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企画を煮詰めて煙草。睡眠薬。

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結月でございます。

今日は愛車の車内清掃。保育園の送り迎えに使っていたため、運転席の後ろは泥で汚れていた。それは後部座席に座り小さな愛娘が泥のついた靴で蹴飛ばすからなのである。

洗車場へ行き、マットを水洗いし、ダイソンの掃除機で砂を吸い取り、ダッシュボードやシートを薬剤が染み込まれた不織布で拭き上げ、3枚の雑巾を使ってフロントガラスの内側を拭く。そしてエアコンの吹き出し口はクリーナーで濡らした綿棒で擦る。

これらはなかなか大変な作業であって、懸案の運転席の後ろは何度拭き上げても泥は落ちなかった。落ちたと思っても乾くと浮かび上がってくるのである。

濡れ雑巾も専用のクリーナーを吹きかけて擦ってもやっぱり浮かび上がってくる。薄くはなったが、これまでと諦める。

と、それだけで予想以上に時間がかかってしまい、クタクタなのである。

とにかくこれまで毎日走らせていた愛車もサブカーとしての軽自動車ミライースの導入でこうして車内清掃する余裕も出てきた。とは言え、土日は愛車を使うので月当たり1000キロくらいは走る。東京に月に2度行くだけで、400キロになるのだから。

車というのは乗らずに放置が一番よろしくなく、エンジンをかけてあげないと調子が悪くなってしまう。しかし明らかな過走行はそれなりに消耗もするため、車社会である栃木で、しかも東京へ行ったり、週末は5歳児を連れて遠出するからサブカーも使ってちょうどというところであろうか。

さて、夜は企画のことを考え、馴染みの二人に電話でいろいろ教えてもらったり、相談したりした。やはり自分が知らないことは教えてもらうとよくて、そうした会話の中で様々な現状もわかってくるし、さらに自分のテリトリー外の情報が結構おもしろくて、

「あ〜そんなことやるんや〜」

なんて言いながら、脳が活性化してくる。

もちろん相談したり教えてもらったりするのは、わたし自身に方向性があるからで、何を描きたいかというラフ案に人からの情報で少しずつ色づいてくる。

しかし、これは絵画のデッサンみたいなもので、生物で言えばまだ受精もしていない。

でも、企画をこうして練り出しながら頭の中で煮詰めていくモードに入ると興奮してくる。これは毎度のことで、この興奮が起こってくるとゾクゾクしてくるのである。

こうした興奮がないときのわたしはニートであり、引きこもりであり、猫のことばかり考えて生きている。

昨年、マロオケ2021を終えて、事後処理はたくさんあったが、とりわけやることもなくニート。5歳になった愛娘がいてくれてやることがあるから腐っちゃいない。

ところが運気の周期なのだろうか、2022年も企画をやる方向に進んでいる運命。これは運命的なものなのだ。

まだラフ案の段階で、形にはなっていない。もやもやとしたビッグバン以前のゆらぎの世界。そこには宇宙の小さな卵が生まれては消えを繰り返している。卵が飛び出したとしても消滅してしまうかもしれず、母体を得たとしても死産するかもしれない。

企画を考える前段階はそんなもので、いくつかの具体はあるがまだ未分化という具合なのである。

しかし、電話で馴染みと二人と相談して、いろんな情報を提供してもらって企画の形が輪郭を帯びてきた。それまでは宇宙に漂うガスのようで、星になるにはまだ時間がかかりそうであったのに思うように早く星になるような気もする。

この感覚があるとき最も充実している。

スマホを手から離さず、得られた情報について調べ上げる。何ページもの検索をし、描いたデッサンの中に使える色彩を探す。

いつものことながら、企画を生み出すこの時が一番楽しい。企画はまだ形而上であり、形而下の煩わしさはない。

スマホを何時間も手放さず検索したりして猛スピードで情報が頭に注入されてくる。興奮がそれを後押しする。調べてみて、こいつは駄目そうとか、こいつはいけるかもとか、やっぱこいつだろうなど、自分のフィーリングでスキャンするように相手のプロフィールや映像を取り込んでいく。そして、自分のフィーリングとしてこの人とは一緒にやるとおもしろい、自分とは気が合いそうだなどわかってきて、次第に方向性が狭まってくる、

やりたい演目は4曲ほどある。でもずば抜けてこれをやりたい!と思っているのは巨大な1曲。これを軸に企画を進めてみる。無理なら諦めてプランBで考える。

とにかくやったことがないことだから、どれだけ金がかかって、どういう動き方ができるのかもわからない、とりあえず、来週の月曜には電話して訊いてみる。

こちらは一人で勝手に盛り上がっているけれど、相手先に電話して話したら冷たいことを言われたりすることだってある、しかし、これをやりたいという情熱があればなんとかなるものであり、わたしはこう見えてば交渉力はかなりのものだと自負していて、簡単には諦めない。

もし駄目ならプランBもあるし、さらにプランCもある。もちろん興奮度合いにはそれぞれに違いがあるのは確かだけれど、プランCだってかなりのものであるから、やれば大満足なものになる。

心底やりたいものというのはプランCでもエネルギーは失われないのである。

と、今ある情報を頭の中の方程式に入力してどんなものができ上がるのかイメージを作り上げある。入力値を変えるとまた別のテイストになったりもし、無数の組み合わせを脳内で幾度も幾度も休みなしで行う。「モード」に入るといつもかんな感じで、狂気的になる。狂気の力は凄まじく、方程式を使って導かれた解に狂気はそこに毒液で揉み上げ、毒を染み込ませる。すると方程式で出てきた解は別物のような変わり様となり、得体の知れないものに仕上がる、

頭の中でチェスをするかのように思いつくパターンを並べてみたりする。

こんなことをしていて本当に実現できるのか? できないかもしれないのに「やりたい」という無謀の前進力、すなわりリビドーで突き進む。これは性衝動。

とまあ、3つあるプランでメインはこれで行くと決めた。途中は迷ったが、自分の魂のコアにあるその奥底に訪ねたら、やっぱりこれだと魂は答えた。

これが理念やコンセプトになる。これがないコンサートは薄っぺらなものになり、実態の乏しい演奏になる。

演出家としてのキャラ。これが大事で、公演をどう演出するのか。それがあることで演奏者は盛り上がってくる。

と、いつしか音楽の企画の話をしているっぽい。隠しておこうと思っていたのに音楽の話になっているっぽい。

知らずに自分でバラした愚かさ。

実は企画を頭の中で煮詰めている時は椅子に座ることはなく、部屋の中で両手を後ろに組みながらノイローゼになった動物園のライオンのように同じところをぐるぐると回り歩いている。

こうなると頭に負荷かかかっているので、無性に煙草が吸いたくなってしまう。しかし、タバコは普段は吸わないから1本もない。近くのコンビニに買いに行こうとも、眠ってしまった5歳児をひとりにするのも気が引けるし、寒い中歩いて買いにいっても、寒さで凍えて吸うと気分はテンションが下がりすぎな気がする。室内でソファに寝転んで吸うのが一番。だが、5歳児が寝ているのに煙草は吸う気になれず、どうせ吸っても口の中が気持ち悪くなって後悔するに違いないから結局吸わない。

酒がいいかと思ったが、つまみと一緒に飲むのもどうかと思うし、かといって酒だけだと辛い。よほどいいコニャックがあればいいが、酒に飽きたわたしは胃袋にわざわざアルコールを入れることに抵抗があって、リラックスとは程遠い。

仕方がない。この脳みその止まらない原子炉のような興奮を止めるには睡眠薬しかない。滅多に飲むことはないが、頭の高回転を強制終了させるにはこれしかない。

とにかく企画を煮詰めすぎて頭が痛くて辛い。脳みそがオーバーヒートしていて、熱をもち、それなのに興奮状態だから企画のことを考えるのがやめられない。

と、睡眠薬を1錠飲むとしばらくして頭が朦朧としてきた。これを書いている時はずっと朦朧の状態で、これを書き終えたら気持ちよく5歳児の隣で眠れそうだ。

明日は土曜で保育園が休みであるから、早く起きる必要がない、

目の焦点がふらふらとボケていながらキーボードを叩くが、酒のない酔っ払い状態なのである。

と、それでもこうしてキーボードを叩いているから、頭の原子炉はまだ冷却化はできないようだ。

MacBook Airの画面上の文字が歪曲して見えているのに、こうしてまだ書けるというのは企画のことを考えすぎて頭が臨界点まで到達していたのだろう。

コンサートの企画はこの最初の狂気感がよくて、これが具体的な実現が見えてくるとたちまち仕事は実務になってきて、狂気は失われて事務作業に移り変わる。

と、程よく眠たくなったのでこの辺りにしよう。

わたしの中で、この一曲。これしかないという曲が決まった。実際にできるかどうか、それをこれから調べていく。土日はアクセスできないから月曜にすぐに動く。

すべてがうまく行くことなんてありはしない。しかし、奇跡は起きてほしい。

今までずっと奇跡でやれてきた。

程よく眠くなったはずなのに、まだ頭の中のコアは熱い。ギラついている。

企画はこの未分化でいる時間が最も興奮する。

今年もおもしろいこと、やりますよ。

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