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中古の軽自動車を買っちゃおうか。

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結月でございます。

年の暮れになって、

「そうだ、そうだ。愛車のエンジンオイルの交換に行かねばならん」

と、メンテを任せているディーラーへ。

4月に行った法定整備点検の際、12月くらいにオイル交換に来てもらえれば、なんてことを言われていた。

そして今日持ち込んだわけだが、メーターを見た担当者は、

「結構乗ってますね〜」

と、開口一番。

そうなのである。よく乗っているのである。4月から今日まで14,000Kmは走っていたようだ。毎日の愛娘の保育園への送迎、そして土日には愛娘を連れてバイオリンレッスンに宇都宮に行ったり、そうでなければ那須の千本松牧場へ行ったり、奥日光へ行ったり、茨城の大洗にある水族館に行ったこともあれば、とにかく土日は1日で150Kmから200Kmは走る。さらに東京にレッスンに月二回。往復200Kmが2度ある。

オイル交換も12月ではなくもっと早くしないといけないほど走っていて、エレメントも交換。22,000円なり。

先週にいよいよ愛車も走行距離が10万キロを突破し、人間で言えば中年くらいであろうか。

国産車であれば買い替えを考えるところだが、愛車のメルセデス・ベンツは国産車とは考え方が違っていて、消耗品である部品を交換していくことによって新車状態を保ち、長く乗れるという構造である。

今年、9万キロ前後になってから、修理に伴って実は部品交換を3度した。

夏にエンジンランプが点灯し、パッキンか何かを換えてもらい、そしたら今度は左のドアミラーのウィンカーの動きがおかしくなり、ミラーのユニットごと交換。と思ったら左のヘッドライトに警告表示が出てバラストという電圧をかける部品とバルブを交換。

今年の8月からわずか3ヶ月ほどの間に修理が重なり、トータルで25万円ほどかかった。

ところで実は心霊家であるわたしなので、ちょっとスピリチュアルな話をすれば、コンサートをやると必ず何か物が壊れる。

公演を始めると、精神がピリピリモードの爆裂な緊張状態になり、自分でも脳波が稲妻のようになっているのがよくわかる。キレやすい波動とも言えるし、わかりやすく言えば瞬間湯沸かし器的に怒り出すほど不機嫌で、ブチ切れやすくなる。

それくらい集客や煩雑な実務、さらに重い責任を負うとそんな迷惑な人になってしまうのである。コンサート以外のことを話しかけられようなら、ヤクザの下っ端さながらに、

「ハァ?」

と、眉間にシワを寄せて睨みつける。

というわけで高エネルギーな波動になると、スピリチュアル的に物が壊れる。これは状況証拠しかなく、なかなか科学的には立証できないのだけれど、とにかく物が壊れだすのである。

2015年のリサイタルをやったときはコンサート1ヶ月前に家の冷蔵庫が壊れた。2016年のサントリーホールでの公演は大変なコンサートだったが、パソコンが壊れ、オーディオが壊れ、シャンデリアの白熱球はホラー映画のように三日にひとつは眩い閃光と共に切れた。そして今年の2021年のコンサートでは8月にコロナ感染者が爆発的に増えて、チケットは売れないし、公演が危ぶまれ、緊張感と不機嫌さがレッドゾーンの限界という日々の中で愛車が立て続けに壊れた。ヘッドライトの修理が完了したのは公演のわずか1週間前だった。

とまあ、それまでは順調に走っていた愛車も部品交換が連続したわけだけれど、10万キロを超えてくると消耗品としての部品が劣化してくる頃合いである。

そこで思い立ったのが、安い中古の軽自動車を買おうかというアイデア。

これまで愛車のメルセデス・ベンツを酷使していたけれど、そろそろ走行距離を抑えながら末長く乗れるようにしたほうがいいのではないか。

保育園の送迎だけで1ヶ月で500Kmは走っている。はっきり言って保育園の往復はベンツでなければならない道でもなく、ここは軽に任せておく。すると、土日だけ愛車を走らせれば、過走行にはならないだろう。そうすることによって車を長く使うことができる。

そして、愛娘が小学生になれば今以上に送迎に走らないといけないかもしれない。そうなると、極度な過走行で愛車は頻繁にメンテが必要になりそう。そんな話を今日、ディーラーの担当者としていた。

メルセデス・ベンツはメンテさえすれば走り続けるクルマであれど、頻繁に修理するのはものすごく面倒だし、金がかかる。

であれば、送迎くらいであれば中古の軽自動車で済ませ、愛車を労り、負担をかけすぎないほうがいい気がする。これはまさしく中高年のケアと同じで、さらに言えば猫だと7歳を超えたあたりと考えていい。

さらに軽自動車で送迎をした場合、現在のガソリン代よりも年間で14万円安くなることがわかった。ちなみに小学生になった場合を想定すると、年間で30万円のガソリン代の差がある。それは燃費が違うし、ハイオクとレギュラーの差があるからだ。

となれば、中古の軽自動車を買うだけでガソリン代だけで約2年で元が取ることができ、さらに愛車を酷使しないことで過剰なメンテ代がかからなくなる。

とにかくガソリン代はかかっていて、なんか金の減りが早いなと思うのはハイオクガソリンに使っているからである。

と、早速、軽自動車の中古はどんなものかとネットで調べてみた。そもそも軽なんかに興味はないし、送迎で走ればいいだけだから余計なオプションがついているものはいらない。

しかし、調べてみてわかったのは、古い軽自動車には「横滑り防止装置」がついていないのである。

横滑り防止装置がついていないクルマなんか怖くて乗れない。どうやら2014年から軽自動車にも標準装備が義務付けられたらしい。付いていて当たり前だと思っていたから、ちょっと驚いた。

横滑り防止装置がないくせにアイドリングストップとか防犯装置があるとか、アホすぎる設定もある。アイドリングストップなんていちいちエンジンが止まって鬱陶しい。そもそもそれでガソリンが浪費しないなんて数字上の話だけで、金額で見れば微々たるものだから。それに防犯なんて軽自動車みたいな安いクルマ、さらにそんなクルマで盗まれて困る高級品など乗せない。

大事なのは横滑り防止装置であり、ABSであり、エアバッグである。これらがないことは生命に関わる。

というわけで、実は軽自動車なんて運転したことがないわたしはそういう“軽の事情”を知らなかった。

そこであるショップで整備費込みで50万のダイハツ・ミライースがあり、横滑り防止装置も装備されて、走行距離はそれほどもない。

コスト的に軽があったほうがいいし、近所のスーパーに行くのにベンツの2.5リッターV6エンジンをかけるのもどうも大袈裟な気がしている。そんなしょーもない用事のために愛車の寿命を減らすのもバカらしい。

軽自動車を買わず、今の愛車が動かなくなるまで乗り、そしたら新しいのを買うという選択もあれど、最新のメルセデスよりもわたしは今の愛車のほうが断然好きでなのである。

去年だったか当時の最新モデルをヤナセで借りて乗ったけれど、自分の愛車のほうがいいと思った。さらに今年、さらなるモデルチェンジの新型のベンツが出たらしいが、わざわざそれを手にするよりも今のものを乗りたい。それくらい今の愛車の走りが快感で、NAエンジンの加速の吹き上がりは悩殺されるほど気持ちがよく、直進の安定性も言うことなしで、嫌いなところがひとつもないという相性の良さ。

なので中年期にさしかかった愛車は今までのように酷使できない。まるで38歳のプロ野球のピッチャーである。

とまあ、このまま酷使し続け、来年は下手すれば1年で4万キロを走るペースになるとすれば、頻繁にメンテが必要になり、維持費はオミクロン株のグラフのようになる。

そもそも送迎ではクルマの走りを楽しむような道ではないから、軽自動車でいいんじゃないか。そして東京に行ったり、遠出するときは愛車のメルセデスを使う。さすがに軽自動車なんかペラペラのクルマで高速道路なんか怖くて乗りたくないし、安全基準の低さを考えれば、愛娘を乗せて遠出はできない。そもそも軽で遠出は疲れる。

思えば、いろいろなものがそういう時期なのかもしれない。愛車も然り、そして猫たちもシニアと言われる年齢になった。愛車のように定期検診をしてやり、猫の健康を考え、そしていずれ来てしまう別れも想像してしまう。子猫のときはそれがあまりにも遠くて考えることはなかったけれど。

そしてかく言うわたし自身も昨年は人間ドッグを受けたり、行きつけの病院で検査はしてもらっている。健康ではあれど、気にしなくてはならない。

しかし、まもなく5歳になる愛娘だけが若さ以前の溌剌さで輝いている。まだ若さにも至っていない。

軽自動車に助けを借りてもいつかは愛車は廃車になるのだろうし、猫たちだって死ぬときがやってきて、わたしも死ぬのである。

わたしは自分の死を肯定的に捉えているので、死ぬことが楽しみであるし、死に至るまでどんなことをやれるのだろうとまだまだ楽しみがある。

とりあえず、今年はずっとやりたいと思っていたモーツァルトのレクイエムを実現することができた。これは奇跡的な巡り合わせで、運命的な出来事だった。

死を自覚するからこそ充実できる。

もし毎日不平不満ばかり垂れている人がいれば、それは不平不満を垂れる時間があまりにももったいないことをわかっていない人だろう。そんなことに有限の時間を費やしてどうする?

それを死を自覚していないから時間を逆算できていない証であり、日々減り続ける時間の貴重さをわかっていない。

生の終わりは歓喜であるのがよく、死への入り口も歓喜であるのがいい。

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