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禰豆子を求めて

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結月でございます。

昨日は4歳の愛娘を東京へ連れていく。

ファミレスのジョナサンに行ったが、ファミレスの食べ物というのはあれは食べ物じゃないね。小さい子供がいると今まで行くことがなかったガストなどそこそこ行くようになって気づいたことで、ファミレスの合理化されたメニューは食べ物じゃない。あれらは食べられる物質だよ。

レンジで調理するのか、とにかくスピーディーに出せるようにしている。だから「料理」ではない。ファミレスの食べ物はどこか素っ気ないところがあって、料理の波動がなくて、食べ物の形をした物質に他ならない。

何を食べてもおいしくない。味というものが感じられない。もちろん味はしているけれど、表層的で味として感じることがない。宇宙食に近いのかもしれない。

それは1皿100円の回転寿司にも言えることで、たまに立ち寄るかっぱ寿司に行っても魚の味がしない。ほぼ無味。だから違ったネタを食べてもどれも同じものに感じる。シャリと醤油の味だけ。

そして先日、はま寿司に初めて行ってみたが、同じだった。味がない。あれ、本当の魚なのだろうか? 寿司の形をした食べられる物質。

ともかく、大手のああいった店は総じて宇宙食化しているのだろう。合理化と効率化を進めて、コストとスピードを重視して、安くそれらしいものを出す仕組み。

こうなってくると、「料理」が食べたくなる。「料理」を出す店に行きたくなる。下手くそでいいから食べられる物質ではなく「料理」。

さて、東京に4歳児を連れて行ったはいいが、東京は園児が楽しめるスポットは少ない。仕方がないから、池袋のゲーセンに行ってUFOキャッチャーでもやろうと考える。

池袋のサンシャイン方面は久しぶりに行った。大昔はよく行っていたけれど、銀座に拠点を移してからはほとんどまるで行くことがなくなった。

ちょうど鬼滅のUFOキャッチャーがあった。そこには禰豆子のフィギュアがあった。禰豆子が好きなうちの4歳児。

「これ、無理なんじゃね?」と一瞥して思うも一応やってみた。

まるで取れない。それでもちょっと腹が立つから3回やってみた。「これは無理」と判断。引き際が大事である。

「こういうのはね、買ったほうが安いし早いよ」

と、スマホで検索すると、目と鼻の先にアニメイトがあった。アニメイト… こんなところに行くことになろうとは… 大昔、中学生くらいのとき、大阪の京橋にあったアニメイトに行ったことがある。そこでナウシカの筆箱と下敷きを買った。

当時はオタクという言葉もなく、アニメイトの店舗は小さく、知る人ぞ知る程度のものだったように思う。しかし、池袋のアニメイトに行くとそれはビルで7階ほどある巨大さで、中は一目でアニメ好きとわかるネクラっぽい女がたくさんで、男は稀だった。

グッズ売り場は5階で、エレベーターは行列。仕方がないので階段で行く。しかし、人が多い。ものすごい混雑である。階段はオタクの女たちが落とす髪の毛がスポットとなって散らばっている。

グッズ売り場で4歳児の手を握り、人をかき分けながら鬼滅グッズを探す。一応あった。でもフィギュアはない。ぬいぐるみっぽいものが小さな箱に入っているものがあった。そこには禰豆子のぬいぐるみの写真。

「あった、あった。禰豆子があった」

フィギュアではないが、これがいいと言う4歳児。

レジも行列。

「こんなもんを買うのに並ぶなんて、ガキがいると大変やデ」

と、呟く。

そして、またオタク女子の髪の毛が落ちている階段で降り、地上に出る。池袋はものすごい人出である。これだけ人がいて、コロナの感染者が東京でほとんどいないのだから立派なものだ。

と、人混みの中、池袋駅まで歩き、山手線に乗ると禰豆子の箱を開ける4歳児。

「あれ、これ、禰豆子じゃないんじゃない?」

と、わたし。

どう見てもこれは禰豆子じゃない。箱を見ると、全6種と書かれてあって、それはその中の「カナヲ」であった。

「カナヲ」っていたよね? 確か蝶屋敷にいた子じゃなかったっけ?

しかし、これは詐欺じゃないか。どう見てもこの箱を見れば誰だって禰豆子だと思う。ガチャガチャの要領で禰豆子が出るまで買わなきゃならないようになっている。

禰豆子でなかったことに山手線内回りの中で泣き出す4歳児。

「ねずこがよかった… ねずこ、ねずこがいい…」

グスグスと涙を流す4歳児に困惑するわたしは、

「じゃあ、サンタさんに頼もう。サンタなら持ってきてくれるよ。今日は仕方がないから諦めよう」

すると、4歳児は、

「サンタさんにたのむ… でもねずこがよかった… うえ〜ん」

4歳児と言えども山手線の座席で泣かれると、なんだかわたしが悪いことをしてるようじゃないか。

しかし、わざわざ混雑するアニメイトまで行ってやっと見つけたと思ったものが禰豆子でないとこれはショックである。

仕方がない。トイザらスに探しに行こう。と、駐車場に着くと、クルマの中で行き得るトイザらス3店舗に電話する。すると、ひとつの店舗に在庫があるという。

国道4号線を走り、草加のトイザらスへ。ああ、めんどくさ。

ここで鬼滅のコーナーを探すと、あった!禰豆子だ!

ようやく満面の笑みになった4歳児。4歳児は理屈はわかっても現実を受け入れられるクールさがないから、ここまでやるしかないのである。

「でもさ、禰豆子よりしのぶのほうがいいと思うんだけど」

と、わたし。だって、胡蝶しのぶって薬も調合できるくらい頭がいいしさ。アタシ、頭がいい女が大好き。ところが4歳児は、

「禰豆子のほうが可愛いよ」

と言う。

ふ〜ん、まあいいけど。わたしが一番好きなのは胡蝶しのぶじゃなくて、綾波レイちゃんだし。

というわけで、池袋に行ったせいで、大変な手間になってしまった。金はかかるし、面倒だし、これじゃ、何しに東京へ行っているのかわからない。一応、仕事に行っているのだけれど。

そして、この日はテレビで鬼滅の遊郭編第2話である。23時15分まで4歳児と時間をつぶすのがまた苦労する。ママゴトに付き合ったりしながら、鬼滅の放映まで辿り着き、ソファに並んで二人で見る。30分とはいえ、CMは相変わらず長いし、30分見た気がしない。

どうも鬼滅のテレビは一皿の量が少なくて高級感を出そうとしている銀座にあるようなフレンチもどきみたいである。

銀座では量が少ないことが高級だと勘違いしている店が多々ある。大きい皿の中央に日の丸より小さく盛られて、ソースが錯綜しているみたいな。

あまりに満腹感がないこの感じ。鬼滅の30分。これなら映画化されるのを待って、まとめて一気に見るのがいい。

と、善逸のアホぶりにふたりでゲラゲラ笑う。

丸一日、4歳児に振り回される日曜日。

でも、禰豆子のぬいぐるみを抱いて寝ている姿を見れば、まあいいかと思う。

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