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アマチュア率35%の極意

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結月でございます。

今日が祝日だとは知らずに、危うく保育園に行ってしまうところだった。トイレに貼ってあるカレンダーを眺めて、あと公演まではどれくらいかなんて考えていたら、今日は祝日だったと気づいたのである。

これは思わぬことで、なぜなら今日やってしまいたい業務がたくさんあったのに保育園が休みで4歳児がいるとなると思うようにできやしない。

仕方がないので、4歳児にはYouTubeでも見ていてもらい、わたしはその横でPCでメールをいくつも送信したりする。

しかし、この年頃の女の子の特徴として「質問攻め」があり、横から容赦なく質問が飛ばされ、集中力は撹拌される。

いろいろ考えながらメールをしなければならないが、4歳児にはわかってもらえないのである。

頭の中がヒートアップしながらも、なんとかメールを出したりして、実はまだやらないといけない案件がいくつかあったとはいえ、それらは諦め、明日にまわす。

しかし、やはりこういうのはよくない。4歳児なんか横にいて仕事なんかしちゃいけない。ちゃんと考えられて先方に連絡できているか不安にもなるし、大事なことを伝え忘れたりもしやすい。

と、思いつつ、愛娘を顔を見るとあどけなくて、何があっても仕方がないと割り切る。

さて、そんなわけで午後からは4歳児を連れてリクエストされた行きつけのショッピングモールで遊んで、夜に戻ってきた。ちょっと暇つぶしにTwitterを眺めていると、糸井重里のTweetが流れてきて、それは歌手の矢野顕子が、

『わたしだってかつては「生き方がアマチュア」でした』

と、Tweetしたものに糸井重里が、

「アマチュア35%くらいが最高かもしれないね。」

と、返しているのを見た。

アマチュア率が35%というのが絶妙だなと思い、だよね、だよね、と賛同する。

わたしもアマチュアっぽい人間で、エスタブリッシュメントからは程遠いところにいて、35%かどうかはわからないけれど、そんなポジショニングだと自覚する。

アマチュア率が少なくなって、しまいにはゼロになってしまうと、ガッチリと仕事はする、できるとはいっても、いい意味の「遊び」がなくなってしまい、とどのつまり「窮屈」になる。

窮屈になると、あまりおもしろい試みはできなくなるわけで、何かと細かいし、融通は利かないし、躍動しにくい。

かと言って、アマチュア率100%だと責任が乏しく、夢を追いがちな青臭い理想に走ったりして、結局それを実現させる力がなかったりする。もしくは実現したとしても、アマチュアっぽいものしかできない。

この両極端がいけないということで、アマチュア率35%はなかなかいい線だと思った。

プロフェッショナル65%。アマチュア35%。

思えば、アマチュア率ゼロの仕事は役所の仕事かもしれない。役所での仕事は行政で決められたことしかできないし、極端に言えば、

「これ、すげえ社会貢献した事業だったから、今回は税金、ちょっとマケてくんない?」

なんてことは通用しない。

ところがアマチュア率があれば、

「まあね、大事なことは金じゃないよね。いや、金も大事だけど、まっ、今回はお互い楽しかったしさ」

と、融通も利く。

そういう遊び幅がまるでないと人間関係はギクシャクするわけで、だから役所に行くと職員相手にマジでキレてる人がいたりする。

そして、おもしろい発想とはアマチュア的なところから生まれるものなのである。業界としては云々なんて言い出したらぶっ飛んだアイデアなんて出てきやしない。

わたしがアマチュア率を自分で大切にしているのはそういうところで、何か企画を考えるときは基本的に業界的にどうことかまったく考えない。それを気にし出すと、考えが萎縮してしまう。そして萎縮すると業界の相手からナメられる。

ズバッと発想は素人で、相手が、

「マジ!?」

と驚愕し、でもやればおもしろそうという魅力がプンプンして、さらに業界のことを知らないから無知ゆえにズケズケとモノが言える。

業界にどっぷりでないほうがいいのはこういう理由で、ダイナミズムは無知から生まれるのである。

そして、それを実現させる実行力はアマチュアであってはならない。学園祭の焼きそばの屋台でないのだから。

きっと企業も「面白味」があるところは会社にアマチュア率35%なところがあるに違いない。

ベンチャーがおもしろいのはアマチュア率が高いがゆえで、大企業、エスタブリッシュメントになればなるほど事業がつまらなくなる。稟議書を通すために尖った企画は下流へ流される間に角の取れた丸い石のようになる。

しかし、ベンチャーでもアマチュア率が35%を超えて、半分以上になるとさすがに業務はもたなくなって廃業していく。

アマチュア的なエネルギー。それは「好きこそ物の上手なれ」のエネルギーで、世の中にはアマチュアのほうがエスタブリッシュメントな企業が作るよりもおもしろい物を作る場合が多々ある。

きっときっちりと業務をこなすことにばかり集中すると「好き」というエネルギーがなくなり、お役所化するのだろう。大企業で役所でないのに役所的なところをよく見る。

「好き」がなくなると、仕事は辛いものになる。退屈を超えて辛いものになると苦しい。

でも、アマチュア率が高すぎて、自分は料理が得意だから飲食店をオープンしてみた、とか「好き」だけでやると失敗する。

だから、アマチュア率35%。

アマチュアじゃないんだけど、アマチュアが混ざってるみたいな。

ジンのストレートじゃないんだけど、ベルモットが入ってるからドライ・マティーニみたいな。

なんかそういうのがいいと思うんですよね。

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