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iPhoneなら5歳でもアート

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結月でございます。

やっと正月休みが終わったと思ったら、成人の日なんかのために3連休。成人の日なんてつまらんものは廃止して、平日にしろ。

と、もはや振袖とは呼んではならないほどの悪質な振袖モドキの成人の日は、美しくないものは目にしたくないわたしにとっては最悪な日で、基本的に外に出ない。

とは言え、今年もコロナのおかげで成人式もビミョーだったせいか、栃木にいるせいか知らぬが、悪質な振袖モドキ姿で浮かれる女の子とそれに付き添う気の毒な母親(振袖だと思って高額を払っているがゆえ)の風景を見ることはなかった。

成人式がなくなるのはコロナの功績とも言えそうで、このまま成人の日は有名無実化し、もうなしにしていく方向で進むのがよろしい。

と、成人には程遠いうちの愛娘は年明けに5歳になったのであるが、ちょっとませてきてメイクなんか始めた。

お年玉で子供用の化粧品を買い、アイシャドーやリップを自分で塗っている。

その買い物に付き合ったのはもちろんわたしで、それはメイクを買いたいということだったからであるが、その使い方を教えるのもわたし。

栃木の田舎に来て、すっかり自分が着物を着る機会がなくなってしまい、メイクもすることもなく、せいぜいYouTubeを撮るときくらい。

しかし、今まで自分のメイクを一生懸命やったり、銀座にいるときはうちの生徒向けにメイキャップアーティストにメイク講座をやったりして、メイクを学んだのもそれはうちの愛娘のための運命だったのかと思ったり。

しかし、5歳になったばかりでメイクを自分でするものかと令和時代に驚きつつ、リップを塗ってグロスを重ねて、ご飯を食べたりジュースを飲んだりしたらそれが落ちると、

「ちょっと待って!」

と、またリップを塗っている。

こういうのは教えられたものでないから、本能的に女なのだと思った。

そんな5歳児を連れて先日は池袋のサンシャイン水族館へ。わたしもこの水族館は初めてで、なぜならこんなところには一人で来るアテもないから。

サンシャインの高層ビルの最上階に水族館があるとは驚きで、水なんて重いものを設置できるのかと建築工学に感心する文系のわたし。

とは言え、それほど大きな規模のものではないながら、都会の暇つぶしにはいいのかもしれない。

そんな水族館で5歳になったばかりの愛娘はわたしのiPhoneで水槽の写真をバシャバシャ撮っていた。

しかしiPhoneのカメラは大変な高性能で、5歳児でもまともな写真が撮れてしまう。さらに水族館は誰が撮ってもそれなりに絵になるような個性的な魚ばかりで、特にクラゲとなるとそれ自体が幻想的であるから5歳児でもアートになってしまう。

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5歳児が撮った夥しい写真を見てみると、なかなかいい写真があったりして、あんなにいい加減に撮っているだけなのにと思う。しかし、5歳児のシャッターには躊躇がなく、水槽の魚たちに興奮し、そこにカメラを向けると何も考えずにシャッターを押す。きっとそれがいいのだろう。大人は構図など半端に考えて、いいところを撮ろうと狙うからつまらない写真になる。

メイクと同じで本能でやるほうがおもしろいものができるわけで、だからこそ芸術は子供のような無邪気さが必要で、それが温存された上でテクニックなのである。

下の写真はどこで撮ったか知らないけれど、タルコフスキーの『惑星ソラリス 』の海のようであり、これは大人には撮れない。こんな意味のない写真は大人には無理なのである。でも、わたしはタルコフスキーを感じてしまった。

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さて、そんなわけでiPhoneを愛娘に渡したとき、同じポケットに入っていたPASMOを落としてしまった。

池袋駅の改札でPASMOがどこにもないことに気づく。

「ああ、最悪だよ。自分一人だったら絶対になくさないのに…」

と、小さな子供と一緒だと、自分の注意力を奪い取られるのでこういうことになる。仕方なしに切符を買うが、今ではたまにしか使わないPASMOもそれは銀座の頃からずっと使っていたものだから失うと寂しくなった。あれだけ毎日使ったものだから、愛着ではないけれど自分のそばにいつもあるものだったのである。しかも中にはまだ1000円ほど残高があった。

新しくするにも預かり金があるだろうし、東京でお酒を飲むときはクルマでなく電車であるからないと不便。あ〜あ、とため息が出る。

5歳になったばかりの愛娘といると、とにかく注意力を倍増させて、自分だけでなく5歳児の方にも割かなければならない。歩道を歩くだけでふらふらしているし、駐車場でも右左見ないで進むところに車が来たりする。

一口に言えば、

「疲れる」

そんな毎日で、今日もメイク道具を揃えたから櫛が要るから買うという。化粧品を買った店にすみっこぐらしの櫛があったらしい。

お年玉をもらって自分の金で買う心地よさもあるのだろう。そのお年玉を入れるためにお財布も買ってあるからそれを使いたいようだ。いよいよ大人になってくる。

と、櫛を選んだはいいが、他に何か買うものがないかな、なんて店の中を物色する。買い物に付き合わされるわたしはだんだん疲れてくる。共通の興味のものを選ぶなら楽しいが、勝手に買えばと思う買い物の同伴は誰でも疲れる。

しかし、メイキャップに興味を持ってくれるのはいいことで、自分を美しくすることに関心がない女は頼もしい。

とまあ、そんなわけで三日間、ずっと5歳になったばかりの愛娘と一緒で毎度のことながら疲れてしまったのであるが、水族館にダメ元で電話したらPASMOの拾得があったとのこと。

落とし物センターに訊いてみると、まさしくわたしのPASMOだった。

ああ、よかった。愛用のものが戻ってくる。再来週また東京に行くから、そのときまで保管しておいてくださいと告げた。

やれやれ。明日からやっと猫たちをゆっくりできる。

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