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これからは綾波レイでいく!?

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結月でございます。

今日はダッシュでシン・エヴァンゲリオンを観に行く。進行中の企画のこともあるから、さっさと観に行っておかないと時間がなくなる、というより観に行く精神的ゆとりがなくなってしまいそうだったから。

レッスンで東京に出かけたとき、上野あたりで観ようと思ったらエヴァの公式サイトで上映案内から「東京」が消えていて、そうか、緊急事態宣言でなぜか映画館を禁止にした百合子のせいだと気づいた。

劇場がよくて映画館がアウトという整合性のない処置にかなりのブーイングらしいけど、非科学的ニッポンはやることなすこと非科学的で道理がなく、ウイルスのような科学で対処しなきゃならないものに対してはとにかく弱い。意味不明な精神論や科学的根拠から逸脱した怯え、空気感による非合理な行動様式などなど、

「なるようにしかならんデ」

と、真面目に考えるのを放棄したくなる。

と、そんな中、映画館オッケーな栃木県。午前の部のエヴァンゲリオンは感染したくてもできないような状態。つまり観客はわたしを入れてたった三人。

さて、シン・エヴァンゲリオンは、

「こんな映画、よく作ったな…」

と、白旗をあげたくなるほど緻密でありながら、スケールが大きい映画だった。想像力もものすごいけど、それよりもあの映像を作る手間が途方もなさすぎて参りました。

あれだけの映像を1分作るだけで、一体、どれほどの手間がかかるか。それはとんでもないですよ。

ところで一応映画専門家としてわたしが思ったのは、あの映画はカメラレンズなんだよね。絵の構図がカメラのレンズで捉えたものになっていて、広角、中望遠、望遠などなど、カメラレンズを通して撮った写真が構図になっている。

だからアニメーションだけれど、シン・エヴァンゲリオンは写真なわけ。絵じゃない。

宮崎駿なんかのアニメは絵画なのよ。描いている。ところがシン・エヴァは写真で撮った構図を原画にしたという感じ。それが大きな特徴。

なので、アニメだから動画なんだけれどスチール写真の連続がカット割されてると考えていい、そういう作り方をしている。

そして、ラストでシンジくんが絵コンテになるところは今まで一緒に作ってきたスタッフへ、そして長年エヴァを観続けてくれたファンへの感謝の気持ちだろうなと思った。

神が云々というのは、哲学的には薄っぺらでいい加減な内容だと思うけど、まあそこは監督が哲学や宗教の専門家じゃないし、専門的にやったらドラマとしてはおもしろくなくなるわけで、そこはアニメとしてオッケー。

さて、いろんなキャラクターが出てくる映画。その中でわたしが綾波レイちゃんがダントツに好き。

女としてはミサトさんが好きだけど、新劇場版:Qでヴィレになってからは宇宙戦艦ヤマトの女艦長みたいになって偉くなりすぎてちょっと… やっぱ最初の頃の飲んだくれてたときがいい。

綾波レイちゃんを見ていて、これからは綾波調でしゃべろうかと思った。

ウザくて、面倒な人が絡んできたら、あのドライで淡白な声で、

「ごめん… あたし… わからない…」

と、スルー。

綾波調でいけば、あらゆる面倒なことに関わらなくて済む気がする。

例えば、職場で嫌味な上司がうるさく言ってくると、

「それ… 命令…? 命令なら、する…」

と、つぶやく。

夫婦間で喧嘩になりそうなときは、綾波調淡白に、

「自由… でいる… わたしも、あなたも… じゆう…たぶん…」

と、小さな声でつぶやくも視線は虚ろけど直線。

とまあ、綾波レイちゃんのようになんだかすごい力がありそうなのに過去の記憶が曖昧で、純真なのにどこか怖くて、死ぬことも恐れていないキャラでこの現実を生きるときっと面倒には巻き込まれない、というか面倒が逃げていくように思う。

ところでエヴァンゲリオンはシンジくんという男の子が主人公でありながら、活躍するのは女であり、

「だから若い男は!」

と、アスカが絶叫しながらエヴァで戦闘するのはその象徴。

ミサトさんだって艦長になって頼もしいし、男が頼もしいというのは今の日本ではない概念。かと言って、ミサトさんみたいな女が日本に多いかというと全くそうではなく、そこが理想にあっているから魅力的に見える。

日本の女がアスカやマリみたいに行動力抜群で度胸があるかって考えても、全然そうじゃない。だからやっぱりアニメ的理想像なのだろう。

とは言え、託したくなるのは男か女のどっちか?となると女に託したいというのが今の時代。男は託せるほど根性が据わってないと思われるのは、巷の男がそう見えるからかもしれない。

とまあ、シン・エヴァンゲリオンはすごくよかったわけで、ほんと、よくあれだけの映像を作ったものだとその驚異的な手間をやり切ったスタッフがすごい!と映画の内容より仕事のすばらしさに感動してしまった。

エヴァンゲリオンの良さは、なんだかよくわかんないところであり、謎であり、答えが明確にないからいいのだと思う。きっとそれは庵野監督だってわかっていなくて、わかって作っていなくて、だからこそいいのである。

対照的なのはスターウォーズで、特にディズニーになってからはすっかり哲学がなくなってしまい、全世界のどこの国の馬鹿でもわかる作り方をしているので、答えがはっきりしていておもしろくない。

謎が多いから、綾波レイちゃんも魅力的ってわけで。

わからないものを抱えていない人間ってつまらないものなんだよね。

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