結月でございます。
熊本でコロナに感染した50代の男が「入院すると猫の世話ができなくなる」という理由で入院を拒み、自宅で死んでいるのが発見されたらしい。
一人暮らしで猫が一緒だと、コロナ感染した場合の切実な問題で、動物好きでなければたかが猫でと思うかもしれないが、猫好きにとっては愛猫を置いてけぼりにするなんて考えられない。
ワクチン2回接種を完了したわたしはコロナに関してはほぼ心配がないと言ってよろしいが、接種前は猫のことを考え、もしコロナに感染して隔離となった場合、うちの3匹の猫たちをどうするかについてシミュレーションしていた。
とにかく猫を飼っているとその猫愛は深く、我が身よりも猫のことを考える。だから、たとえコロナに感染しても猫がいるから入院はしないという気持ちはよくわかる。
しかしながら、もっと賢く考えるならば、自分が死ぬ可能性があるコロナであるなら、ひとまずここは入院して生き延びて、猫を孤児にしないようにと考えるべきだったと思う。
自分が死んでしまえば元も子もなく、愛猫を面倒看る自分がいなくなるいのだから、猫にとって一番の悲劇である。
つまり、猫のためを思うなら入院をするのが最適解であり、一人暮らしで代わりに猫を看てくれる人がいなければ、金を払ってペットシッターに頼めばいいし、近所にペットシッターがいない、もしくは雇う金がないのであればSNSに投稿して入院中に猫の面倒を看てくれるボランティアを募集するなどすればいい。
猫に対する思いは猫好きであれば共通して理解できるので、知り合いでなくとも善意でやってくれる人が出てくるに違いなく、ちゃんとしてそうな人を採用するといい。
とは言え、そういうアイデアも出てきそうで出てくるものでもなく、猫愛は一途でありすぎて、どうしても自分が病気でもなんとか自分でやろうと盲目的になってしまう。ましてや50代のおっさんであれば柔軟なアイデアは出てこなかっただろうし、中年の一人暮らしとあっては人に頼むことも拒んだだろう。
さて、うちの猫たちはまだ健康であるけれど、いつしか死ぬ。わたしより早く死ぬ。
できるだけ長く一緒にいてほしいと思いながらも、猫のほうが早く死ぬ。これは辛い。
そのXデーを想像しただけで、今から泣きそうになるのであるが、しかし猫は人間より早く死ぬからいいのだとわかってきた。
愛する猫たちにとってわたしが先に亡くなることが最大級にあってはならないことで、面倒看てくれる人が突然いなくなるとあの猫たちはどうすればいいのだ?
だから、猫のことを思うのであれば、飼い主である自分が生きていなければならない。自分が死なないことが猫にとっての幸せなのだから。
自分が生きて、そして猫が死ぬ。
猫を失うことは悲しいけれど、猫にしてみれば安心して死ねるわけで、飼い主を喪失して路頭に迷う猫の不幸を考えれば猫は自分より早く死ぬから幸せなのである。
それがわかれば、猫が死んでも「よかった」と思えるに違いなく、きっと悲しみは半減する。
入院を固辞して死んでしまった男の猫はこれからどうするのであろう?
身寄りがいなければ、保健所に連れて行かれるのだろうか?
だから、猫が死ぬまできっかりと愛を注げるよう、自分が健康で、死なないようにしなければならない。
交通事故死よりもはるかに死亡率が高いコロナ・デルタ株。
今、コロナは日本人の死因の第何位にあるのだろう?
厚生労働省によれば、今までは死因第1位が癌で、第2位が心疾患、第3位が老衰、第4位が脳血管疾患、第5位が肺炎となっている。
第10位でアルツハイマーであるから、もしかするとコロナはトップ10に入っているかもしれない。
しかも癌や心疾患といった病気と異なり、コロナは突発的に死ぬ確率が高い。若年層までデルタ株は広がっていることを考えると、コロナ死は思いのほか近いところにあって、それをリアルに思い描けないうちに死んでしまった人がたくさんいることになる。
愛猫を思うのであれば、自分が死なないこと。
それが猫にとっての一番の幸せ。