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公演の最高責任者なのにブルーカラー

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結月です。

今日は祝日。明日一日保育園に行くと、そこから4日間が保育園はお盆休みで、これはキツい。

こうクソ暑いと、5歳の愛娘を遊びに連れて行くのも場所が制限される。屋外はちょっと無理。

栃木県内はものほどんど行けるところは行ってしまったので、リピートばかり。東京に行ってもお盆は人が多そうだし、県民割を使って泊まりがけといってもお盆はホテルが空いてないだろうし、これは困った。明日を除く今日から6日間、どうやって過ごせばいいのだろうか。

と、ジェネオケ公演は告知と宣伝のフェーズに入っていて、秋からの猛ダッシュのためには今から準備をしないと間に合わない。というわけで、脳内はかなり忙しいのであるが、お盆休みで足踏みを否応なくされる。

しかし、そんなお盆前に公演会場である紀尾井ホールと東京オペラシティにチラシを送る手続きが終わってよかった。これはホールのラックに開催公演のチラシを置くためである。もし紀尾井ホールや東京オペラシティを訪れたら、ジェネオケ旗揚げ公演のチラシを手に取ってほしい。ウェブでは表面しか公開していないけれど、チラシ裏面にはジェオケのゴージャスなメンバー表、そして音楽評論家・奥田佳道さんによる公演の言葉がある。

さて、紀尾井ホールや東京オペラシティは日本に数多くありすぎるコンサートホールの中でどちらもトップクラスのクオリティであるけれど、実は借りる側から見てもいいホールなのである。

ホールに置くチラシにしてもチラシが少なくなったら連絡をくれたり、すると追加を送ればまた置いてくれる。この一見、当たり前に見えるサービス、区民ホールだとなかったりする。

前回はマロオケでモツレクをやったが、チラシは置いてはくれても少なくなったかどうかはホールの事務局はタッチしてくれず、

「自分で見に来て少なくなったら自分で追加しておいてください」

と言われてしまって、現在栃木県在住のわたしはこのセルフサービスに困惑してしまった。

チラシくらい追加作業してくれていいじゃんかよ!と思いつつ、まあ区民施設だからなと諦める。

さらに不満を追加してしまうと、コンサート当日にお客様に配布するプログラム、これを印刷所からホールに送ろうとしたら、ダメって言われた。ホールでは受け取れないシステムだから自分で持ってきてくださいと。

いやね、プログラムを1000部とか、結構重いし。段ボール箱、いくつかあるし。そんなの事務局で受け取っておいてくれていいじゃん。

と、ちょっとムカっとしながら、プログラムは印刷所から栃木に送ってもらって、その段ボールをせっせと愛車に積んでホールまで行き、ホールの駐車場から一度では運びきれない段ボール箱をせっせとひとりで運んだ。無論、腕は痺れてガタガタだった。

区民ホールは使用料が安いから仕方がない。確かに安い。ものすごく安い。サントリーホールや東京オペラシティの5分の1、4分の1といった金額で済む。

でも、チラシを追加したり、プログラムをホール宛で受け取ってくれるくらいいいじゃんかとは思う。

区民ホールは場所を「貸すだけ」といったところがあって、当日の切符切りなども自前で用意しなければならない。これがサントリーホールだとホールスタッフがやってくれて、座席案内もホテルのコンシェルジュなみの熟練スタッフがやってくれる。主催者としてはこういうサービスは大変助かる。サントリーホールは一流のホールだけあって、そのサービスも一流なのである。

今回の紀尾井ホールと東京オペラシティはわたしにとって初めての場所であるが、電話で話してもスタッフがものすごく丁寧でしっかりしている。こちらの要望にもちゃんと応えてくれる。確認はしていないが、当日のプログラムを自前で運べなんてことはないだろう。

しかしこういうのはホールに限らず、飲食店などでも同じである。やはり高い店はサービスがいい。

サントリーホールや東京オペラシティ、そして紀尾井ホールはコンサートホールとしては三ツ星クラスであるからちゃんとしている。

レストランも本物の高級フレンチは料理がうまいというのは当たり前として、サービスがすごい。黙っていてもこちらの要望を給仕が察してやってくれる。

これが場末の居酒屋だとでかい声で呼ばなければならないし、そうやって追加をオーダーしたのにいつまでも来ないとか、そういうことになる。

やはり高級なもの、高級な場というのは居心地がいい。

とまあ、コンサートを主催すると音楽とは関係のない面倒なことがおきたりするわけで、公演としては企画立案者で、最高責任者で、関わるすべての金の出どころであるわたし、実は一番偉い立場のはずのわたしがプログラムの段ボールを駐車場から運んで汗だくになっているというブルーカラーっておかしくね?なんて思いつつ、

「それはね、公演を愛しているからこそできるんだよ」

と、皆さんに言いたい。

やりたいことやって、たくさんのお客さんに来てもらうんだから、段ボール箱だって運ぶよ。公演のためならなんでもする。

とはいえ、演奏者たちがやってきて、なんか楽しそうに楽器なんか弾いて、しかもアタシから金も貰えて、

「ちょっとさー アンタたち、段ボールくらい運ぶの手伝ったら?」

と思いつつ、コントラバス奏者を見ると、あんなデカい楽器を抱えてホールにやってきていて、

「わかる。そのつらさ」

と、同情し、

「こら!フルート奏者!アンタたちの楽器、小さくて軽すぎ!」

と、コントラバス奏者と比較しつつも、

「いやいや、打楽器奏者なんて手ぶらだし」

そうなのである。打楽器はレンタルしてホールに業者が運んでステージマネージャーが設置するので手ぶらOKなのである。

でも、打楽器というパート、アタシ、絶対に絶対に、ぜーったいにやりたくない!! あんな怖い楽器ない。シンバルなんかド派手な分、タイミング間違ったら音楽ぶち壊しだし、トライアングル、あんなチーンだけなのにどの楽器よりも鳴り響き、ホールの最後列までその音は突き抜ける。アタシなんかビビってできない。

バイオリンだと多少音程はずしてもバレないかもしれないが、打楽器はそうはいかない。打楽器やるやつ、どんなメンタルしてんだろう? ああいうのは心臓に剛毛が生えてないとできない。アタシの心臓はツルツル美肌。

というわけで、打楽器奏者は普通の神経じゃできないようなパートだから段ボール箱は運ばんでよろしい。

そんな冗談を言いつつ、実は演奏者はどのパートも手に怪我でもされたら困るから何もしなくていい。

そういえば、随分昔、結美堂が銀座にあったとき、店内で室内楽コンサートをよくやった。その頃からジェネオケのコンマス佐久間聡一が出てくれていたのだが、うちにある6人がけのテーブルを移動させようとしたとき、佐久間くんが気を利かせてそれを手伝おうとした。するとわたしは、

「やんなてくいい、何もするな。万一、指がガクッとかなったら困る」

と、テーブルですら持たせない。その代わり、結美堂ガールズたちに、

「はい、そっち持って!」

と、ガールズに運ばせる。

女の指より演奏者の指が上という逆フェミな世界。

一流のプロ演奏者の指は幼少の頃から楽器を訓練してきて、そこにはとてつもない努力と苦労と金がかかっている。それを痛められちゃ困る。ヴァイオリニストが指を骨折したり、突き指したなんてその人生が終わるくらいの重大時なのであるから大事にしてほしい。

というわけで、コンサート当日にクソ重い段ボール箱を運ぶのはわたし。

スタッフはいねーのかよ、と言われそうだが、アシスタントステージマネージャーもみんな舞台の設置に忙しいし、アタシしかいないんだよね。

とまあ、今回は紀尾井ホールと東京オペラシティだからそんなブルーカラー労働はないと思うけど、公演というのは本当に大変な仕事なんだよ。好きじゃないと務まらないね。

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