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旅行業務取扱管理者試験に合格して国家資格ゲット!

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結月でございます。

「郵便で〜す!」

という掛け声がするので扉を開けると、郵便配達のおっさんが諸々の手紙や封筒を持っている。

弦楽器の業者に発注していたものや着物業者からのDM、公演関連の請求書などなど。しかし配達のおっさんは「簡易書留です」と言う。その手元には「全国旅行業協会」と書かれていた。

「このデカい封筒のサイズで簡易書留ってことは!?」

と、わたしの胸は高校生のように高まり、受け取った封筒をカッターで開けてみると、

「ムホっ!合格おめでとうございます!って書いてあるよー!」

そうなのである。これは国家資格である旅行業務取扱管理者の合格通知であり、中には賞状みたいな合格証が入っていて、そこには自民党の前幹事長、二階さんの名前が書いてある。二階さんは旅行業界のドンであり、協会の会長。昨年、GoToがコロナ禍で実施されたのも二階さんの権力なのである。

と、実はわたしは9月に旅行業務取扱管理者の試験を受けてきた。6月くらいから勉強を始め、4歳の愛娘が眠って静かになってから夜な夜な猛勉強をしていたのである。もちろん、昼間はマロオケ公演の仕事。

これは国家資格であり、これがないと旅行業を開業できない。

具体的に旅行業を始めるところまではまだイメージできてないにせよ、持っていていい資格だと思ったのは、着物もコンサートもそれぞれが単独ではもう無理なご時世ということにずっと前から気づいていたから。

着物を着る場だって結局は何かイベントが必要であるし、単純に日本女性の着物はきれいだよね!なんて言っても、着物みたいなクソ面倒なものを頻繁に着るわけにはいかない。やはり何か非日常の場を作らなければならなくて、そこの楽しみが着物を着る楽しさになる。

コンサートもそうで、音楽だけではもはや成り立たないところにきている。

それはクラシック音楽業界のお客さんの高齢化で、同時に新規のお客さんを開拓できていないから、年々先細りしていって、クラシック音楽を趣味とする人たちの数が減っていっている。

音楽を教養的な趣味や芸術的な興味で楽しむ文化があるのは団塊世代くらいまでで、それより若い世代のボリュームはとても小さい。

これはデータではっきりとしていて、マロオケ公演のFacebookのアナリティクスを見ると、グラフでバッチリ出ている。

あとはコンサートの乱発でコンサートの価値がデフレを起こして低くなっている。もう何年も前から感じていたことで、もうクラシックは音楽だけのイベントとしては成り立ちにくいのである。

というわけで、旅行をセットにしたコンサートプランなど音楽以外の楽しみも重層的に満載できればおもしろいと思っていた。

あとはせっかく栃木にいるから、わたしが愛する奥日光への旅行案内もやってもいい。

そんな事情があったから、旅行業をいつでも立ち上げられるように旅行業務取扱管理者の国家資格を取っておこうと思ったのである。

わたしが取得したのは国内の資格。海外は興味がないし、そこまで責任を持てないからやらない。

試験科目としては三つあり、

① 旅行業法

② 旅行業約款

③ 国内旅行実務

である。

もちろん独学。専門学校に通うと金はかかるし、通信教育も安くはない。とりあえずユーキャンの参考書を買って片手に蛍光ペンで勉強を進める。

しかし、アウトロー&無頼派路線で生きてきたわたしは旅行業法を読むだけで目眩がしてしまった。こんな細かい決まり事が法律になっていて、同じ日本語であるのに文学作品ばかり読んでいたわたしにはページを閉じたくなるような無味乾燥なものだったのである。

とはいえ、それもすぐに慣れてしまった。今のわたしは昔と違って、そういうこともちゃんとやれる実務的人間になっていたから。

そして、勉強するうちに世の中の仕組みというか、どういう決まり事で成り立っているか、リスク回避のためのルールなど、むしろ「なるほど」と思えるようになり、だんだん楽しくなってきたのである。

こういう知識はあったほうがいい。

今やっている公演のことだって同じで、「やりたい、やりたい」だけでは物事は進められない。

ずっと長い間、ガキみたいにいい加減で、テキトーで、感性に任せてやってきた反省もある。結局大きなことをやるにはまともな知識を身につけ、それをわかった上で動いていかなければならない。

芸術肌だけでは芸術はできない。芸術をやろうと思えばまずは実務なのである。

さて、旅行業法と旅行業約款は似たような項目であり、量が多いだけでなく、細かくてややこしいところは多々あれど、理解することはできた。

受験として最も難関だったのは国内旅行実務という科目で、これは超絶面倒。JRや航空機、フェリー、バスなどの運賃を計算したりするのだが、特にJRはかなり内容が細かく、これを把握し、暗記するのはものすごく大変だった。

さらに国内観光資源もあって、日本全国の観光名所を覚えなければならないが、これはかなりニッチな内容で、自分が澄んだことがある場所はなんとなくわかるものの、行ったことがない場所はまるでわからない。

またわたしがずっと海外ばかり行っていたから、日本のことを中学生よりも知らない。奥日光のことだって、たまたま訪れて初めて知ったのが6年前で、そもそも日光が栃木であるのも知らなかったし、東照宮が日光にあるのも知らなかった。那須塩原なんて聞いたこともなかった。

日本のことに極端に無知であったから、この観光資源はほとんど点は取れていなかったと思う。

しかし、JRなどの運賃を計算するほうで得点することができたのであろう、観光資源の失点をそれて補っていたのは驚きだった。なぜなら、国内旅行実務は完全に落としたと思ったから。

しかも、こんなマークテストを受けるのは大学のセンター試験以来か、5年前に取得した運転免許の試験くらい。

そのため、時間配分を考えることをすっかり忘れていて、最初の旅行業法を丁寧に解いていたら、後半の旅行実務は冷や汗たらたらで焦りに焦り、JRの運賃を高速で計算、国内観光資源は問題を読み返す時間もなくサラッと読んですぐマークという慌てぶりだった。

ともかく、国内旅行実務があまりにもハードであり、覚えるルールが多く、大変であったから、もし落ちたとしてももうこれはやりたくないと思っていた。

とはいえ、無事合格ということで今日一日は気分がよく、やはり勉強して合格という結果を得ると気持ちのいいものなのである。

しかしながら、受験勉強は楽なものではなく、もともと記憶力が弱い上に、さらに忘れっぽくなっているオツムにこれだけのものを叩き込むのは頭脳の山登りをしているような辛さがあった。

使用したテキストはユーキャンと資格の大原。

やはりテキストとしてはユーキャンのものがものすごくよくできている。しかし、それに慣れるとそれでしか理解できなくなるから、同じ内容の項目でも資格の大原でさらい直した。

そして、問題集を何度も解く。そして、うんざりするほどニッチな国内観光資源。

正直言って、わたしにとってはフッサールの現象学やキルケゴールの実存主義、カントの純粋理性、ニーチェの超人理論、サルトルの存在と無など哲学書を読むほうが楽だった。

哲学書は読み慣れているし、もともと好きだし、哲学的に物事を考える癖も頭がそうなっているし、難解なものを読んでも辛いとは思わない。

しかし、JRの料金計算なんか、アプリでいいじゃないかと思ったりしてしまうわけで、そうなると頭が反抗してしまって素直さがなくなり、すんなりと頭に入ってこないのである。

きっとこういうのは得意な人は得意なのだろうと思う。

どうやら人間はそれぞれに頭の使う場所、使い方が異なるようである。

しかし、旅行業法と約款は仕事において大変勉強になった。これはやっておいてよかったと本当に思う。

ともかく、合格して気分はいい。と言いつつ、実は自分がこの試験を受けたことなどすっかり忘れていて、合格発表のことも脳裏にはなく、郵便配達のおっさんによって思い出されたのである。

9月に試験が終わった時、すでにもうそれは終了したものとして考えていて、あとは合格するか落ちたら落ちただけだからとすっかり興味がなくなっていた。結果発表がまだなのに合否を気にしたって仕方がない。

さて、とりあえず合格して資格を得たから、これをこれからどう使うかな。持っていて腐るものでないから、公演が終わったらゆっくり考えることにする。

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