中を走り、戦場ヶ原に着いた。ヘッドライトを消すと何も見えない。クルマの外に出て空を見上げた。満天の星空だった。無数の星が輝き、オリオン座ですら星々に紛れて見えづらい。今まで何度も奥日光に来たが、大半は雨ばかりで、あとはホテルに宿泊してもお酒を飲んでぐったりしてしまっているのでこれだけ見事な星空は奥日光では初めてだった。

「お星様、見えるよ」

と、助手席で眠っていた愛娘を起こす。そして防寒着を着せ、空を見上げさせた。

感動したようである。3歳や4歳のときは感動という概念がなかったが今は感動できるようになった。感動するは知識や経験がある程度必要なのである。だから、赤ちゃんは感動しない。

外灯が一切ない戦場ヶ原では懐中電灯がないと何も見えないほど暗闇である。だから、小さな子供はしっかりと手をつないでおかないと容易に迷う。どこに何があるかもわからない暗さなのである。

クルマの中でおにぎりを食べたりしながら、

「クルマからもお星様が見えるよ」

と、愛娘は言っている。

これだけの星空を見たのは、学生の時、熊本の阿蘇の草千里で見て以来だった。

無数の星を見ると、人間は哲学的になる。あまりの宇宙の広大さに圧倒され、自分の小ささが身にしみるからである。

その宇宙に比して無力さを知る。生きていることが馬鹿らしくなる。しかし、自分の存在を消すことができない。だから哲学的になる。

星空の下では沈黙するしかない。宇宙には敵わない事実に沈黙する。そして、そこに絶望し、仕方なく空を見上げるのをやめる。

「そろそろ帰ろうか」

と、再びエンジンをかける。

「家に着くのは、4時くらいだよ」

すると5歳児はまた助手席で眠ってしまった。

そして真っ暗闇のいろは坂を下っていく。

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