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クラシック音楽なんて30年後にはほとんどないよ。

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結月でございます。

別に厭世的に生きてるわけじゃないけどさ、日本のクラシック音楽なんて30年後にはほとんどないと思うよ。まあ、N響なんかは構造上残るだろうけど、プロオーケストラはどれくらい残るんだろうね。

それは嫌味で言ってるわけじゃなく、日本は少子化はずっと改善されないままだし、クラシックをコンサートホールに聴きに行く年齢層って団塊世代の高齢者で、本当は団塊世代でも若くてもっとクラシックのコアなファンというのは団塊世代よりも上の戦前生まれくらいが多かった。でもその世代はもう死んじゃってる。

少子化の上に若い世代にクラシックが浸透していることはないし、それは今始まったことでもなく、団塊ジュニア世代の若い頃ですでにそうした浸透はなかったわけで、人口比率とクラシックを聴きに来る層の数を割り出して、日本に現存するオーケストラの数、そしてその運営に必要な金を計算したら30年ももたないでしょうというただの計算です。

30年後って言ったら、わたしは生きているかビミョーなところ。もしかして死んでるかもしれない。大きな病気をしなければなんとか生きているとは思うけれど、ビミョーはビミョー。

まあでもまだクラシック音楽が興行的にまだ残っている時代に大きなコンサートを企画したり主催したりできたことは自分の人生の中ではよかったなと思う。こんな時代もあったんだよなって30年後には思っているだろうけど。

そういう文化が衰退してなくなっていくことは今からいきなり考えると衝撃的かもしれないけれど、現実はそれほど衝撃でない。例えば着物なんてもっと昔は着ている人が多かったのに今はほとんど見かけることがない。でもそこに衝撃はないよね。時代は少しずつ変わっていくものだから、あれ、いつの間にかなくなっていたよねって思えば気づく程度のものだから。

着物がたくさん染められ織られた時代にいた人はまさか日本から着物姿を見ることがほぼないなんてことは考えもしなかっただろう。同じ感じでクラシック音楽なんて演奏されなくなるさ。

クラシック音楽はSPレコードが出てきて、LPレコード、CD、今ではネット配信という軌跡でコンサートに行かなくとも家で聴けるようになったわけだけれど、おそらくこれからはかつての演奏がデータ化されて、音源として残り、必要なときにそれを引き出して用いるという具合になるだろう。

新しい演奏と言ってもそれはニーズがないと生まれないもので、可能性としてはベートーヴェンの運命の「こんな演奏、あったのかよ!」と度肝を抜かれるくらい新鮮で新しい演奏が生まれなくはないとは言え、録音技術が100年ほど定着したおかげでアーカイブ化されて残っているがためにもうそれほど新鮮な演奏は生まれない。もちろん微々たる違いはあって、違うと言えば違うけどというレベルでは違いは出るとはいえ。

ともかく膨大なアーカイブがあるため、ニーズはニッチ化してしまい、一部のマニアしか求めないとなると興行的な経済が成り立たない。そんな事業には金を出すスポンサーもないだろうし、公的な金で存続させたところで求めてくれる人が少なければ意味があるのか考えなければならなくなる。

そうなるとますます音源はデータ化されておけば十分で、それだけでもかなりの量になるわけだから。

あと大きな問題だと思うのは、プロオーケストラの試みが古臭いというか、何十年も前から何も変わっているというところで、同じようなことをやっていて楽しいのかな?とわたしなんかは思う。

歴史が長くなると、名曲ほど「ありきたり」になってしまい、たとえそれが真新しい指揮者であったとしても「ありきたり」という印象が定着してしまうとわざわざ出かける気もしなくなる。そこに新しさを求めるのは本当にマニアックな世界であって、一般社会から見れば差がわからない。

そんなマニアが日本中に何千万人もいてくれればいいけれど、そんななわけはなく、さあお得意様の高齢者がいなくなるとどうしようか。

若い世代にクラシック音楽を知ってもらおうという試みは昔からあるけれど、昔からあるのはその試みが成功していないからに他ならず、もともと外来文化であって、もともと富裕層向けのクラシック音楽を一般の若い世代に広げようということ自体、無理がある。

プロオケが学生割引としてチケットを1000円にしてみたりと涙ぐましいことをやるのを見て、

「いや、そういうことじゃないし」

と、わたしは思う。

若い世代がコンサートに来ないのは金がないからではなく、ただ興味がないだけ。チケットを安くすれば行くという話ではない。一度見てもらって興味を持ってほしいと思って1000円にしても、いやだからさ、もともと興味がないんだって。1000円もらえるならちょっとは行くかもしれないけれど、1000円程度ならわざわざ電車賃かけて遠出して、興味もない音楽聴くのだったら、家でYouTubeでも見てるほうがいいと考える。

とにかく、金の問題じゃないということがわからないのだろうか? 

だって、スマホのゲームには課金ガチャにバイト代の10万をつぎ込む高校生だってめずらしくない。金は好きなものに払うのであって、興味がないものには1000円でも払わない。これは誰だって同じこと。

ところでわたしは30年後にはクラシック音楽が日本からなくなっているであろうことを憂えてはいない。自分が生きてるかわからないし、別に音楽なんてなくても生きていけるし、そもそも今だって自分が関わるコンサート以外にはまったく音楽には触れていない。

それに実はわたしはこう見えても音楽にはさほど詳しくない、と思う。わたしより知っている人なんてアマチュアでもたくさんいるし、いやアマチュアほどマニアックだしね。

わたしは自分が好きなものしか興味がないから、自分が好きなもの以外はほとんど知らない。クラシックも一通りは聴いちゃいるけど、例えばブルックナーとか何度聴いても身に入って来ないから憶えちゃいない。だからブルックナーに関する知識も調べる気がないから皆無。

ついでに言えば、ワーグナーも知らない。

結構知らないよ。モーツァルトが一番好きとは言っても、オペラそのものがあまり興味がないからモーツァルトのオペラは一通りは聴いたけどっていうレベル。

あと物覚えが悪いから、人の名前を覚えられない。指揮者の名前や演奏者の名前もよく知らない。正直に言うと、日本の指揮者なんてほとんど知らないよ。

思えば、バーや料理店でもここはと気に入った店を行きつけにして通う癖があって、それと同じなのだろう。気に入ったらとことん行くけど、同時に幅広く行ってみようとは思わない。

人間関係でも知り合いが少なくて、人付き合いがあまりのもそのせいだろうか。好きな人はとことん好きだけど、手広くっていうのが性格的にできない。

だから、音楽も知識はあまりなくて、それよりもその演奏から受けた衝撃を大事にしていて、それを嗅覚にして音楽の仕事をやっている。

「誰か知らんけど、すごい!」

というのがよくて、知識を拠り所にはしない。

となると、自分が好きな数少ないもの以外には執着しないから、クラシック音楽がこの世からなくなってもさほど気にならないというかダメージがないというか、なくなったなら他の仕事でも考えるかなんて悠長なことを言っている。

でもなんだろうか、今の日本のクラシック音楽業界を眺めていると、やっぱり古臭いというか、いつまでそんなことやってるんだろう?なんて思ってしまうのだから、ちょっとは気にしている。

とは言え、それはそれぞれのオーケストラやいろんな事務所がそうやっているものだから、そんな他人事には口は突っ込めず、自分がやりたいコンサートをやるだけでいいやと自由な気持ちでいる。

結局は音楽は好きでやるものでしょうよ。演奏者だってそれをサポートするマネージメントや事務局だって音楽が好きでやっているのでしょうよ。

だからそれでいい。ただ、好きなものを持続させようと思ったら、好きだ、好きだだけでなく、もっとビジネス的にしっかりとしないと続かない。好きな気持ちだけあっても金がないとコンサートは開けないから。すなわち金が出ないと演奏はできない。

それは演奏者が金にガツガツするという意味ではなく、もっと客観的に社会を見つめて、どうすれば変化させられるかをビジネスとして考えるということ。

こういうのは廃れた街をどうにかしようというプロジェクトに似ている。それには今までやってきたやり方を遮断する勇気が必要なのである。

そんな試みがクラシック音楽業界全体に広がれば30年以上は続くと思うけれど、まあそれは無理な話で夢物語としておく。

ともかく、クラシック業界は古臭いと思うよ。同じようなことばかりやってる。音楽的には新しい奏者や指揮者が出ていても、根本的な体質はずっと同じ。

やっぱり音楽は「伝える」ってことだから。伝えることだ大事だよ。じゃあ、今、何を音楽で持って伝えるか。何を感じてほしいのか?

廃れた街をどうしたいのか? それがないと再開発なんてできやしない。

と言いつつ、わたしはそんなんことをやるつもりはなく、そもそも業界人でもないし、好きなコンサートをやるだけだから。そういう自由の中で、音楽やってた形跡が残ればいいと思う。

でもさ、思うんだけど演奏者もさ、音楽ばっかりやってないで経営学とかビジネス実務とか勉強したほうがいいと思うよ。もしわたしがオーケストラを結成するとするならば、メンバー全員に厳選したビジネス書と簿記会計の本を読ませるよ。

年寄りの奏者は今からじゃ無理だから、若手はビジネス実務を学ぶ頭の柔軟さはあるから勉強しておいたほうがいい。

そういう実務の感覚を備えた上で音楽やったら力強いと思うよ。

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