結月です。
今日は昨年末に手続きした軽自動車、ダイハツ・ミライースの納車。軽自動車なるものを運転したのは初めてであったけれど、思ったよりはひどくなかった。
話に聞いていた風で煽られるとハンドルが取られるというのは確かにあった。とはいえ、背の高いワゴンタイプでないからまだマシなほうかもしれない。
しかしながら、トランクスペースは極めで狭く、つまりクラッシャブルゾーンがほぼないと考えていいので、これは後部座席に座って後ろから激しく衝突されたら、
「死ぬよねっ!」
だから、基本的に後部座席には人は乗せないようにする。
とはいえ、日常使いの街乗りにしか使わないから、人が死ぬほどのシーンはないだろう。
それ以前に運転してみるとやっぱり軽自動車は疲れるから、遠距離は乗れない。
愛車のメルセデス・ベンツは「できるだけ人を安全に、遠くへ運ぶ」がポリシーであるから、本当に疲れない。直進安定性も抜群で、オルガン式のアクセルペダルの角度も絶妙で足が痛くならず、シートもよくできている。東京から京都まで休憩なしで走ったこともある。
一方、ミライースは車高も微妙で、アクセルペダルも精度が低いので脛がすぐに痛くなりやすく、今後慣れるとしても長距離は無理だなと思う。
あとはベンツの丈夫さ、それは乗っているだけでクルマに守られている感がたっぷりであるのに対し、さすがに軽のミライースは守ってはくれていないと感じる。ドアも薄いから横から激しく当てられたら、
「死ぬかもねっ!」
なんて思うけれど、これも街乗り程度であれば死なないだろう。でも、高速道路はやはり走る気がしない。660ccのエンジンは非力だし、これで合流するのは大変そうだし、時速100キロでこのボディは事故ると、
「死ぬデ」
と思うからで、性能が見合ってないことへあえてスリリングなことはしないわたしはミライースでは高速道路は走らない。
しかし、エンジンも思ったより静かだった。ベタ踏みするとさすがにうるさいけれど、3気筒にしては静かに思えた。
これで保育園の送迎をすることになり、今までのメルセデス・ベンツと比べて燃費コストがグッと下がる。
計算によれば、保育園の送迎だけで年間にして12万円以上は安くなる。さらに10万キロを超えた中年期のベンツを労る効果もあり、過走行をしないことでその寿命も伸び、将来の修理代が少なくなるであろうことを加味すると、3年かからないうちにミライースの元が取れそう。
保育園の送迎だけで1日あたり500円ほど安くなり、逆に思えば毎日保育園だけで700円近くガソリン代がかかっていたわけである。それが1日500円のコストカットで、軽い食事代が浮くというわけ。
またスーパーに行ったり、郵便局に行ったりする程度でベンツの2.5リッターV6エンジンをかけることにちょっと疲れてしまって、ミライースだと楽なのである。
つまり、着物で言えば、わたしはこれまで日常で毎日訪問着で過ごしていたようなもので、さしずめミライースは浴衣といったところであろうか。
とはいえ、土日は保育園が休みで5歳児を連れて遠出するし、東京へもレッスンに行くから、その時はもちろんメルセデスであり、それだけでも月間1000キロくらいは走る。
それだけでも十分な走行で、思えばこれまで酷使しすぎていた。
さて、軽自動車は当然ながら走っても全然おもしろくないクルマであり、ときめきはない。走る楽しみがないから、実用車である。
実用車としては満足していて、それでガソリン代が12万円以上も浮くとなれば喜ばしい。
しかし、気に入らないところがあって、それはエンジンをかけると「免許証がどうとか、安全運転でいきましょう」みたいな音声が流れるところ。
日本人はこういう無駄が多すぎる。スーパーやコンビニに行っても「有料のレジ袋は云々」だとか、過剰な言葉が多いのである。これは思いやりを見せることが良しとされているからで、鬱陶しいったらない。
さらにちょっとスピードを出すと、キン!と警告音が出て「スピードの出し過ぎに注意してください」なんてアナウンスがある。まるで余計なお世話なのである。そもそもいきなり鋭いサウンドでキン!なんてやられたらびっくりして危ないじゃないか。
今度ダイハツに行って、こうした無駄なアナウンスはオフにできないか聞いてみよう。
そんな余計なお世話でしかない案内にうちの5歳児は、
「うるさい〜」
というではないか。さすがわたしに似ている。こういうお節介な無駄な音声を雑音として感じる感性。
とにかく日本は余計なお節介が多すぎる。親切丁寧をやりすぎるとウザいってことにどうして気づかないのだろう?
それにわたしは他人から指図されることが反射的に駄目なのである。自分の自由を侵されるとカチンと来るのである。
とまあ、アナウンスが余計だと思う以外は、ミライースはよくできたクルマであると思う。コストを抑えてシンプルに作り上げている。そしてダイハツは昔から抜きん出て燃費がいい。
と、普段使いからの酷使を逃れるメルセデスはこれを機に車内クリーニングを業者に頼もうかと思っている。小さな愛娘が保育園で泥だらけした靴でシートを蹴飛ばしたりするから汚れてしまっている。これは雑巾で拭いても落ちず、プロに任せるしかない。
そういえば、銀座にいるときは毎日訪問着で仕事をしていて、その中でも特に気に入っていた訪問着はよく着るから裾が擦り減ってボロボロになっている。訪問着なのにこれだけ着潰すというのは普通はない。それは修復不可能なほど擦り減って、御役御免。
テンパって仕事をしているとそうなるわけで、本当は程よく浴衣で過ごすくらいがいいのだろう。
そんな浴衣的ミライースだけれど、どうも寿命が長そうな車で20万キロ超えも行けそうである。
さて、明日は保育園が休み。
どこに出かけようか。