結月でございます。
先日、結美堂に宅急便が届いたのは週刊プレイボーイ元編集長島地勝彦さんからギフトで、それはサロン・ド・シマジのキーマカレー10箱入りだった。
そういえばこの間、西麻布のサロン・ド・シマジへ行ったとき、メニューにカレーがあった。なるほどバーで出しているのはこのカレーだったのか。
開封すると、こんなパッケージのカレーだった。
ギフトが届いたときは、ちょうど硬めに炊いたライスがあったので早速頂いた。キーマカレーというジャンルは実はわたしはあまり知らなくて、そんなに食べたことはない。しかしグルマンである島地さんが出すカレーだから美味しいに決まっている。
と、食べてみると、美味しかった。レトルトでこの水準はかなりのもので、一口一口を大事に味わって食べたくなる。
ところでカレーにお酒はあまり合わない、そのようにわたしは思っているのは合う事例がないから。ところがこのサロン・ド・シマジのカレーはさすがバーが出すカレーとだけあって、スパイシーハイボールにぴったりだと察した。
スパイシーハイボールとは島地さん考案のハイボールで、シングルモルトのタリスカーをソーダ水で割り、そこにプッシュミルでブラックペパーを振りかける。これは伊勢丹時代からの名物ハイボールで、わたしは今までこれを何杯飲んできたことか。
用いるシングルモルトをタリスカーにするところがシングルモルトの百科事典と言ってもいい島地さんの的確なチョイスであり、タリスカーであることが何よりも需要なのである。
バッカスに免状は返上し、今はそこそこノンアルライフなわたしは家にあまり酒がない。冷蔵庫に缶ビールが数本、しかもこれは貰い物、そしてマロオケ公演前のリハーサルのとき、電車に乗って疲れたので熱燗が飲みたくなり、帰りにスーパーで買った紙パックの日本酒があるきりである。
というわけでタリスカーを備蓄するほどでないから、カレーはノンアルで頂いたのだが、スパイシーハイボールがぴったりであることはすぐにわかった。今はノンアルでもわたしの体にはサロン・ド・シマジのスパイシーハイボールの記憶がすべての細胞に浸み込んでいるのである。
さて、このサロン・ド・シマジのキーマカレーにはひとつの難点がある。それはパッケージに島地さんの似顔絵がプリントされていることで、カレーを食べたはいいが愛する島地さんがプリントされた空箱を台所のゴミ箱に捨てるのが実に憚れるのである。
困った、これはどうしたものか。
とりあえず箱は捨てずに台所に置いておく。しかしこの調子だと箱は溜まる一方ではないか。
4歳の愛娘のママゴトにこの箱は使えないだろうか?
そう思って4歳児に訊いてみると、
「いらない」
と、言われた。
確かにプリキュアが好きな愛娘のテイストには求められないのかもしれない。
箱だと嵩張るから、表面だけハサミで切り取って保存しておくことにするか? そうすればそれが履歴となり、いくつカレーを食べたかもわかる。しかし、そんなことがわかっても仕方がないとも思う。
と、箱をどうするかという問題は棚上げとして、今度サロン・ド・シマジに行ったときに島地さん本人に相談することにする。とはいえ、
「捨てればいいよ、そんなの」
と、言われそうな気はする。
さて、この極上にトレビアンでナイスなテイストのキーマカレーはサロン・ド・シマジの通販サイトで買える。
レトルトとしては贅沢なカレーであって、これは仕事でちょいと疲れたとき、簡単な料理も作るのが億劫で、かと言ってコンビニで済ませたくないそんな夜。ひとりで食べるには最高の品。
大人数でわいわい食べるのではなく、静かにプライベートタイムを過ごすカレーなのである。そして無論、スパイシーハイボールがあるといい。
ファミリー向けでなく、子供向けでなく、スパイシーハイボールを食中酒として楽しむアダルトなカレーなのである。
通販では10箱からだから、これを家にストックしておけば仕事を終えて帰宅したときのいいお供になる。
わたしのイメージでは腹が減ったから食うカレーではないのである。家に帰ったあとの時間をいかに上質なものにするか、そのためのカレーだと言いたい。
ところでカレーといえば米飯であるが、このサロン・ド・シマジのキーマカレーはジャスミン米が合う気がする。ジャスミン米を炊くときは、少しサラダ油を垂らして艶を出すこと。
さらにクスクスでもいいように思ったが、やはりジャスミン米がいいだろう。
日本の米、つまりジャポニカ米でやるなら水を少なくして炊き、硬めに仕上げること。これが鉄則である。水が多いベチャッとした米でやるとカレーの美味しさは半減してしまう。
というわけで、ひとりの夜をちょっと上質に過ごすなら、サロン・ド・シマジのキーマカレーにスパイシーハイボールをお勧めしたい。