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変な言葉遣いも一般になる。

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結月です。

買い物をすると、

「レジ袋は2円、かかってしまいますが」

なんて言われる。

「かかってしまいますが」という言い方がなんとなく嫌らしくて、

「2円くらいケチらんわ、ビンボー人やないんだど!」

という気持ちになる人もいれば、

「ああ、2円か…」

となる人が大半であろうか。

レジ袋の場合はこれまでがずっと無料でついてくるものだったから、いまだにその習慣が残っているがために申し訳なさそうないい方をしなければならない。

客に対して金額が高くなるからいいでしょうかと「かかってしまいます」なんて言い方やちょっと高級品になってくると、

「こちらはハイグレードになってしまいまして、このお値段になってしまいます…」

みたいな言い方もある。

「なってしまう」という言い方は昔はなかった気がするが、相手に怒られないようにだとか、クレーマーに怯えている世相からそんな言い方が一般的になったように思う。

あとは、店員である自分の責任でないアピールから「なってしまう」とやらされた感を醸し出す。だから嫌らしいなと思うわけ。

ただ、それも日本が30年かけて相対的に貧乏になっているせいでもあり、給料が上がる目処がないのが当たり前であるがために金を取ることが申し訳ない雰囲気。

バブルとか、好景気であれば逆であり、

「ハイグレード商品、出ましたよ!」

みたいなノリで、アゲアゲな接客ができる。

しかし、お客さんにもいろいろでケチりモードが大勢である時代であっても、本当にいい品物がほしいから問題は金額じゃないと考えるお客さんだっている。

そんなお客さんに、

「このお値段になってしまいます…」

なんて言うなら、自分が金のない貧乏人だと扱われているようで気分が悪くなるだろう。

金銭感覚はひとそれぞれで、時給1000円でバイトをしていれば、ランチに1000円の定食は払う気にならない。このランチで1時間働かなければならないのか…と思うと、130円のカップ麺で腹を満たし、時給の残り870円は残そうと考える。

しかし、月収100万であればそんなことは考えない。なんでランチに1000円を払うことに迷わなければならないの?と思う。

品物には感覚的な相場があって、これでこの値段かよ!と思うときがある。それは内容と金額が一致していないときに生じるもので、居酒屋で生ビールが800円だと高いと感じる。

だから相場が共通感覚としてあるものは相場に根ざしたプライスであるべきであろう。

ところが高級品になればなるほど相場感覚がなくなってきて、居酒屋だと大きな差である1000円も高級フレンチでワインを飲むとボトル1本9000円のワインじゃ物足りないから、15000円のにしようと6000円アップは気にならない。

100万円前後の商品が1万円値引きされてもピンと来ないし、オプションで8万円増えたところで、じゃあお願いしますとなる。

とまあ、そんなわけで金銭感覚は所得によって異なるし、クオリティの高いものを求めているお客さんは金額のことはあまり考えない。

であるからして、

「このお値段になってしまいます」

なんて言うのは失礼であるわけで、そもそもその値段になってしまうことで迷うような人はその品物を買うには非力、というか背伸びしすぎであるからやめておいたほうがいい。

同時に金があまりない状態の人にでも「なってしまいます」というのは失礼であり、店員がへりくだっているようで実は上から目線でもある。

どんな客に対してもスマートに、

「〇〇〇〇円です」

と言えばいいのであるし、ボッタクリでないのにその値段に文句を言うような客はどうせ買わないからスルーでもいいのだろう。

しかし、いい品物がほしくて、いい品物が必要であるから買い物に来ているのに店が客の懐にダメージを与えないように気を使いすぎてあまり値段の張らない中途半端なものを出されるのは困る。それでは必要なものが手に入らない。

とは言え、そういう買い物の仕方は減っている。どちらかと言うとお買い得を探しまくる路線で、クオリティよりもほどほどに使えるものを安く買うのがトレンドである。

それはもちろんネット通販が主流になったせいもあり、定価なるものがなくなったからであろう。

するとますます買い物の仕方がケチになってくる。値段の比較ばかりになって、損得勘定ばかりで買い物をする。

しかし、損得勘定は感動を生まないもので、品物への愛着は抱きにくい。

モノに対しての情が少ないから、その品物を持つ人間としてのキャラも出てこない。

さて、上質なものは何か持っておくのがいい。それを持っておくと、自分が貧乏臭くならないから。

貧乏性ほど100均のモノが家にあふれていると言われる。100均には上質さはない。

上質さの反対語は貧乏臭さに違いない。

「かかってしまいますが…」

だとか、

「なってしまいます…」

という言葉遣いに迷うのではなく、ムカっとするくらいがいい。

財布の中身を見てないくせに、一方的に貧乏人扱いするな。

そして、本当に金がなくても「武士は食わねど高楊枝」。

その精神がないと上昇気流には乗れないから。

とはいえ、本当のところの本質は金ではないのだけれど。

おそらく、金は本質の後からついてくるもの。

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